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ベストエフォート型とはなにか?

おはようございます。またはこんにちは。もしくはこんばんわ。マゲっちSCと申します。前回のブログのタイトルを間違えてしまいました。(バイト編)ではなく(ビット編)が正しいタイトルです。大変申し訳ありませんでした。

さて、東京オリンピックも開会式が終わって本格的に競技が始まり、日本代表は連日メダルラッシュが続いています。私はあまり感動という言葉は好きではありません。使うとなんだか安っぽくなる気がするからです。感動というのは人に言われてするものではなく、自分で感じた時に自然と心の奥底から湧き上がってくるものだと思います。だから選手の関係者の方はもちろん涙が流れるし、よく知らない私たちであっても目標達成のためにがんばる姿に感じるものがあるんだと思います。どんな目標であっても達成するのは大変なことを私たちが知っているからですね。

さて、前回のブログではバイトよりも小さな容量であるビットについてお話しました。ビット数の計算は2進数です。つまり2の○乗で求めることができます。○に入るのは0以上の整数ですね。2の0乗は「1」です。そこから計算していくと、1、2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024・・・と続いていきます。CPUのビット数やメインメモリの容量も基本的に2の○乗で求めた数値が使用されます。現在のCPUのビット数は64ビットです。おそらくですが10年後の2030年代に入るとPCも128ビットの時代が来るでしょう。メインメモリの容量は今は4~16GBで足りています。ビジネス目的であれば工場出荷時のメモリ容量はだいたい4GBです。ゲーム目的でもだいたい8GBほどあればほとんどのゲームが動作します。2021年現在ではメモリを16GBも使用するゲームはほぼありません。ゲームのプレイを生配信する場合でも12GBほどメモリがあれば足りますが、メモリはある程度容量に余裕がある方が快適にゲームも配信も行えるので、16GBあれば必要十分であると言えますね。ちなみにWindows10では最大で192GBまでメモリ管理ができるそうですが、そのメモリ容量に達する前にWindows11のリリースが決定していますし、192GBも容量を使用するソフトが出るのはかなり先でしょう。

さて、前回のおさらいと余談はこのあたりにして、今回のお題であるベストエフォート型のお話をしたいと思います。皆さんもネット回線の契約を検討するときに回線業者のサイトや家電量販店のインターネット回線契約担当者から「この回線はベストエフォート型です」ということを言われると思います。回線業者によっては言われないこともあるかもしれません。その場合は手渡されるパンフレットに書かれているはずです。そして皆さんは特にこの言葉について質問することすらしないと思います。理由としてはどこの回線業者に話を聞いてもだいたいベストエフォート型と言われたり、そもそもベストエフォートの意味を知らないので質問のしようがないという理由であると考えられます。

では、ベストエフォート型の意味をお話する前に、インターネット回線について深堀りしていきましょう。まず、インターネットにつなぐ回線種別としては「専用回線」と「公衆回線」に別れます。専用回線とはその名の通り、インターネットに接続する専用の回線になります。この場合の専用の意味は「インターネットに特化した」という意味ではなく、「インターネットに接続する契約者専用」という意味です。つまり、いつどの時間帯に何時間使用しても、一切誰もその回線に誰も入り込むことができないということですね。常にどの時間帯も空いているため、遅延もありませんし、最大速度でのやり取りが基本的に可能です。4人家族で同時に使用した場合などは多少速度が遅くはなると思いますが、それでも4人ですし体感できる速度はほぼ変わらないはずです。しかしデメリットもあります。それは毎月かかる利用金額ですね。回線は専用回線なのでわざわざ光ファイバーにする必要はないと思いますが、メタル線であってもその先のつながっているネットワークルータやウェブサーバ、メールサーバを特定の契約者だけに開放するとなると大変です。それにコンピュータの進歩は日進月歩であり、インターネット上にある情報量も増えますし、それだけの情報量をさばくことのできるネットワークルータやWebサーバなどを入れ替える必要が出てきます。入れ替えずに使用することもできなくはないのですが、契約した速度は出なくなるはずです。契約した速度を保証する必要があるためどこかのタイミングでインフラの整備・入れ替えは必須になります。そのことを鑑みて月額料金を算出すると、最低でも40万円程度の整備費用が月間でかかるはずです。

では公衆回線ではどうでしょうか?公衆回線では様々な人や企業がどの時間帯でも使用している状態です。深夜の3時頃でも誰かはインターネットを使用していますし、インターネットを通じて企業のサイトにアクセスしてくるのは日本人だけではありません。当然外国からも見ることができます。たとえ日本人が誰も使用していなくても外国からのアクセスで日本のインフラに負荷がかかっています。日中になれば今度は外国が夜になっているので、外国からのアクセス数は減りますが、今度は日本国内での利用者数が増えます。利用する目的も実に様々で、よりよいサービスを求めてウェブサイトを閲覧する人もいれば、個人や企業間でメールを使ってやり取りする人もいます。SNSを使ってなにかつぶやいたり、写真や動画をアップロードしたり、それを見るためにダウンロードする人もいます。スマホのアプリをダウンロードするために使う人もいれば、オンラインゲームで遊ぶためにネット接続する人もいます。そのため、どんなに高速な回線を使っていても、常に誰かと回線を共用している状況にあります。なので「この回線は1Gbps出ます」とうたっていても実際には1Gbps出ることはありません。1Gbpsというのはあくまで理論値(計算上出る最高速度)です。しかし商品として売り出す場合に、「たしかに早いですが実際にどの程度の速度が出るかはつないでみないとわかりません」と言われたら、あなたは果たして契約するでしょうか?その回線業者が日本を代表するような優良な業者であってもこんな説明をされたら怪しすぎて契約することはないと思います。

そのため回線業者としては理論上出ると考えられる最大速度を明記した上で、「いろいろ企業として努力はしますが、その速度が出るかどうかの保証はいたしかねます」と言っているわけです。それが「この回線はベストエフォート型です」というメッセージとしてパンフレットや回線業者のウェブサイトに記載されていたり、店頭で担当者から聞いたりするわけです。ちなみにこのベストエフォート型との記載や伝言がない場合は回線業者が訴えられた場合は敗訴してしまいますが、ベストエフォート型と記載がある場合は、それに納得して契約したということになるので、消費者側が敗訴することになります。少し言い訳がましいと思われるかもしれませんが、前述した状況もあり回線は常にひっ迫している状態です。日本国内では公衆回線はすべてベストエフォート型です。こうしてみると公衆回線だと思った速度が出ていないというのがデメリットのように感じられますが、メリットもあります。専用回線とは逆で月額料金がプランにもよりますが、だいたい3000円~7000円程度と安価です。月額料金が安い分速度が思ったように出なくても目をつぶってくださいというわけですね。

そして、インターネットの速度の問題としてISP(インターネット接続業者)の問題もあります。いくら回線速度が早くてもISPが混雑している場合は思った速度が出ないことがあります。NTTのフレッツとコラボしているISPは大きいところが非常に多いです。ISPの規模が大きければその分ネットワークルータやウェブサーバ、メールサーバなどは高性能なものを使っているところが多いわけですが、逆に言うと契約者数も多いです。いくらインフラを支える機材が優秀でもその機材の限界を超える数のアクセスがあれば当然遅延します。電力会社やケーブルテレビ局が提供しているインターネット回線は回線業者とISPが同じ企業です。電力会社もケーブルテレビ局もサービスが提供できる地域は限られているため利用者は少ないです。なので、インフラを支える機材は大手ISPよりも脆弱であることが多いわけですが、利用者数が少ないため混雑する可能性は低いので、大手ISPや大手回線業者を利用するよりも速度が出ることがあります。ただ、実際には契約して接続しないとどの程度の速度が出るかはわかりません。

最近は光回線が主流となっているので、一戸建てに住んでいるのであれば様々な業者を使って比較することはできます。しかし、光回線の引き込みや撤去の工事をしなければならなかったり、引き込みはキャンペーンで無料であっても。撤去する際に工事料金がかかる場合があります。また、光回線の場合は回線業者によって引き込む回線が違います。なので撤去するタイミングと引き込み工事を行うタイミングによってはインターネットが利用できなくなる期間が発生することもあります。マンションなどの集合住宅に住んでいる場合はすでにマンション側で契約している回線業者がいて、そこの回線を基本的に利用することになります。別の業者の回線を利用したい場合はマンション管理人や管理会社に許可を取る必要がありますが、許可が取れても一戸建てと同じプラン(マンションタイプと比較すると高い)で使用することになったり、現地調査の結果引き込みが不可能であると判断された場合は契約できません。その分マンションタイプであれば一戸建てのプランよりもたくさんの契約者と回線を共用するため、月額料金は安い場合がほとんどです。マンションに引っ越すときはマンションの規模をきちんと調べて、ピークタイムに回線速度が落ちてもそれが許容できる範囲の速度かどうかをある程度予測しておく必要があります。

お住まい・地域・回線業者・利用時間帯によって現在のインターネットの状況は常に変化しています。いろいろと回線業者は様々な文句を並べて契約者の獲得に必死になっていますが、実際にどの程度の速度が出るかどうかは接続しないとわからないので、かなりツッコんだ質問をすると回線業者側は「やってみないとわかりません」という回答になるわけです。回線業者をもってしても、その時間帯のアクティブユーザ数(契約している人の中で実際に使っている人数)の正確な人数はわかりません。

さて次回のブログネタはゲームについて何かしらのことを書いてみようかなと思っています。昔話になるかもしれませんし、現在のゲームを取り巻く環境について書くかもしれません。いずれにせよ今までがテクニカルな話題であったので、次回はお楽しみというかレクリエーション的な感じのブログ内容にしようと思っています。ご興味がありましたらぜひお立ち寄りください。それでは失礼いたします。

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