前島賢の本棚晒し【復刻版】08:砂義出雲『天網炎上カグツチ』

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本記事は、電子書籍ストアeBookJapanに、連載「前島賢の本棚晒し」第3回として2014年10月24日に掲載されたものを、加筆修正の上再公開したものです。

記述は基本的に連載当時のもので、現在とは異なる場合がありますが、ご了承ください。

連載時に大変お世話になりました、そして、再公開を快諾頂きました株式会社イーブックイニシアティブジャパンの皆様に厚く御礼申し上げます。


 寄生虫がヒロイン……美少女化もここまで来たか……。
 と、砂義出雲のデビュー作『寄生彼女サナ』に出会った時の「世も末」感は今でも憶えている。いざ読んでみると、寄生虫美少女を通じ、異なる人格が共に生きるとはどういうことか、という普遍的なテーマを描いていて、さらに驚いたことも。

『天網炎上カグツチ』はそんな著者の新たなシリーズだ。

https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/255851/A000297900/

 コンセプトは「ネット炎上で強くなるヒーロー」。
 どんなツイートをしても即座に炎上する、天性の「炎上体質」を持った高校生・匂坂焔は、その才能を見込まれ、八雲重工が開発したパワードアーマー・カグツチの搭乗者に抜擢される。
 その動力源は、ネットに渦巻く人間の感情。匂坂焔は、おのれが能力でもってツイッター(に似た架空サイト)を炎上させ、みずからに浴びせられる悪意を力に変え、インターネット撲滅を企む悪の組織WWR(ワールドワイド・レイクエム)を戦っていくのである。
 ……とまあ、前作以上に「出オチ」感溢れる作品なのだが、実はこの設定、ヒーローもののツボを的確に押さえている。

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