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インタビューや座談会における「(笑)」の用法について

ツイッターで書けるくらい短い内容だけど、こういうのはのちのち参照するためにブログで書いておいたほうがいいと思い、こっちで書きます。

インタビューや座談会のテキストを構成するときに、笑いが起こる場面を「(笑)」で書くことは普通にありますよね。

山田 そんなバカな(笑)。

みたいなやつ。マルの前に「(笑)」を置くという用法が、現在は一般的になっていると思います。

基本的にはこれでいいと思うのですが、ちょっと気になるケースはあって、たとえば

山田 そんなことある(笑)!?

のように「(笑)」の後にも感情を表す記号が入っているときは、本文と「!?」の距離が離れている、つまり本文と「!?」に感情のタイムラグを感じてしまうので、カッコを半角にして距離を縮めて

山田 そんなことある(笑)!?

としたほうがいいような気もする。こういうの、活字だとデザイナーがうまいこと調整してくれるけど、ウェブでこれをやると「ザ・半角」みたいになってしまうので、これもこれで見た目がいいというわけではない。なので、このへんは判断が分かれるところというか、媒体によるルールもあるだろうし、別に全角カッコのままでもおかしいというほどではない。

で、ここからが本題なのですが、問題は次のようなケース。

山田 (笑)

言葉がなく、ただ「笑っている状態」を表現するためだけに「(笑)」がある状態。これをよく修正されることがあるのです。こんなふうに。

山田 (笑)。

これ、生理的に気持ち悪いんだけど、「生理的に気持ち悪い」で終わらせるわけにもいかないので、どこがおかしいかを説明していきます。

おそらく上記の文例における理屈は、

本文ありのときに「そんなバカな(笑)。」となっているから、本文の「そんなバカな」がない場合は、そのまま「(笑)。」が残るべきである。

というものだと思われます。しかしこれ、「(笑)」にマルがついてるわけではないですよね。まず最初に、

山田 そんなバカな。

という文があって、そこに山田の状態を表すト書きとして「(笑)」が入っている。何度も言うけど、「そんなバカな」にマルがついているのであって、「(笑)」にマルがついているわけではない。

だから、本文のない「(笑)」は、

山田 (笑)

で表記されるべきだと考えます。ここは価値観の違いではなく、かなり明確にそうだと言える。「ト書きにマルをつけるのか?」ということなので。

以上です。




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