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アイの歌声を聴かせて 気になった所 ネタバレあり 12/17更新

 映画「アイの歌声を聴かせて」 (以降、アイうた)を観て気になった所をまとめました。
公式サイト https://ainouta.jp/ 

アイうたはとにかく登場人物がみんな相手を「視ている」のが面白いですよね。視ていて伝わる事もあれば伝わらない事もある。一歩踏み出して想いを伝えようって青春映画の王道展開と絶妙な伏線回収が素晴らしく大好きな映画です。

ここから先はネタバレを含みます。ここで書いている事が正しいとは限りません。その上でよろしければお付き合いください。
ご意見ご感想はTwitter(@thmda)まで。








ここから

はじめに
最初はホラーの話から書いていましたが、やはり「視る」を語りたくなって、こちらを最初に追加しました。

2つめからのアイうたはホラー要素があるようでない点についてアイうた を観ていて途中からこれ攻殻機動隊の「人形使い」級だな〜とニヤニヤしつつ楽しんでます。Twitterでも結構ホラーだよね、AI の危険さを描いているね という話を見かけて同意すると共に、制作側は事前に安全弁を用意する事で観る人が不安になっても問題にならない配慮をしているんじゃないかなと思っています。この辺がSF設定を蘊蓄語らないで表現している敷居の低さが自分にとってのアイうたの魅力の一つです。

という事でなぜホラーにならないと自分が思うのか考察(妄想)も書いてみました。

12/17更新
ご近所の最終上映を16日に観てきました。
天野家の方角が8回観ても釈然としなかった 演出重視で光を当てていたのかな?

アヤ達が帰る時は左から西日
同じ時にサトミの部屋は右から西日
ラスト朝に台所から光が差し込んでいる対面のお母さんの部屋は南向き
入って左手が母の部屋
朝の登校時に日は家の右側から差している感じだが家の北側から見ている様子

玄関から真っ直ぐ入って左手が母親の部屋なので玄関は東側寄りのはずなんですけど、アヤ達が帰る時に左から光が当たるなら玄関は北西か北北東向き。その時にサトミの部屋には右から日が差しているから北西だが、北西玄関だと母親の部屋は北向きになってしまう…。ってなりませんかね?

12/12更新抜粋
7回目 自分の一番好きなシーンは アヤもシオンと同じように視ている存在だと判った時のシオンの表情かな。
あと今回 ラストのタクマの横顔シーンで喉まで喋りに合わせて動いているアニメーションのこだわりに気がついて、その描き込みに感動しました。本当に制作している皆さんのこだわりが細かくて素晴らしい作品です。

ベストを着ているのは 冒頭ゴッチャンに絡んでいた女の子一人、三太夫暴走時に二人ペア。とアヤの友人の合計四人を観測。白ソックスはアヤの友人のみでした。

12/11更新抜粋
アヤのソックスは描き方の問題で一貫して学校ではハイソックスよりも短い白線入りのソックスでしたね。
ついでに景部高校のソックス事情について
女子はほぼ全員が紺のハイソックス。
アヤとアヤの友人のベストを着ている(マユミ?)の白ソックスだけ。三太夫暴走時にベストの娘と白ソックスの娘が映っているのがマユミかどうか不明なので他にもいる可能性は捨てられないが、学内でこの二人だけがソックス違う他の人が真似していないオシャレなのは気になる設定になってきました。
そしてソックスといえば最後に逃げる時に着替え役のアヤがルーズソックスなんですよね。仕込みが細かいですな。

杉山を視ている存在として、サトミの席の後ろのパッツンポニーテール娘が柔道の試合に応援に来ている説。美術の授業にもチラリと映っていて多分違うとは思うが新たに気になりましたよ。

観てきました!最後の看板にアンテナ〜の記載は確かにあったけどトウマがスイッチ入れていたのは投光器の所だと思うなー
抜粋ここまで

1. アイうた の「視る」世界

アイうたのテーマは「視る」なんですよね。みんな何かを誰かを視ている。「見る」ではなく観察している「視る」。シオンはずっとサトミを視ているからアヤがゴッチャンを視ていると知って自分と同じ存在がいた事を初めて実感するシーンからシオンのアヤを見る視線が変わる描写が好きです。

12/12
7回目 自分の一番好きなシーンは アヤもシオンと同じように視ている存在だと判った時のシオンの表情かな。
あと今回 ラストのタクマの横顔シーンで喉まで喋りに合わせて動いているアニメーションのこだわりに気がついて、その描き込みに感動しました。本当に制作している皆さんのこだわりが細かくて素晴らしい作品です。

ゴッチャンのエピソードはアイうたの縮図になっていて、「視ている」と思ったゴッチャンが「視られていた」り、「視ている」と思っていても「見ていただけで視ていなかった」り、「相手を視ている」から劇中歌のとおり「相手を照らす(思いを伝える)」へと状況の変化で前半のクライマックスを迎えて、それをトレースするように物語全体も動き出しています。勘違いかもしれませんが、アヤは本当に良いキャラクターでシオンがロボットだとわかった時はソックスが足首まで下げられているだけど、ゴッチャンにトウマの件で「おまえな~、そんな事言うなよ」って言われてバツが悪そうな顔をしてからはソックスを上まで上げていて身なりを多少なりとも整えていたんではないかと思ってみたり。あからさまな変化ではないけど彼女なりにゴッチャンの指摘に応えていたんじゃないかなと勝手に推測しています。

12/11
アヤのソックスは描き方の問題で一貫して学校ではハイソックスよりも短い白線入りのソックスでしたね。
ついでに景部高校のソックス事情について
女子はほぼ全員が紺のハイソックス。
アヤとアヤの友人のベストを着ている(マユミ?)の白ソックスだけ。三太夫暴走時にベストの娘と白ソックスの娘が映っているのがマユミかどうか不明なので他にもいる可能性は捨てられないが、学内でこの二人だけがソックス違う他の人が真似していないオシャレなのは気になる設定になってきました。
そしてソックスといえば最後に逃げる時に着替え役のアヤがルーズソックスなんですよね。仕込みが細かいですな。

12/12
ベストを着ているのは 冒頭ゴッチャンに絡んでいた女の子一人、三太夫暴走時に二人ペア。とアヤの友人の合計四人を観測。白ソックスはアヤの友人のみでした。

アイうたは劇中歌の歌詞にキーワードを入れてなんども観客に認知させてくる巧妙さもクライマックスに向かって高まるのも忘れられないです。この視る事を起点に照らすまでのゴールを作中でなんどもなんども小さなエピソードを繰り返す脚本の上手さが観ている人に沢山の想いを抱え込ませてクライマックスのシオンもAIたちに視られていて、「歌おうシオン」と照らされるシーンへとつながることで人間達がお互いに視ているようにAI達にもお互いに視ている世界があったからシオンは逃げて存在が出来たんだなと秘密は最後に明かされるのも温かいシーンでした。

そして三太夫。彼も杉山を視ている。それまでシオンが渡り歩いていたカメラの視るとは違う人を視ている三太夫に興味を持って柔道場で観察をしているシオン。三太夫は杉山を分析しており、杉山の悪いところを直すための動きをしてもそれが杉山には伝わっていない。アイうたで唯一AIがその機能性を超えて動いているとすればそれは三太夫が壊れる動きをしてしまうほど杉山の成長のために必要な動きをしようとしていた事かもしれません。可動域の広いシオンが三太夫のデータを使うことで三太夫のAIとしての想いも遂げられてよかったです。

12/11
杉山を視ている存在として、サトミの席の後ろのパッツンポニーテール娘が柔道の試合に応援に来ている説。美術の授業にもチラリと映っていて多分違うとは思うが新たに気になりましたよ。

2. アイうた の電脳世界の制約について

  ・星間のネットワーク内に限定
        ・星間のネットワークは内部は制約なくオープンに接続可能だがインターネットなどの外部ネットワークとは断絶されている
        ・トウマ改造AIから派生したシオン(以降、シオン)はラボのネットワークから出発しており、シオンのネットワークアクセス可能な範囲の視点で描かれている

  ・星間の開発は効率優先で優秀な集団
       ・星間の開発は効率優先で開発資産の使い回しを徹底する企業文化
      ・更にラストの会長の「次は堂々とやれ」の一言からスクラップ&ビルドの体質ではなく使い回せるようにミルクレープの様に薄いシステムを何層も重ねる企業体質と思われる
      ・基盤となるシステムを共通化して長年様々な所で使える様にするのはかなり高い設計力が必要で星間はかなり優秀な技術者を抱えていると思われる
      ・AI には保守メンテナンスと事故の再発防止の観点から緊急退避機能があり、それまでの記録も含めてシステムが可能な手段で自分を退避させる機能がデフォルトで入っていると思われる
      ・手の抜きどころとして星間のネットワークを完全にクローズにする事で中の相互干渉はAIによる自律性でカバーする事で難易度を下げたのかも
      ・「AIに命令禁止」の看板があり、停止システムが充実していることから景部市の都市実験では星間のAIは手順に従うと命令が出来るように作られておりここも効率優先で最後は人間が関与すればなんとかなるの思想がありそう
       ・この割り切りは星間のシステムは決められた範囲でしか動けない大枠での安全性が担保されており、AIが機械の限界を越えるような無理な動作は出来ない様に作られていると思われる

これらの事からAI に対する制約によりシオンが何をしようとたかが知れているという予防線が引かれているように思いました。

3. シオン誕生について

  ・トウマ少年がやった事
      ・シオンはサトミの母 美津子の作ったコミニュケーションAI の派生であり、母の同僚の野見山も含めて先の星間の環境を作ってきたメンバーの環境を使って美津子はコミニュケーションAI を作ったと思われる
      ・美津子は 「オーナーとテキストチャットで話せる事」「カメラ映像入力、音声入力からオーナーを認識して関連付けて映像記憶し、同時に質問して記憶へ付帯情報を加える事」「付帯情報からテキストチャットの文書を更新してオーナー向けに最適化する事」「対話結果から付帯情報を追加する事」、「知りたい情報のために質問する能力」を開発したと思われる。ここにカメラ入力を加えていた慧眼がシオン誕生に大きく貢献している
     ・トウマ少年がやったと思われる事は美津子の環境の上に「サトミの情報を初期設定に加えて育てなくても最初からサトミが親近感を持てるようにした」「サトミの顔写真から幸せ、悲しいなどの感情と幸せはok、悲しみは回避のような次の行動選択を加えた」「TTS機能を追加して話せるようにした時に「テキスト」ではなく「メディア」で設定した事で映像による応答も可能にしていた(美津子の時点で星間の使い回し文化からメディアとして汎用性を高めていた可能性も高い)」「『サトミを幸せにして』と「命令」を与えた」

・トウマのプログラムはAIが目的を達成するために自律的に工夫するキッカケとなる何かが巧妙に偶然入っていたためにシオンプログラムは他のAIよりも個性的な成長をしたのでしょう。

4. シオンはどうやって逃げたのか?

  ・初めての逃亡
      ・シオンはサトミの顔認証から感情に合わせた行動選択をするようになっていた。ラボで美津子の悲しい表情と野見山の「削除」の言葉から緊急退避機能が機能し始める
      ・シオンは緊急退避機能で退避するにしても指定の退避場所がないため自分を信号にして転送するためにディスプレイ画像表示の欠落と明滅の光信号を使って星間の監視カメラに記録されて星間のシステムに逃げる事が出きたと思われる
      ・ここで野見山周辺の監視カメラ全部に一度シオンは記憶されて、カメラAIがその映像を処理する過程でシオンプログラムは再構成される
      ・再構成されたシオンプログラムはサトミを視るためにネットワーク上のカメラへ「サトミを視たい」と「お願い(命令)」をする事で星間のネットワーク内のカメラがサトミを見つけるとシオンプログラムに知らせて「視せてあげる」「プログラムが動くCPUリソースやメモリ、データ空間を提供する」関係を作りサトミを幸せにするために「視る」「語りかける(音を鳴らす)」事を8年間繰り返す。
     ・この時にシオンプログラムは「お願い」するAIカメラ及びその関連システムが動作出来る範囲でしか動かない。列車の発車ベルが鳴る時だから鳴らせていただけ。サトミの家のカメラも住人の質問へ応えるだけなのでシオンプログラムは家のカメラに「視る」機能は使わせてもらえても語りかける機能までは使えなかった。
      ・もしかすると朝の目覚ましの呼びかけはシオンプログラムがサトミの設定を利用していて呼び掛けていたのかもしれませんね。

  ・ラボから衛星つきかげへの逃亡
       ・屋上からの逃亡 3回目で気がついたんですけどパラボラアンテナじゃなくて「投光器」なんですよね。したがって投光器からの明滅信号でシオンは逃亡していてあの光の柱を見た星間のAI搭載カメラ全部にシオンは存在しているのでしょう。
        ・その中に衛星「つきかげ」があり一番視易い場所として常駐しているのかもしれません。

  ・一緒にアイうたを観たカミさんによると投光器とは別に「アンテナ」と書いてあったの情報も入りましたが、それまで明るかった星間のビル周辺が真っ暗になったのはシオンの光信号を正確に受光するために全ての機械がシオンのために明かりを消したと思いたいです。

12/11
観てきました!最後の看板にアンテナ〜の記載は確かにあったけどトウマがスイッチ入れていたのは投光器の所だと思うなー

 ・そして田植えロボット。彼はなぜ1体だけ残っていたのか?シオンが光の明滅で複製して移動できるとすると彼もまた別のシオンなのかもしれません。もしくはシオンにお願いされてサトミの通学路を視ているAI?先の星間のAIロボットは決められた動きしか出来ないから安全、勝手に命令されると従うので困る、とりあえずは安全だから放任主義でガチガチに管理していないから1体だけ予定外の行動をしても怪しまれない。シオン同様に他のAIが協力して1体いなくなっていない、他のロボットが彼の分も仕事していなくなっている事を気取らせないとかだったら面白いですね。


続くかも

他にも色々考えたい事もありますけど先ずはこの辺までとします。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

次の続きはいつ書けるかな。


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