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No.5 銅版画について  「The apartment house」 そして版の準備…燃やす!?🔥

こんにちは。
「The apartment house」見てくださってありがとうございます。

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「The apartment house」について
今日はまず、前回ブログにアップした「The apartment house」についてお話しようと思います。
この作品、実は色を塗ってはいません(^^)
和紙を貼り合わせて作っているので、和紙の持つ様々な色合いを利用しています。
雁皮紙というぺらぺらしたとても薄い和紙を使用しています。
独学で銅版画を始めた結果、こんな作品を作るようになりました。

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この作品をなぜ作ったかというと・・・
毎日使う「冷蔵庫」。
開け締めを毎回していると、冷蔵庫が気になってきました。
私の住んでいるところは集合住宅です。
区切られた空間にそれぞれの生活がある。
冷蔵庫も区切られたしきり(部屋)がそれぞれある。
それらひとつひとつに生活があってストーリーがあるのではないかと考えました。
左には窓とベランダ。それぞれの階の住人。
外に布団を干している部屋。
外にごみ袋が置いてあってカーテンが引かれている部屋。
もしかしたらこの中で住人は亡くなっているかもしれない。
私はそんな暮らしを見下ろしている。
右下には赤ん坊。(姪っ子がモデル 笑)
チルドルームの手前にはきのこが生えた入れ歯。
私たちは生きるために毎日食事をする。
生まれてから死ぬまで。
そして食べては排泄をする。
冷蔵庫に突っ込んでいる人は、食に溺れている人。
毎日大量の食べ物が捨てられると同時に、貧困で食べるものに苦しんでいる方もいます。
そんなことを思い、私は作品を作りました。

銅版画の制作工程について
前回お話できなかったのですが、今日も版画の制作工程についてお話したいと思います。
前回は銅の板を銅板切りで切るというところまでお話をさせてさせていただいたのですが、その後金属ヤスリでエッジを落としていきます。エッジは斜めに削っています。プレス機に通す時にエッジを落としていないと、プレスする際に上からのせるフェルトが切れてしまう可能性があるからです。

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その後、アスファルト、松ヤニ、蜜ろう、テレピン油 などを原料に作った防食剤(グランド)を全面に塗ります。そして乾燥させます。

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その後、火で炙ります。
火加減も大事です。
たまに銅版に火が着きます(汗)

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その後、すすをつけます。そうすることで版にすすが付き描画するときに見やすくなります。

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以上が銅版画の版を作るための工程です。
作家さんによっては、すすを付ける工程を省いたりする方もいらっしゃいます。
意外と火を使います。

余談ですが、学生時代、夜中に技法書を片手に「グランド」を作るため、どろどろの茶色い液体を鍋でぐつぐつと煮込んでかき混ぜていました。
材料は主にアスファルトとガソリン。そして温度が上がりすぎて突然ガソリンに引火!さらに学校の床に引火してわぁぁぁっ!と焦ったこともあります💦ちなみに今は、この作り方はしていません。

最後まで読んでくださってありがとうございます!!

次回は制作の工程となぜ銅版画を作るようになったかをお伝えできればと思います(^^)
次回もよろしくお願いいたします!!

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