特別天然記念物

わざと笑わせようとして、とか、
おもしろいと思って言う、とか、
それなりに理由みたいなものがあって
発言したりアクションして
その場の雰囲気を明るくしたり
笑わせてくれる人は
それまた才能というか
誰もができるものでないものを
持っているなあと思う。

一方で、
わざとそうしているつもりはなくて、
むしろ至極当然のように、
なにも計算されていない発言や
その場の行動が、
とんでもなくおもしろい人がいる。

こちらの予想を大きく上回って
思わぬ爆笑をくらう。
本人が自覚してないから、
こちらは天性のものだまちがいなく。

それは誰か。
わたしの母だ。

冗談抜きで、
毎日、何かしらある。
毎日、おもしろすぎてたいへん。

「なんで毎日そんなにおもしろいの?」

って今まで数え切れないくらい聞いた。

なにがそんなにおもしろいのかと
聞かれても、もう、書けない。
なんとも例えようのない人です。
当てはまる形容詞が見つからない。
そして起こる出来事も多すぎて。

いるだけで笑っちゃう。
↑失礼すぎるけどほんとにそう!

おもしろくて
めちゃくちゃ笑って笑って
いろいろツッコんでくと、
「あんまりいじめないであげて!」
と父から愛の注意が飛んでくる。

この母と何十年も父は
一緒にいるのか…すごいな…
と思って笑けてくる。
「あなたの妻です」って
わざとわたしは父に言ったりする。

母が先に亡くなったら
父生きていけなそう。
とか思ったりする。
それは兄も姉も思ってると思う。
母は幸せのかたまりです。

とにかくわたしの母は
こんな人他にいるか????
って思うくらいの、すごい人。

ひとつだけ詳しく書くとしたら、
字幕版しかない映画をテレビで
一緒に見たときに、
最後の方のいいとこらへんで
居眠りしてる母をチラ見した。
そっとしとこ…ってそのままにした。
エンドロールのときに、
母をチラ見すると、目が開いてる。
「いいとこで寝てたね」と言ったら、

母「目つむって聞こうと思ったのに…」。
(意:聞こうと思ったのに寝ちゃったよ…)

「ェエ…!」と父と顔を見合わせた。
「じ、字幕版だよ…!」
「英語だよ…!」

爆笑。

母、英語ペラペラでも得意でもありません。

とまあこんなエピソードは
銀河の一部にすぎません。

そうやって
「抜けてる」というか
いや抜けてはないのかな…
なんというかよくわからない
すごく稀有な母は、
もともと理系脳な人であって
「粒子」という単語を
普通に会話に挟んできたりします。
わたしはそのとき「出たぞ」と喜びます。

そんな母を、
この間うしろから
ギュッ!!とハグしたら
前よりひと回り小さくなった気が。
「痩せたって言って〜」と母。
「わたしが大きくなったのかな!」と私。
親も私も歳取っていきます。
大病もせず元気でいてほしいね。

それにしても
母の天性のそれらには
「すんごいな」しか
言葉が出てきません。

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