担当編集について悩んでいる方へ

お疲れ様です、担当の高長です。
今回も「質問箱」にいただいた相談について
お答えしたいと思います。

実はこうした「担当編集についての相談」が一番多いですね…
その中でも「担当編集から返事が来ない」「(ネーム途中で)相談していいのかわからない」というのが圧倒的に多い。
本来、担当が付くことは喜ばしいことのはずなのに、かえって悩みを増やしてしまうケースもあるみたいです。

お答えとしては2つあります。
1.担当の良し悪しとは
ヒット作を連発するとか、新人をたくさんデビューさせるとか、優秀な編集も中にはいます。そして重要なのは編集者の能力よりも相性でしょうか。自分の良さを知ってくれているかどうか、期待してくれているかどうか。編集者の能力と相性、それを同時に見抜く方法が「レスの早さ」だと思います。
たしかに忙しい編集はいますし、タイミングによって連絡のとれない時間はあります。ただしどんなに忙しい編集でも、一週間もネーム読めない、打ち合わせの時間が作れないなんて人はいません。
ネームの返事がない理由は、はっきり言えば「やる気の無さ」にあると思います。仮にその担当さんがすごくいい人、優秀な人だったとしても、ネームの返事をくれない=やる気がない人と一緒にやるなんて時間の無駄です。別の雑誌、別の編集者を模索した方がいいかと思います。

2.作品づくりを委ねない
担当がつくとネームをあれこれ直すよう言われるのが普通になってきます。実際、編集は作品をより面白く、より広くわかりやすい方向へ導く役目があります。ただ作品は常に作者のものだということを忘れないでほしいです。編集者の修正指示は「こう直せ」の命令ではなく「こういう直しはどうでしょうか?」という提案なのです。肝心なのは、その提案を採用するかどうかは作家さん自身の判断だということです。
つまり質問の方のケースだと、僕は担当を変えること、解消することを強く勧める前提ですが、手ごたえのあるネームが描けたのなら別に編集の確認や返事など待たずに原稿を描いてもいいんです。究極、編集者には採用するかしないかの判断しかないんです。不採用でも作品に自信とこだわりがあるなら別の編集者や編集部に持っていけばいいと思います。

話は変わりますが、同じように多くある相談に「編集さんは忙しいのにネームの途中や細かいアイデアを相談していいのかわからない」というのがあります。人柄としてはすごく好感の持てる話なのですが、作家としては損してるのでは?と感じてしまいます。だったら担当してもらってる意味ないやん!と。新人だろうと何だろうと、作家さんには担当への気遣いより作品のことを第一に考えましょう。
確かに今の編集者は仕事に終わりがなく、絶えず“やること”を抱えています。SNSなどでスカウトや宣伝なども入れると24時間働けちゃう現状です。だからこそ、どんどん打ち合わせの時間を作るよう積極的に働きかけたほうがいいと思います。忙しくて悪いかな?と思っていても無駄に時間が過ぎていくだけです。逆に考えれば、編集者は忙しい日々の中でも「この人と一緒に仕事がしたい」「将来すごいものを描いてくれるかも」と期待して担当希望しているのです。細かい相談や途中のネームでも、頼られたら嬉しいものですよ。
もし万が一迷惑そうにされたら、そんな担当と面白い作品を作るのは難しい…というか一人で作っているのと変わらないと思います。合わないことがわかっただけ収穫、と思って別の編集を探していいと思います。

長々と話してしまいましたが結論はシンプルです。作品のためになるか、漫画家人生のプラスになるかどうかで全て判断すればいいと思います。編集はそんな悪い人ばかりではないです(自分への戒めも込めて…)。頑張ってください!

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