True Love Waits - Radiohead


I'll drown my beliefs
信念は水に沈めて
To have your babies
きみとの子供を授かる
I'll dress like your niece
姪っ子みたいに着飾って
And wash your swollen feet
きみの腫れ上がった足を清める

Just
いいから、
Don't leave
いかないでよ
Don't leave
いなくならないでよ

I'm not living
ぼくには人生なんてない
I'm just killing time
ただの暇つぶしでしかない
Your tiny hands
きみのその小さな手と
your crazy-kitten smile
そのいかれた子猫の笑顔

Just
いいから、
Don't leave
いかないでよ
Don't leave
いなくならないでよ

And true love waits
そして真実の愛は佇む
In haunted attics
取り憑かれた屋根裏に
And true love lives
そして真実の愛は息づく
On lollipops and crisps
ロリポップとクリスプで

Just
いいから、
Don't leave
いかないでよ
Don't leave
いなくならないでよ

Just
いいから、
Don't leave
いかないでよ
Don't leave
いなくならないでよ

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 上に貼ったのはファンが本人らの音源などを引っ張ってきつつ参照しつつ、「90年代後半の彼ら風」を再現した非公式アレンジ。エモすぎる。こんなん作ってリリースしてたら、"Creep"以上のベッタリ貼り付くイメージとレッテルがレディオヘッドを犯していただろう。だろうし、「シンプルでエモい」曲を、そのままレコーディング用に色々付け足して「メランコリーでエモい」曲として録りたくなかったがために、つまりまさにこのファンメイドバージョンのようにしたくがなかったために、アルバム収録曲として納得いくとこまで持ってくのに20年以上かかったのだろうとも思う。2016年にようやく収録されたバージョンは歌もアレンジもかなり抑制されており、エモには寄りかからない楽曲単品で美しい仕上がりになっていた。

 録って出すからには録って出すだけのものに昇華されてなくちゃならんのだという意志を感じるし、エモさ全開の上のバージョンを聞いた後だと、この曲をよくもこういうバランスに仕上げられたもんだなぁと改めて感心する。夢の跡、って感じで、最後のピアノの一音の余韻が消えていくとき、夢がぷつりと途切れて目が覚め現実にじわーっと戻ってく感覚に陥る。綺麗だ。

 「訳はよく分かんないけど、あとがき、解説は面白いから毎回書いて」と言われたので、ここまで何か書こうともがいてきたが、この曲はあんま色々書いて付け足そうという気が起こらない。信念を捨ててでも子供を持ちたいとかマグダラのマリアとキリストを思わせるようなこととか、ひとりでの人生の意味のなさとか、惹かれるところとか、あと屋根裏で飴とポテチを食べて生き延びた男の子の実話からインスピレーションを得た話とか、「きみ」とのこと、「きみ」へのことについて色んなことを色んな言い方で語ることは出来る。出来るが「いかないでよ、いなくならないでよ」ということにしか辿りつかないしこれ以上に本音の言葉はないのだ。だから曲の内容についてあんまアレコレ書きたいことが思いつかない。元のライブレコーディングのやつと、このファンメイドバージョンは聞いてるとそのうち泣いてしまう。そういう風に今の僕は出来ていて、何か分かんないけどとにかく泣いちゃうってこと以上に書くことがそんなにない。

 9割9分は悩まずさらっと10分ぐらいで訳した。その後「てにをは」をいじったり足したり引いたりやっぱ元に戻したりで数時間かかってる。こういう微調整は延々やり続けられるので無限に時間を食う。
 中でもアレなのはJustである。かなり悩んで、ただ、とか、とにかく、とかにもしてみたけど、「いいから、」に落ち着いた。訳としてはぶっ飛んでるし、前との繋がりも変なんだけどでも「いいから、」になっちゃう。変なのは分かってるよ!でもこうなっちゃうんだよ!何で?どゆことなんだよ?自分で自分が分からないことが多い。

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