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インドネシアの島めぐり40日目 アンボン市内観光、ブル島へ向かうフェリーに乗る。

今日20:00のフェリーでブル島に行くことにしたので、それまでアンボン市内の観光をすることにした。
アンボンは南マルク州の州都がある大きな町で、この辺りの島々をめぐるハブにもなっている。
島の大きさは小さいがオランダが支配していた時から香辛料貿易の中心になっていたので今に続くのだろう。

1.マーサ・クリスティナ・ティアハフの像を見に行く。

アンボン市街を一望できる高台にある。ティアハフの像は出身地のヌサラウット島アブブにもあり、ここは2つ目の像だ。
坂道を歩くのはきついので、2キロ弱だがホテルの前からオジェックに乗って出かけることにした。

10:00に着いたら鍵がかかっていて公園に入れない。
近所の人が鍵を管理しているようで、すぐに開けてくれた。
公園の門を入って階段を30段ほど登ると到着する。
ヌサラウット島の像よりひと回り小さく、ポーズも少し落ち着いている感じだ。

彼女が眺めている光景はこんな感じだ。

帰り道は散歩がてら歩くことにして、途中のカフェに立ち寄る。
Panorama Cafeという名前で、名前の通り景色が良い。店主のフェミンさんは英語が話せるので、久しぶりに英語を使った。
父方がサパルア島、母型がセーラム島の出で、彼自身セーラム島生まれだそうだ。

アイスカフェラテ20,000ルピア(200円)

2.ビクトリア砦

町の中心部にあり、元々ポルトガルが建てた砦をオランダが奪い取ったものだ。
大航海時代に最初に乗り出したのはポルトガルで、スペインが続き、オランダは後発組のため、この手の事象はインドネシアのそこかしこで見られる。

砦は写真を見る限り保存状態がよさそうだったが、インドネシアの軍隊が駐留しているため中に入ることはできない。
わたしは門番に頼んでみたがダメだった。
よその国の話とはいえ、文化財や市民の憩いの広場になるべき場所に軍隊がいるというのはどうかと思う。軍事上の要衝というわけでもなさそうだ。

アンボンではアンボイナ事件という世界史に残る事件が発生している。
香辛料貿易で覇権を争ったオランダとイギリスの対立が激化した事件で、蘭英戦争の原因になったとも言われている。
この事件で、イギリス商館員は全員殺され、イギリスは大打撃を受け、結局香辛料の貿易から手を引き、インドの綿事業に特化していくきっかけにもなった。
オランダはインドネシアの香辛料貿易を独占することができたが、その頃は世界の色々な場所で香辛料の栽培が始まっていたこともあって、香辛料の価値は暴落して昔ほど儲からない商売になった。

このアンボイナ事件では、イギリス人以外に日本人も殺されている。しかも事件のきっかけとなったのは、日本人の七蔵で、彼が不審な行動をした結果捕まりオランダ側の拷問にかけられ、イギリスがオランダの砦を奪取する計画が明るみになった。
どうやらオランダ側の陰謀だったという説が有力らしいのだが、時は1623年、日本は江戸幕府による平和な時代を謳歌していた頃だ。

どうやら戦いが終わり負けた側に立った武士たちが食いっぱぐれ、傭兵として列強の植民地支配の手伝いをしていたようなのだ。

調べてもどの砦を取ろうとしたのか出てこないのだが、おそらく当時の砦はこのニュービクトリア砦なので、この場所で事件が起きていたはずなのだ。

七蔵は農民っぽい名前だけれど武士だったのだろうか。平和な時代を生きられない人たちだったはずなので、こうなることは覚悟していたのかもしれない。

3.平和のゴング

ゴングとは銅鑼のことで,ここには巨大なゴングが据え付けられている。
ネットで調べると、2002年の宗教紛争を経て置かれたようで、見た目は非常に新しい。
入場料5,000ルピアを払って中に入る前に、中では何ができるのか聞いてみると、近くで見れるとか写真を撮れるというので、入るのをやめてしまった。
鐘の由来が展示してあるとかならわかるが、写真なら外から取れる。

4.パティムラの像

パティムラ公園があり、そこにパティムラの像が立っている。
パティムラはオランダ東インド会社からオランダ国家に支配が移るタイミングで反乱を起こした人物で、元はイギリス東インド会社の雇われ兵士だった。
サパウラ島で反乱を起こし砦を占領してオランダの支配者層を殺害し、援軍を撃退するなどマルク支配を大混乱に陥れた。
結局オランダ軍の増援が増えるに従い不利になり、最後は捕まり、ここアンボンのビクトリア砦の前で絞首刑となった。
この場面が像の足元のレリーフに描かれている。

5.ブル島行きのフェリーに乗る。

20:00の出発に合わせ、19時まで近くのモールで時間潰しをしてからGallaの港へ向かう。
チケットを買おうとしたら、停電のため販売中止中だった。
フェリーの中でも買えるだろうと思ったら意外に厳格で、チケットがないと乗船できない。
ヤキモキしていたら20分前に買え、無事乗船した。

船は1人ずつベッドのスペースが与えられている。わたしは94という縁起の悪いベッドを割り当てられ、2段ベッドの上段だった。
そして、トイレの目の前、明かりの真下という、あまりありがたくない場所だ。

幸い残り15分でわたしの横には誰もきていない。他の場所を見ても、みなゆったりした配置なので、ゆったり過ごせるかもしれない。

当然だがエアコンはない。扇風機は見えるが動いていない。
船が動き出せば風は入るだろう。

この航路は海が荒れて揺れるので有名らしい。
今日はこれで終わりにする。
続きは明日に。朝6:00到着予定だ。

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