見出し画像

「アゴラ」の予感があった日

きっかけは、社員会だった。

日曜日。最近、受験勉強したり、学校が忙しいとかで、中高生社員の集まりが悪くなってきた。
そんななか、精力的に参加してくれる二人の社員がいる。SさんとKさんだ。二人とも高校教諭で忙しいはずだが、わざわざ足を運んできてくれる。彼らは、社員会の後は午後にまた別のところへ出かけるらしい。多趣味で好奇心旺盛。大らかで、包容力がある。
Kさんは、奥多摩周辺で新たな古民家教育を実践しようと空き家探しをしている。Kさんは、Sさんが古民家に連れてきてくれた。「絶対ここいいから!」という直感で誘ってくれたらしい。そのSさんはというと、元々、音読道場に子どもが来ていたのが出会いのきっかけだ。

午前中到着すると、高校生Nも合わせた四人で火をつけるために、杉の枯れ葉を用意し、点きづらいライターで、苦戦しながら火を起こした。
いつもなら幾人か中高生社員が集まるものの、今日はNだけだった。

いつの間にかNは古民家の中でひとりくつろいでいたので、大人だけで火を囲んで、それぞれの活動について報告しあった。
Kさんはこの間、目を付けていた空き家を逃してしまった。先日いい物件を見つけたが、惜しくも先約に古民家をとられてしまったのだ。それでも引き続きまだ探し続けるそうなので、奥多摩から青梅、日の出、檜原までどのあたりの物件が過ごしやすいか僕の持っている情報をお伝えした。
僕も古民家を見つけるのに2年かかったから、いい物件が出るのはかなり時間がかかるかもしれない。

Kさんの行動力はすごい。そしてそのKさんを連れてきたSさんの直感もすごい。そんな彼らと3人で話すのは実ははじめてだったかもしれない。大人だけになったからかもしれない。僕はいつもより率直に話したくなってきた。

というのも、最近、東京ソーヤの方向性に悩んでいた。焚火の会は盛り上がってはいるものの、ほぼ会員限定のイベントになっていて、もっと公益性のある街を巻き込んだプロジェクトにつながらずにいた。

本当は廃校で町の人も巻き込んだかたちを目指していた。それもコロナでなかなか広がりを見せられず、2年目に突入してしまった。

そんな悩みを二人に率直に打ち明けてみた。
「ここの教育実践をもっと多くの人と共有したいのだけれど、どうしたらいいかわからない。」
それを聞いたSさんは「確かにもっと地域に開かれたかたちになるといいですねえ」とやんわり僕に進言してくれた。
Kさんは、「たしかに焚火や古民家に興味がある教師が周りにいますね」ということだった。
古民家で焚火して、子供を活性化させることを目的にしてきたが、二人の話を聞いていると、どうやら、大人も癒される場を求め、そして、自分のライフスタイルに自然環境をもっと組み込みたいという教育者が多くいることが明らかになってきた。

とはいえ、月末の焚火の会は、すでに親子で参加する雰囲気が出来上がっていて、子どもたちのために古民家を使っているから、大人だけで社会実践について話し合う機会をつくるのはなかなか難しい。

それで思いついたのだ。
あ、じゃあ、社員会をそういう場にすればいいんじゃないか?

社員会をもっと開かれたイベントにして、大人向けのプロジェクトにする。
古民家に多くの教育者や社会実践家、起業家などが集まるなら、そこで新たに教育プロジェクトが生まれるはずだ。中高生社員の学習意欲にもつながる。

そして、教育者が対話する場に大学生や高校生が加わり、人数が多くなれば古民家からより公益性の高い場で開催することになるだろう。

それはつまり長年夢見てきた廃校アゴラプロジェクトの開始ともいえる。
ギリシャ語で広場を意味するアゴラは、ぼくたちが学校教育に求めるものだ。
何をするかすでに決められたものを行うのではなく、子どもたちはまずはアゴラに集まる。そこには火のような自然環境があり、そこで癒され、意欲を取り戻し、それぞれの活動に移る。そうした場を学校に設けることを夢見てきた。
教室は多種多様の「教師個人によるワークショップ」が百貨店みたいに立ち並ぶ。子どもたちは事前にそこを予約して参加できるようにする。そこへ行くと、自分の学びたいことを学べる環境があり、その中心にアゴラがある。

そんなヴィジョンを実現する最初のとっかかりとして、5月に最初のアゴラ会を開催しようと思う。
最初だし、大人メインのイベントだからランチしながら話し合うという感じから始めようと思う。
Kさんは米を持ってきてくれるそうなので、僕はベジカレーを作ることにした。ムスリムの人が来ても大丈夫なように準備しておく。
教育者や起業家、エンジニア、留学生、クリエイティブな高校生や教育・福祉に関心のある大学生など、肩書は何でもいいが、焚火古民家教育に興味のある人に来てもらいたい。

帰りに、Nを連れて、蕎麦屋へ行った。
そこで、アゴラ会の話をすると、「それはいいですね。仲間が増えたらもっとやる気になります」と楽しそうに話していた。

興味のある方はぜひお問い合わせください。
末尾のgoogleフォームより申し込みお待ちしております。

アゴラ会

概要

廃校アゴラをはじめる会。
古民家でベジカレーランチを食べながら。
食後、多摩川キープクリーン活動もおこないます。

日時

5月15日(日)10時ー14時

参加費

大人3,000円(焚火・ランチ付)
学割1,500円
※高校生以上が参加可能です。

アクセス

珊瑚荘。川井駅より徒歩15分のところにあります。ホリデー快速なら御嶽駅より徒歩20分で行くのもアリです。
住所はお申し込み後お伝えします。

お車でお越しの場合も近隣の駐車方法を案内します。ただし、申込みが遅れると、遠距離になる場合もあります。

解散後の予定

山を散策するグループもあるかもしれません。
温泉に行くグループもあるかもしれません。もし温泉へ行くなら車で来訪してください。

申し込み

以下のGoogleフォームより連絡先や支払い方法をご記入の上お申し込みください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?