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『Hostel Knot 山本 涼平さん』修善寺から伊豆の良さを発信!

修善寺で起業した方々の起業ストーリーをご紹介します。今回は、静岡県伊豆市でゲストハウスを運営している山本涼平さん。ゲストハウスならではのオープンな空間でお話を伺い、リアルなお話を伺うことができました。

プロフィール
山本 涼平(やまもと りょうへい)
三島市出身。ゲストハウス「Hostel knot(ホステル・ノット)」の代表。
修善寺温泉街の活性化に取り組むコトコト企画室の副代表理事。
これまで修善寺に無かったゲストハウスを立ち上げ、修善寺から伊豆半島の魅力を発信することに邁進しています。

Hostel knot(ホステル・ノット)
静岡県伊豆市修善寺985-1
平成30年6月創業
宿泊スペース:男女混合ドミトリー(8名)、女性専用ドミトリー(6名)、和風ツインルーム(3名)
共有スペース:シェアキッチン、洗面台、シャワールーム、ランドリー、 トイレ

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● なぜ修善寺で創業されたのですか?
山本 修善寺という地域における観光のポテンシャルに魅力を感じたからです。 私自身は三島市の出身ですが、幼少期から家族で伊豆半島でアウトドアを行うなど、伊豆とは馴染みが深く、伊豆半島なら何でも揃うと思いました。伊豆半島の中でも、修善寺は伊豆半島における交通の拠点・中心地であり、伊豆半島の他の地域を紹介・発信することができます。また温泉地であるため、人がそれだけたくさん集まります。修善寺は見たい部分だけ見ることができるコンパクトな街であり、観光客にとって落ち着ける場所です。

● なぜゲストハウスをやろうと思ったのですか?
山本 学生時代、イギリスに留学に行き最後の2週間南海岸を歩いてました。その時、初めてゲストハウスに泊まり衝撃を覚えました。ゲストハウスは地域の観光案内所としての役割があり、また働く場所を紹介してくれる役割もあると知り、街づくりに関われるゲストハウスの可能性を大いに感じました。

● 経営する上でこだわっている点は何ですか?
山本 「協調性」に強くこだわっております。修善寺は既に温泉地として環境が整備されており、この土地を貸して貰っている感覚を持っております。なので、何か新しいアクションを起こす際には事前に相談を行い、協調性を意識しております。ゲストハウスという事業をする上でも、この事業自体が街おこしという役割を担っております。また「泊食分離」という考えのもと、ゲストハウスとしてできることに集中し、食の部分は地元のプロの飲食店を紹介し任せています。こうして地元の飲食店などを紹介することでお互いに信頼関係を構築でき、今度は向こうから紹介して貰えることにも繋がります。

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● 創業時の苦労・難しかった点はありましたか?
山本 資金調達で苦労しました。当初は自身の収入を考慮していなかったため、生活を切り詰めて夜間にはアルバイトをしていた経験もありました。 自分の生活も考慮した計画作りをしていればと感じました。
創業当初、私自身が伊豆の出身者でないため、どう思われているのか心配に感じ地元の方々との交流を避けることもありました。しかし、地元の方と交流し関係を構築できれば、そこから紹介して貰える、1人で飛び込むよりも関係を築いた人がいることでまた新たな関係を築くことにも繋げることができました。

● 創業時にクラウドファンディングにて資金調達をしておりますが、どう取り組みましたか。
山本 銀行からの借入とクラウドファンディングを組み合わせて資金調達を行いました。クラウドファンディングだけに頼っては他人任せになってしまうため、銀行からの借入と合わせて活用できて良かったと思います。事業計画や事業者の想いも大事ですが、最終的には資金面での自分の努力が、クラウドファンディングで資金調達をする上でも重要です。

● クラウドファンディングを活用したメリットはありましたか。
山本 集客・人脈を広げる宣伝広告ができました。また事業を進める上で、支援して頂いた分をどう結果を返していくのかを考えるようになりました。支援して頂いたというプレッシャーよりも感謝の気持ちが強くあります。この感謝の気持ちを結果として還元できるようにと考えることができております。

● 今後の事業展開はどう考えていらっしゃいますか?
山本 今後も伊豆半島における拠点として修善寺から他の地域の発進を行いつつ、他の地域からこの修善寺や他の伊豆半島の地域の紹介・発信を行っていきたいです。その1つとして、箱根に来年の1月(※1)からホテルを始める予定であり、修善寺同様、箱根を1つの拠点として修善寺や他の地域の紹介を行っていきたいです。伊豆半島の各地域が自分の土地に固執するのではなく、お互いがお互いの街を知り、お互いに情報発信することで輪を広げていきたいです。(※1:取材日である令和1年12月15日現在の予定)

取材記事活用図形

● 修善寺の良さは何ですか?
山本 目に見える観光地(竹林、修禅寺等)の魅力に加えて、目に見えない人の魅力がある街です。「厚かましくない近さ」を感じることができる点は自信を持って言えます。例えば、飲食店でお店の方だけでなく、そのお店の常連さんとも親しくなれる良さがあります。その常連さんと話せたことを他の地元の方々とまた共有できます。この修善寺という街を歩くことで単なる宿泊ではなく、移住感覚を味わうことができる、都会では味わうことができない点が強みです。

● この場所をどうやって見つけましたか?
山本 まず商工会に行き、そこから人伝で物件情報を得ました。しかし、そこに行き着くのに苦労しました。事業計画書を20枚程作り、地元の方々に事業の内容を説明することで、物件情報を教えて貰いました。また修善寺を何十周と歩き回り、自ら物件情報の獲得に向けて動きました。

修善寺で起業家を目指す方へのアドバイスはありますか?
山本とにかく街を歩いて、地元の方々と接して欲しいです。交流することで、自分の事業内容を伝え、地元の方々と共有でき、信頼関係を構築することができます。

インタビューを終えて
ゲストハウスとして「街おこし」という役割を担い、この修善寺という地域を盛り上げていきたい、そして伊豆半島全体の良さを感じ取って貰いたいという強い思いを一貫して感じ取ることができました。修善寺の温泉地としてのブランドを使わせて貰っているという思い、またクラウドファンディングを通じて支援者への感謝という思いを通じ、改めて事業は自分1人では成り立つものではなく、周囲との協調性が非常に大事であると思いました。  特に、山本さん自身が修善寺出身ではなく外部の人間でも勇気を持ち、一歩踏み出せば地元の方々との関係も構築できる、まさにその成功モデルと言えます。今後、地方での起業を考える方々にとっても、大変参考になるリアルな話を伺うことができました。





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