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登場人物の性格描写が生々しい。抒情的に音楽が描く鮮烈な愛の悲劇の物語。

Médée (Opéra En 5 Actes)

by Charpentier;

by Jill Feldman; Jacques Bona; Sophie Boulin; Philippe Cantor; Agnès Mellon; Gilles Ragon; Les Arts Florissants; William Christie

Harmonia Mundi (HMC 2901139.41 / HMC 2901139--HMC 2901141)

2024年6月29日と30日に、1999年にCD3枚組で発売された全曲盤を鑑賞。
シャルパンティエ(1643-1704):『メデ』(全曲)
(プロローグと5幕から成る音楽悲劇/台本:トマ・コルネイユ)
1984年4月ヴェルサイユ宮劇場録音。
メデ:ジル・フェルドマン(ソプラノ)
ジャゾン:ジル・ラゴン(テノール)
クレオン:ジャック・ボナ(バス)
クレウス:アニェス・メロン(ソプラノ)
オロンテ:フィリップ・カントル(バリトン)

表紙は一生心に焼き付いて離れない。胸をはだけ、裸の二人の子供をかかえて短剣を持っている復讐に燃えた母親の姿。ルーブル美術館で観ることができるドラクロアの名画だ。

「メデ」はシャルパンティエによる唯一の抒情悲劇。1984年にクリスティとレザール・フロリサンによって行われた復活蘇演により、この「メデ」は今日でも演奏されるようになったといえるでしょう。レザール・フロリサンが発足して間もないころの録音ですが、当初から最高のレヴェルでの演奏を展開していたことにあらためて驚かされる内容です。
メデ(メディア)が自分を捨てた男への復讐から自分の息子までをも殺害する物語にシャルパンティエがつけた音楽は、半音階や転調が効果的かつ劇的に用いられたもの。
クリスティとレザール・フロリサン、そして名歌手たちの緊張感みなぎる演奏は今なお色あせることがありません。

よく出来た台本で、音楽は美しい。けれども、ダイナミックな面はない。音楽的仕掛けでの演出はないが、背筋が冷たくなるような緊迫感を最後に突きつける。終幕後半は合唱と舞曲のやり取りが交互に続き、一通り終わったのかと感じさせたところでの出来事なので、印象に残る。苦悶するソプラノの最後の歌唱でさえも、100年後のオペラでのソプラノの劇的絶唱とは対象敵ながら、切羽詰まった短い幕切れの音楽はプッチーニの名作「トスカ」の幕切れのようだ。

Tracklist:

Disc 1:

  1. Ouverture

  2. Louis Est Triomphant

  3. Paroissez, Charmante Victoire

  4. Le Ciel Dans Nos Voeux S'intéresse

  5. Loure - Canaries - Suite Des Canaries

  6. Dans Le Bel Âge, Si L'on N'est Volage

  7. Ouverture (Reprise)

  8. Scène 1

  9. Scène 2

  10. Scène 3

  11. Scène 4

  12. Scène 5

  13. Scène 6

  14. Scène 1

Disc 2:

  1. Scène 2

  2. Scène 3

  3. Scène 4

  4. Scène 5

  5. Scène

  6. Scène 7

  7. Scène 1

  8. Scène 2

  9. Scène 3

  10. Scène 4

  11. Scène 5

  12. Scène 6

  13. Scène 7 (Début)

Disc 3:

  1. Scène 7 (Fin)

  2. Scène 1

  3. Scène

  4. Scène 3

  5. Scène 4

  6. Scène 5

  7. Scène 6

  8. Scène 7

  9. Scène 8

  10. Scène 9

  11. Scène 1

  12. Scène 2

  13. Scène 3

  14. Scène 4

  15. Scène 5

  16. Scène 6

  17. Scène 7

  18. Scène 8

「そんなアスリートおへそで…放っておきませんよ、誰もが。」 と、言われ、、、求める男たちに、おへそを売りました。