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インドネシアMBA 合格までのプロセス Part1.志望校選び

どんな選択肢があるの?

インドネシアには3つの名門大学があります。①インドネシア大学(通称UI ウーイーと読む)、②ガジャマダ大学(通称UGM Universitas Gaia Mada、③バンドン工科大学(通称ITB)。これら3つとも評価の高いMBAコースを持っており、どういう違いがあるか説明していきます。

1.インドネシア大学 Universitas Indonesia

  • ジャカルタ郊外のデポックに本部があるインドネシアで最も古くかつ評価されている大学で1851年にオランダ植民地政府によって作られた医学校が元になっている。

  • 受験資格に大卒程度のインドネシア語能力(2022年現在)とあり、ほとんどの外国人は受験資格がないと思われる。短期プログラムや交換留学であればチャンスはありそうだが、MBAではないと思う(探し切れなかっただけかも)

  • 日本人でインドネシアに語学留学する人はUIのプログラムに入る人が多いです。私がジャカルタに駐在していたときは、企業派遣の人が大半だったと記憶しています。

2.ガジャマダ大学 Universitas Gadjah Mada

  • ジャワ島中部にある古都ジョグジャカルタに本部がある。第2次大戦後にジョグジャカルタにある大学を統合してできた。1949年設立はインドネシア最古(UIが大学化したのは1951年のため)。

  • UIと違いインドネシア語能力を求められないため、外国人でも受けやすい。問題は経済学部を優等な成績で卒業していない限り、半年間インドネシア語と経済を学ぶコースを取ってからでないと入学が認められないところ(2022年現在)。私の場合は法学部出身のため、まずは準備コースを取るように言われた。もしかしたら、私がやたらと細かく理屈っぽい質問をするので、面倒くさくなったのかもしれません。

  • 尊敬するインドネシア人の弁護士がこの大学の卒業生(法学部+MBA)で、個人的にはここに一番行きたいと考えていました。最悪半年無駄にしてもいいかと思っていたほど。

  • ジョグジャ(インドネシアではジョグジャカルタとは言わずにジョグジャと言います)の町は歴史もあり、バティックや銀細工などの伝統工芸も盛んで大好きな町です。3大仏教遺跡と言われるボロブドゥール遺跡や、ヒンドゥーのロロジョングラン遺跡も有名です。日本の町で比較すると京都にあたります。奈良にあたるのがソロという町です。

  • インドネシア最大の民族、ジャワ族の本拠地。

3.バンドン工科大学 Institut Teknologi Bandung

  • ジャカルタの南東150キロにあるバンドンに本部がある。1920年にオランダ植民地政府によりバンドン工業高等学校として設立され、戦時中は日本植民地政府によりバンドン工業大学と名付けられた。初代大統領のスカルノは2期目の卒業生。戦後インドネシア大学の工学部として再編されたこともあった。バンドン工科大学となったのは1959年。私がジャカルタに駐在していた時はインドネシアで最もレベルが高いと言われていた。

  • インドネシア語能力は求められず、英語だけでいける。ガジャマダ大学と同じく通常のMBA(ITBはYoung Professional MBAという)、アントレプレナーMBA、Executive MBAがある。アントレプレナーMBAは8月入学のみ。

  • 理系のためか、Admission(入学)のページや大学のWebsiteの作りこみ、整理のされ方はUIやUGMより優れているように感じた。外国人の私でもやりやすかった。英語もちゃんとしている(偉そうですいません)。

  • バンドンは高地にあるため植民地時代から避暑地です。オランダ植民地時代と日本軍が占領していた時代は首都をバンドンに置いていました。戦後のアジアアフリカ会議(バンドン会議)でも有名ですね。日本でいうと長野とか松本のイメージです。日本軍も最後松本に大本営を移そうとしていましたね。

  • バンドンはインドネシアの民族でジャワ人に次ぐ人口を誇るスンダ人の中心地です。

4.その他の選択肢

  • IPMI International Business School: ジャカルタにあるインドネシアのMBAのパイオニアと書いてある。ハーバード流のケースを導入した初めてのMBAコースとも書いてあった。GMATの点数も必要で、本格的な感じがする。学費はUI、UGM、ITBより高い。

  • 他は調べていません。ボゴール農科大学とか、ディポネゴロ大学も有名だが、MBAは無さそうだった。

  • MBA以外であれば、他にも選択肢があると思います。例えば、ロースクールであれば、ガジャマダにもUIにもありました。ガジャマダのロースクールは学部卒後のマスターコースで、英語で授業をするようでした。ただ、どの国もそうですが、法律はその国の言語で書かれますし、判例も含めてインドネシア語を読み取る力がないと学習は厳しいと思いました。

5.2023年11月追加情報

授業でバンドン工科大学のMBAの競争環境の話が出てきて、最初の記事の網羅性に問題が出てきたため、追記いたします。
(1)Monash University
オーストラリアのビクトリアにある大学が、修士と博士課程に特化した大学院をジャカルタの南西(タンゲランの南)に設立しました。
インドネシア初の外資の大学とのことです。
6つの学科があり、MBAに近いと思われるのは、Master of Business Inovationです。

難点は学費がIDR336million(約300万円)と高いことです。6単位28millionを卒業までに72単位取らないといけません。
オーストラリア人の教授陣が多く、人件費が高いと思います。その分教育の質には自信ありということかもしれません。

外国人であれば普通オーストラリアの方に行くと思われます。ターゲットはインドネシア人の富裕層か、社会人がパートタイムで受けて時間をかけて卒業するかのパターンでしょう。

(2)Bina Nusantara University
BINUS(ビヌス)と呼ばれています。インドネシアのあちこちにキャンパスを持っており、バンドンにもあります。
MBAもあるため、学生たちは候補として検討するようです。

学費はIDR105million(約95万円)で、バンドン工科大学よりは高いですが、リーズナブルな値段です。

授業は100%英語となっていましたので、日本人でも候補になるかもしれません。

Part2へ続く





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