見出し画像

模写はもう卒業していいよ、画力アップのためにはオリジナルを描こう!今アナタが描ける最高の作品を!

画像1


↑読者Sさんのオリジナル作品

こんにちわ、マエコです、

今日は読者の方(Sさん)からのお悩みメッセージにお答えします。

ここ最近、幾つかの質問やお悩みを聞いていて共通して感じたことがありました。

それは

「十分上手に描けているのだから、そんなに悩まなくていいのに....」

ということ…

今までお悩みメッセージをくれた方はそのほとんどが普通に絵が上手なんですよね、

模写も出来てる、
オリジナルだってそれなりに描けてる、
その調子で練習すれば頑張った分だけちゃんと上達できる!
そう思える絵を描いているのに、本人は

・上手く描けない...、
・何をどう練習したらいいか分からない…、
・モチベーションが下がってきて描くのが嫌になってきた...

と悩んでしまって練習に身が入らない様子……

う〜ん…もったいない、
悩まず練習に集中することさえ出来れば、もっともっと上手くなれるのに!

という訳で今日は、そんな悩める人が「自分の絵のレベルを知り、そして今後はどんな練習をしていけばいいか?」が分かる内容になったらいいな、と思います。

自分の絵に自信を持てたらいいですね^_^

ではでは、


この記事を書くきっかけになったのは読者のSさんからのコメントでした。

質問コメントの内容は?

コメントの内容は以下の通りです、

画像16

………??

読む限りいまいちSさんのお悩みや陥っている状況がよく分かりません…

模写が出来ないのか?
頭にイメージを作ることが上手く出来ないのか?
文字でやりとりしていても埒が明かないので、Sさんが普段描いている絵を見せてもらうことにしました。


実際のところ、その人の絵を見てみないことにはまともなアドバイスなんてできないですからね


同時に僕からの質問にも幾つか答えてもらいました、

・好きなイラストレーター、漫画家はだれか?
・現在の年齢と絵を始めてどれくらいか?
・1日の平均練習時間は?
・今後どんな絵が描けるようになりたいか(萌え絵orリアル絵?)


それに対するSさんからの返信内容を要約すると、

Sさんは

・現在19歳で絵を描きはじめてまだ3年、
・1日あたりの練習時間は1〜2時間、内容は模写1〜2枚
・なんだかんだでとにかく練習に集中できない様子…
・好きな絵師は、濱田浩輔さんと有坂あこさんで、描きたい絵は萌え系、
・あとは僕の普段の練習方法や練習時間を教えて欲しいとのこと

Sさんのイラストは?!

そして肝心のSさんのイラストはこんな感じ↓

画像2

はじめSさんのコメントを読んだ時、もっと初歩の段階でつまづいているのかと心配していたのですが、(模写ができないとか)
全然そんなことはありませんでした、

ちゃんと描けてるじゃないですか!

まずは模写↓ 

画像3

もう一枚、

画像4

それ程大きな問題はありません。

模写出来ていますよ、これくらい描けているなら観る力(観察眼)はちゃんとあるのでこれ以上「そっくりに描き写す練習」はしなくていいと思います、

確かに元絵と見比べたら違う点がチラホラありますが、このくらい別にいいんです、

なぜならこの絵を単体で見た時、なんか不自然なとこありますか?↓

画像5

それほど大きな問題はありません

画像6
画像が薄くてすみません、


(どちらも未完ではありますがそれは時間の問題なので除外します)
立体感、遠近感、モチーフの形(2人の女性の姿勢や体の形)、
どの観点からもそれほど不自然な点はありません、

8割そっくりに写せたらOK!

ならオッケーなんです。
模写ってそんなもんでいいんですよ、
100%完璧に写す必要はないです、8割でOK。

*強いて言うなら女性の後ろ姿の膝裏が少し変です。原因は人体構造がまだしっかり頭に入っていないために間違いに気づかなかったのでしょう

模写をやる意味は主に3つ

模写をやる意味は主に3つありますが、
その1つが観る力(観察眼)を鍛えることです。
そしてその観る力を鍛える方法が「そっくりに描き写す」ことです。

Sさんぐらい描けるなら観る力は十分あります、

なので写す練習はもうしなくていいです
(実際僕もそっくりに描き写す練習はほどほどにしかやったことがありません…)

今後は、元絵を見なくても想像で描ける様になることを目標にしていきましょう、

やるべきは覚え模写盗む模写ですね。 

覚え(暗記)模写とは

モチーフの形を覚えて描き方も覚えるのが目的(頭の中にモチーフの形を思い描けるようにする)

盗む(パクリ)模写とは

上手い人の描き方を自分の絵に取り込んでいくのが目的、(描き方のポイントやモチーフの特徴が掴めればそれでOK、細かい描き込みは省略してもいい)


いずれも、そっくりに描き写さなくても軽くスケッチする様な描き方でいいと思います。

(3種類の模写について詳しくはこちら→準備中)

頭の中にイメージすることに意識を切り替える

本気を出せばちゃんと描き写せるのなら、これからはモチーフの形や特徴を「知る・覚える」ことに意識を向けていきましょう。

そっくりに描き写すことに意識を奪われていてはこれが出来なくなってしまうんです。

ちなみに僕はこの「ただ単に描き写す模写」を無思考模写とよんでいます、
この模写に必要なのはモチーフをただただよく観ることであって思考力や想像力は全くと言っていいほど必要ないからです。
もちろん観察眼は絵の上達に必須なものですが、それだけ身につけてもオリジナルの絵を描ける様にはならないんですね、

オリジナルの絵を描くためにはモチーフの形、特徴をよく知り、「描きたいものを頭の中にイメージする力」が必要です。


絵が上手くならないと悩む人は模写ばかりやっている?!!

これも幾つかのお悩みを聞く中で共通して感じたことなんですが、「最近上達しない、何を練習したらいいか分からない、」と悩む人の多くは「模写ばかりやっている」ということ。

もう十分な観察眼があるのに、「ただ写すこと」に多くの時間を割いています

その段階はもうとっくに卒業しても大丈夫なのに……

次のステップへ進んでもいいのに…、

オリジナル作品を描こう!

人の絵や写真をそっくりに描き写すことに多大な時間を割くくらいならオリジナル作品を描くことに情熱を注いてあげてください、

なぜなら

オリジナルの絵を描く時にも、もれなく模写をやっているからです


……


意外と気付いてない人が多いかも知れないですが、オリジナル作品を描いてる最中に模写って何十回もやっているんですよ?

気付いているでしょうか?

オリジナルの絵を描く時、上手く描けなかったり、どんな形か分からない時は資料を参考に描きますよね?

この時「ああでもない、こうでもない、何かが違う」と上手く描けるまで何回も描き直しますよね、

………………

そうです、
これ紛れもなく模写をやってます、
デッサンだってやってます、
しかも何回も、
そして本気で、

オリジナル作品を描く時は本気になれる

作品創りをしている時は、練習の時とは違って「どうせこれは練習だから」という甘えは生まれません、「上手く描こう!」という本気度が全然違います。

だから模写をやるなら、もうオリジナル作品を描く中でやったらいいのです。その方が練習の効果も高いです。

今後は「オリジナル作品ありき」で考え、オリジナル作品を創ることに全力を注いで行きましょう。

模写をやるのはあくまで自分のオリジナル作品をより良くするためです。模写自体が目的になってはいけません。

自分の感性にピンとくるものをサクッとスケッチしてその描き方、デザインの特徴を盗んでいきましょう。(=盗む模写)
完ぺきに描き写すことに時間をかける必要はもうないのです。

*注意事項!

勘違いしてはいけないのは、これはSさんくらいの十分な観察眼があればの話です。 本気を出してもそっくりに描き写せない場合は、まだ観る力が足りないのでもうちょっと「写す練習(無思考模写)」をして観察眼を鍛えましょう。 観察眼がないのにオリジナルの絵を描こうとしても、ことごとくデッサンの狂った絵になってしまいますので、余計に描くのが嫌になってしまいます


長くなりましたが模写については以上です。
続いてSさんのオリジナル作品のご紹介です、

Sさんのオリジナル作品

画像7


オリジナルも可愛らしく描けているじゃないですか、
色も鮮やかで綺麗だし、

これを想像で(資料も参考にしつつ)描いたのなら、イメージする力もちゃんとありますよ。

体のラインもなかなか上手

画像8

そして何より足のラインが良く描けてます。
手前の足が上手です。奥の足は…………
後でお話ししましょう^_^

胸の膨らみも結構難しいポイントなんですが、よく描けてます。


おそらく悩みながらも自分なりに人体構造を勉強されたんだと思います、そうでなくてはこの足のラインは描けません、
悩んでいる割にはちゃんとやることやってますよね、Sさん、^_^

頑張っているからこそ悩んでしまうのかもしれませんね、

靴はかなりのデッサン力を必要とする

画像9

そして靴(ブーツ)、
靴ってめちゃくちゃ難しいですよね、描いたことある人なら分かると思います
しかも靴底が見えるこの「斜めアングル」はかなり難しい部類に入ります、デッサン力がシビアに求められる部分です、

でもその割にはこれも良く描けています、
観察眼に加えてモノを立体的に把握する力もあると言っていいでしょう。

改善点はないの?

もちろん、デッサン力がまだまだ足りないのは否めないですよ。改善点はいっぱいあります。

例えば、手前の足のラインは上手く描けていますが、視点を引いて全体を見渡した時、奥の足の大きさや長さの比率がおかしいことに気付くかと思います、

画像10

ちょっと小さいですよね^_^

せっかく手前の足が綺麗に描けているのにもったいないです。

後でSさんに確認したら、本人曰く「遠近感を出すために奥の足を意図的に小さく描いた」とのこと。

なるほど!

ですが、それならばせめて奥の足は足の裏が見えないアングルで描かなければなりませんでした。そうしないと遠近感が出るほど遠くにあることにならないですからね、

その他の改善点

その他の改善点と修正方法については、今度別記事で書こうと思います、
今回、Sさんの絵に赤入れさせて頂きました、その様子を見てもらいながら修正のポイントやコツなどお話しできたら、と思います。

Sさんのイラスト修正前↓

画像13

赤入れ後(修正後)↓

画像11

赤入れのポイント3点↓

画像12

という訳で細かな改善点はあるものの、Sさんのオリジナルイラスト総じて「上手」と言っていいです、

Sさんは絵を始めてまだたったの3年です、
僕が同じ時期に描いてた絵はこんなんでしたよ↓

画像15

………


今まだ19歳ということですし、今後もこの調子で継続することさえ出来ればイラストレーターになるという夢は必ず叶います。

大事なことなのでもう一度、

継続することが大切です!

頑張っていきましょう!

今後の課題は??

画像14

今後の具体的な課題としては、次の4点

1.人体構造をしっかり勉強すること、
2.更にシビアなデッサン力をつけること、
3.妥協せずにクオリティにとことん拘ること、
4.何度でも描き直す辛さに慣れること、

かな、と思います。

人体構造を理解し覚えるためには?

キャラクターを描くなら人体の構造を知ることは必須です。

勉強方法は、こちらの記事を参考にしてください。

オススメの教本は「やさしい人物画」です。


デッサン力を向上させるには?

細かな部分への気配りを怠らず、不自然な所がないか入念にチェックしてデッサンの狂いを見つけ出して下さい、

やるべきことは具体的には、次の2点

1.モノを立体的に捉える力を鍛える(空間把握、遠近法などについても学びましょう)

参考記事↓


2.陰影の出来方についての知識をつける(物体を面で捉えられるようにする)
参考記事↓

これでデッサンの狂いを素早く見抜けるようになるでしょう。


クオリティにとことん拘って何度でも描き直そう!

そして練習の辛さ・精神的な辛さにも慣れていきましょう

更なる画力アップのためには妥協することなく自分が「上手く描けた!」と満足できるまで何度でも描き直す必要があります。
これはなかなかしんどいし、何回描き直しても上手くいかないことも多々あります。


なので辛くて描くのが嫌になることは避けられません。


でも諦めず継続していれば段々と慣れてきます。

人間は順応する(慣れる)生き物です、
今100%の力を振り絞ることが出来れば、次は102%の力が出せる、
誰もがそうゆう風にできていると思います。

だから妥協しちゃダメです、
今よりもっと上手くなりたいなら、辛くても出来る限り一つ一つの作品に100%の力を振り絞って下さい、

(もちろんどうしても出来ない時もあります、その時は仕方ありません、一旦気持ちをリセットして次に挑みましょう)

そうしていればメキメキッ、メキメキッと描くたびに画力は音を立てて向上していきます、

一度でもそれを実感できたなら、
上達することの喜びを知ったなら、
もう大丈夫です、

アナタは誰に頼ることもなく独りででも上達していけます、

なので今あなたが描ける最高の絵を描きあげてください。


…と言うわけで今日は以上です。

Sさんと同じ悩みを持つ人が、モチベーションを取り戻し練習に集中できるようになってくれることを願います、

私素質あるんだ!自信持っていいんだ、
これからは模写は卒業してオリジナルの絵を描いていけばいいんだ!
今まで途中で投げ出していたけど最後まで頑張って描いてみようかな!
そんな気持ちになれますように^_^

それではまた

いいなと思ったら応援しよう!

マエコ
サポート頂けますと本当に励みになります!頂いたサポートは全て画力の向上に充てさせて頂きます。そしてその方法を記事にまとめて皆様にお返し出来るよう頑張ります。