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『ざ・総括。』スバル・レヴォーグ レイバック

オススメ度 ★★★☆☆

「泥臭い」ほうがまだいい

スバル・レヴォーグの派生車種として誕生したレイバックは「都会派SUV」だと言う。レヴォーグの外観を少し変えて、最低地上高を55㎜上げ、タイヤは1サイズ大きいオールシーズンタイプが標準。レヴォーグよりもマイルドな乗り味と扱いやすさをねらったと聞くが、マイルドというよりは「何となく頼りない印象」だと本誌評価陣は語る。その一方で、販売実績ではこのレイバックが本家レヴォーグの台数を上回り、スバルの商品企画はそのまま市場に受け入れられた格好だ。とはいえ、スバルは企画で生きる会社ではなかったはずだが…。

<評価メンバー>
エ=エンジニアリングコンサルタント
チ=チューニングショップの社長兼エンジニア
部=元部品メーカーのエンジニア
T=ベテラン実験ドライバー
通=自動車業界の事情通

これはレヴォーグMCか?


エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) レヴォーグの車高を高くして、サスペンションに下反角を持たせて最低地上高を上げ、オールシーズンタイヤを履かせて少々のラフロードなら走れるようにした。そんな感じのライトSUV版レヴォーグがこのレイバックだろう。商品企画は悪くない。しかし開発には金をかけていない。何がやりたいのかもよく分からないクルマだった。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) かなり怒り混じりの紹介だな(笑)。みなさんに乗ってもらったのは「リミテッドEX」グレードで車両価格399万3000円。いまのところこのワングレードだけなので選びようがない。
元部品メーカーのエンジニア(以下=部) ボディサイズで見ると、レヴォーグは全長4755×全幅1795×全高1500㎜、レイバックは4770×1820×1570㎜なので、レイバックのほうがわずかに長く、最低地上高を200㎜確保したことで車体全体が55㎜持ち上がった分だけ全高が高くなりましたが、室内寸法は変わりません。ホイールベースは2670㎜で同じです。ボディパネルを変えるとコストがかかりますから、これが精一杯というところだと思いますが、少々芸がなさすぎです。
自動車業界の事情通(以下=通) レイバックは「レイド・バック」が語源らしいが、オレの世代でレイド・バックと言ったら、麻薬中毒から復活した1975年ごろのエリック・クラプトンだ。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) アルバム『461オーシャンブルーバード』だね。スバルはレイド・バックを「くつろぐ」「リラックスできる」だと言っているが、スラングもあるんだよね(笑)。西海岸ではそのまま「レイバック」って発音する。それをそのまま車名にしていいのかよ、とオレは思う。

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