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最難関中合格の秘訣 親の役割・塾の役割

(23回目)
Ⅴ.最難関中合格の秘訣

[1] 親の務めは精神と健康の管理!
 親とはわが子にとって一体何なんだろう、と疑念に思う必要はありません。親は子どもにとって絶対に必要な存在です。
 5年生か6年生ぐらいになって子どもは不思議な行動を起こすことがあります。突然ママ、ママと言って膝の上に乗ってくることがあります。良く聞く話なのです。そのときに「あっち行けー!」という対応ではなく、「しっかり抱いてあげましょう」と私は申し上げたいのです。別にスキンシップをやってくださいという意味ではありません。思春期における独特の心情を子どもはたくさん持っています。その一つの表れとして包み込んであげてください。でも子どもはすぐに離れると思います。それでいいのです。いろいろな状況の中で受験に向かって頑張っているわけですから、そのような現象が起こっても不思議ではありません。
 これは20年以上前の話ですが、教室で怠けていた生徒に怒ったことがあります。「君は一体何を考えているんだ。君はアルバイトでもして希学園の月謝を払っているのか?親の気持ちを何と考えて希に通ってきているのか!親に感謝しろ!」と。さらに、「君にとって親ってどのような存在なんだ!」と聞いたら彼は、「親はかね(金)とめし(飯)や!」と言ったのです。
 私は振りかざした怒りをどう彼にぶつけたら良いのか一瞬戸惑いました。 「そうか、それなら勉強をしっかりと頑張れよ」としか言い返せなかったのが辛かったです。反面、私は心の中で彼が自立しているなと感じたのは事実です。少し極端だと感じられると思います。当然です。しかし彼はしっかりと勉強して志望校の灘中に進学していきました。そのときは親が聞いたら泣くだろうなと思いましたが、今にして思えば、最難関中合格の秘訣の本質はそこにあったのかなという気がします。
 そういうときに親の立場でいうと耐えなければいけない部分は結構あるのではないでしょうか。

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