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デザイナーの読書メモ

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自分が読んだ本を忘れぬように文章にまとめています。ノンジャンルに色々読もうと思いますが、デザインやブランディング、経営などの本が多いかも知れません。
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2020年7月の記事一覧

"優れた戦略には非合理な要素が潜んでいる" 楠木健「ストーリーとしての競争戦略」

読書メモ#8です。 500ページというボリュームと「経営戦略」というゴリゴリに固いジャンルを扱っているにも関わらず、異例のベストセラーとなった本書。イカツイ出で立ちとは裏腹に非常に軽い読み口で、かつとても奥深い内容の本になっています。 自分はこの本を初めて読んだのが4年前だったのですが、それ以降(自分が経営に携わるような職種でないにも関わらず)いろんなところでこの本や著者についての言及を見かけることがあったので、もはや言わずと知れた、というか現代の経営者の間ではひとつの一

"すべてのビジネスマン必読の日本型CIの父" 中西元男「コーポレート・アイデンティティ戦略」

読書メモ#6です。 自ら「デザインを切り札とする経営コンサルタント」を標榜し、NTTやマツダ、キリン、ベネッセなど錚々たる日本の大企業のCIを手掛け、企業の社会的意義を美的観点から再定義してきた日本のCIの父、PAOSグループ代表中西元男さんの著書です。あまり本を読み直さない自分が何度も読み直しているバイブル的な本で、もしお金があれば自分の会社に配って回りたいほど膨大な熱量と感動を内包している本でした。 なお、この本はエイトブランディングデザインの西澤明洋さんのセミナーで

"論理で導かれた「正解」に価値はない" 山口周「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」

読書メモ#7です。 2017年に出版され話題となった山口周さんの著作です。 世界のグローバル企業の社長や幹部がこぞってアート系大学院の最高峰であるロイヤル・カレッジ・オブ・アートにてトレーニングを受けているという現状を踏まえ、タイトルの通りそこで「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか」という問いに答えている内容です。名前はちょっとイカツイですが、山口さんの書きっぷりが柔らかく非常に読みやすい本でした。 「分析・論理・理性」に軸足を置いたビジネスの限界今、世界で最も難度