見出し画像

補助記憶装置とは(SSD編)

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。6月4日金曜日の朝を迎えた愛媛松山でございます。雨ですね。今週は歯の衛生週間となっています。歯を磨かないのはいけませんが磨きすぎてもエナメル質が剥がれて知覚過敏になりますのでお気をつけください。5分以上歯を磨いている方は時間を減らすといいでしょう。

さて、前回は補助記憶装置ということで一般的かつ歴史の長いHDDを紹介しました。意外にもレコードプレイヤーのような構造で懐かしさを感じた方もいらっしゃるかも知れません。HDDのことを少しだけおさらいしておきましょう。まずメリットですが今ある補助記憶装置の中でそこそこのデータアクセス速度があり、大容量でかつ価格が安いという点ですね。デメリットとしては壊れやすいことです。構造上の問題もあり金属ディスクそのものに傷が入ったり、金属ディスクを回しているモーターが壊れたりすると機能しなくなります。

前回はHDDのみのお話でかなりざっくりした印象をお持ちの方も多かったと思います。CPUや主記憶装置に関してはこのくらいの処理能力や記憶容量があれば問題ありませんとブログ上でお話しさせていただいていたわけですが、前回はそうではなく若干モヤモヤした方もいらっしゃるかと思います。それは現在のコンピュータにはHDDよりもSSDが搭載されることが増えたため、あえてSSDと合わせて現在必要な容量をご紹介させていただこうと考えたからです。ではSSDとは何かというところからですが、SSDとはソリッド・ステート・ドライブの略称です。と言われても何のことやらさっぱりですね。簡単に言うと半導体素子メモリ(フラッシュメモリ)を使った補助記憶装置です。補助記憶装置には大容量・データの長期保存が効くという2点が求められるわけですが、この2点を抑えたものは今までHDDくらいしかありませんでした。

その後様々な補助記憶装置が開発され販売されましたが、どれも記憶容量が少なく長期保存が効かないというのが実情で、長らくHDDの牙城を崩すものは出てきませんでした。そこにさっそうと登場したのがSSDです。SSDはHDDよりも容量は少ないものの、衝撃に強く、半導体に記録するためデータへの読み込みや書き込み(データアクセスの速度)が早いため、脚光を浴び始めます。今では当たり前のようにPCやゲーム機に搭載されています。HDDは前回書いたとおりデータへアクセスする場合は金属ディスクを回転させ、データを探し出し磁気信号をデジタル信号へ変換してメモリへ転送する必要がありましたが、SSDはデジタル信号をそのまま記録します。それに金属ディスクではないので回転させる必要がありません。つまりデータアクセスに関してはSSDのどこにデータが記録されていてもあっさりと見つけることができます。またデジタル信号をそのまま扱うため、メモリへデータを転送する際にデータを変換する必要もありません。

実際にHDDからOSを起動するのとSSDからOSを起動するのとでは体感できるほど差が出ます。もちろんCPUやメモリの動作速度によって若干変化はしますが、それを差し引いても速いです。例えばHDDからOSを起動させるのに2分ほどかかったとします。SSDではだいたい30秒くらいです。CPUやメモリの動作速度を上げればもっと速くなりますが、HDDからSSDに換装しただけでも明らかにコンピュータの起動速度が上がったという報告が上がっています。利点はそれだけではなく、ソフトのインストールや起動も早くなります。ビジネスシーンでは働き方改革で業務の効率化が叫ばれている昨今ですが、データアクセスへかかる時間が少しでも短縮できれば今までコンピュータが処理する間待っている時間を減らして業務時間へ当てることができます。ゲームでも今いる地点から別の地点へ移動する場合、移動先のデータを読み込む必要があります。最近のゲームは処理を行うデータ量が半端な量ではありませんし、オンラインゲームであれば誰がどこにいてどんなものを身につけているのかというデータが複数存在しています。それらのデータ処理を行う際に、インストールされているデータにアクセスし、すべてを読み込んで画面表示に反映させなければなりません。具体的にはそのキャラクターが身につけている武器・防具・アクセサリーはもちろん、顔や髪型の特徴も含まれます。HDDではデータを検索して該当したデータをメモリに転送する作業が発生しますが、データを探す時間が非常にかかるため、画面に反映されるまで時間がかかっていました。一人や二人程度であればすぐ画面に表示できますが、1ヶ所に数十人いる場合は、全員が表示されるまでに10秒ないし20秒かかる場合もありました。場合によってはもっと掛かることもあります。それがSSDになると瞬時にデータを読み込んで反映させることが可能になるため、データを読み込んでメモリに反映させ、画面に表示する速度が目に見えて早くなります。もちろんCPUの動作速度が遅ければ時間はかかります。

HDDよりもSSDの方が優秀であるという印象が強まったかと思いますが、SSDにも弱点はあります。それはSSDが半導体であるということです。SSDが半導体であるということは長所でもあり短所でもあります。まず半導体であるということから、記憶容量に対する単価が高いです。つまりHDDよりもSSDの方が価格が高くなります。それゆえにHDDよりもSSDの方が記憶容量が小さいものが多くなります。そうしないと価格が高額になりユーザが買うことが難しくなります。金に糸目はつけないという方は買うかも知れませんが、一般的な考え方としてある程度価格は抑えたいと思うでしょうから、性能が良くても高価であればおいそれと手は出せません。

次に記憶素子が劣化するという点です。HDDではデータを記録する際に磁気データに変換して記録していました。SSDでは記録する媒体にフラッシュメモリというデータの記録や削除が可能な半導体を使いますが、記録するごとに半導体にある記憶素子というものが物理的に劣化していきます。平均寿命としてだいたい5年もすれば記録できなくなります。精密機器でもあるため5年保たずに記録できなくなることもあります。壊れる際の前兆現象もHDDの場合は「カッコンカッコン」と異音がする場合がありますが、SSDは半導体なので中で何かが駆動しているというわけではありません。つまり前兆現象がない状態でいきなり壊れることがあります。例えば何かのソフトをアップデートした際にコンピュータから再起動を求められる場合がありますが、再起動を命令したらSSDが壊れてコンピュータが起動しなくなるということも起こります。

最近のSSDは物理的にそう簡単に壊れることが少なくなっていますが、こういう事故は起こります。また記憶する回数に限りがあるため、OSやよく使うソフトだけをとりあえずSSDにインストールしておいて、作ったデータはHDDやUSBメモリなどに記録するというやり方が一般的で、できる限りSSDには記憶させないという手段を取り、できる限り記憶素子が劣化しないように配慮する必要が出てきます。そのためHDDのように何でもかんでも記録させてしまうというやり方は推奨されていません。しかしその弱点を差し置いてもデータアクセスが早くなったり、HDDよりも壊れる可能性が低いため、どんどんSSDを取り入れる製品は多くなっています。ではだいたいどのくらいの容量があれば問題ないのでしょうか?私の環境では約500GBのSSDを使用していますが、実際に使っているのはその半分程度です。私のPCは自作PCということもあって、基本的な使用用途はWEBページの閲覧・メールの送受信・動画サイトでの動画視聴(生配信の受信も含む)・ゲーム(オンラインでの協力・対戦が可能なもの)・ブログの更新・文書作成に使っています。

HDDが搭載されているPCだと大体1TB(1000GB)のものが主流ですので、特に記憶容量を意識する必要はありません。SSD搭載機種の場合は現在の主流は256GB程度です。そんなに少なくて大丈夫かと思われるかも知れませんが、私も500GBの環境にしたのはつい最近で、それまでは256GBの容量で使用していました。OSの更新やソフトの更新を行っても特段容量を圧迫するような状況にはなっていなかったのですが、新しいゲームを購入しインストールした際に、256GBの容量中約85%くらいを使用してしまっていたため、やむなく500GBの環境に移行しました。ビジネス目的で使用される方は256GBもあればソフトの更新などが発生しても問題なく使用できる容量です。容量が少なくなった場合は外部ストレージ(USBメモリ・外付けHDD・ネット上のストレージなど)を利用すればいいので、256GBでも何ら問題はありません。500GBの容量のものもありますが、USBメモリや外付けのHDDを購入したほうが価格を安く抑えられるはずです。ゲーム用途の場合では500GBあれば充分です。ゲームの場合はビジネスソフトとは違って、ソフトのアップデートで新機能が追加されたりバグが潰されるのはもちろんですが、大型アップデートによる追加データの量がゲームによっては大量に追加されます。SSDには最大記憶容量が増えればその分データアクセス時間も短縮されるという利点もあるためゲーム目的の場合は大型アップデート内容やデータアクセス時間を鑑みて500GBのSSDのものを選ぶといいでしょう。2021年現在では1TBのSSDはデータアクセス速度にあまりこだわりがなければ必要はありません。

最後になりましたが、補助記憶装置のイメージがまだあまりつかめてない方もいらっしゃるかと思います。本来なら最初に説明しておくべきではあったのですが、HDDやSSDという記憶装置の種類の説明を先にしておいたほうがコンピュータ選びの際に有用であろうと考え、今回は先にHDDとSSDに関してブログを書きました。CPUは頭脳、メモリは作業台でした。では補助記憶装置全般は何を指すのか?というとデータの保管庫です。いわゆる倉庫や本棚だと思っていただいて大丈夫です。CPUはデータを本棚へ取りに行き、何度も本棚へ行かなくてもいいようにメモリにデータを展開して覚えておきます。そして、必要がなければ補助記憶装置に対してできるだけアクセスしないようにしています。皆さんも本棚へ行くときは今いる席を立って、部屋の中を歩いて本棚へ行き、必要な本を探して持ってくると思いますが、その際にまた使うかも知れないから、本は本棚へ戻さずにそのまま机の上などにしばらく置いておくかと思います。そうすればまた必要になったときに本棚へ行ってまた本を探す必要がなくなります。HDDがSSDに変わってデータアクセス速度は上がりましたが、メモリへのアクセス速度とSSDへのアクセス速度を比較するとメモリへのアクセス速度のほうがまだまだ速いのが実情なのです。

さて、次回は映像出力に関してのお話です。映像出力はゲームソフト特有のものではないのか?私はビジネスでの使用を考えているから、映像出力に関しては無関係なのでは?と思われる方もいらっしゃると思いますが、そうではありません。確かにゲームでは3DCGによるキャラクター描画が当たり前の時代でそれ相応の映像出力能力が求められています。しかしビジネスソフトであってもモニターに表示する以上は必要最低限の映像出力能力が必要になります。コンピュータで計算した内容を表示するにはそれ相応の部品が必要になります。次回は映像出力に関して、まずはグラフィックボードのお話をさせていたければと思います。ご興味がありましたらまたお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?