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50歳からの魚釣り

子曰く、五十にして天命を知るそうだが、まだまだそこには到達しそうもない50代。いきなり釣りにハマりズブズブとリール沼までハマっていこうとしている。きっかけはオタク心をくすぐるあのリールだった。

アブガルシア アンバサダーをヤフオクで購入。全てはここから始まった。

海と山に囲まれた田舎で生まれ育ったこともあり、子供の頃は何度か釣りも経験していたが、上京し社会人となりすっかり釣りの事など忘れていた。転機となったのは数年前に家族旅行。ホテルで竿の貸し出しがあり子供達とやってみたところ、20cmのシイラが入れ食い状態。ずっと忘れていた釣りの楽しさを思い出し、ならば道具を揃えようとネットで情報を調べ始めたのが運の尽き。

ググればいくらでも出てくる釣りの情報。釣りYoutuberもジャンルとして成立しており、それはそれで楽しいのだが昔と違い道具は細分化され、竿もリールも対象魚や釣る場所が決まらなければ何を揃えて良いやら検討もつかない。そんな時思い出したのが子供の頃読んだ釣り入門的な本に書かれてあった、一風変わったあのリール。

アブガルシア アンバサダー

田舎育ちのため、名前は知っていても実物なんて見たことがなく、どんなヤツだったかと検索すれば、出てくるのはマニアックな記事の多いこと。この時、何か自分の中でピントが合ったというか光が見えたというか、つまり「コレは俺のリールだ」と思い込んでしまった。

大量生産、大量消費時代の中で生活する我々は、ただでさえ大量の商品に囲まれて生活している。家電やPC、スマホはもとより、靴下やパンツに至るまでありとあらゆる商品がブランドや機能、価格などでアピールをし、何か買おうとするたびに取捨選択をしなければならない。モノによっては値段の安さで選ぶこともあれば機能と耐久性とコストのバランスで選ぶこともある。何か商品を選ぶとき、なるべく正しい選択をしたいのが当たり前だし、正解を求めて色々情報を求めるのも普通だ。

だが時に、値段も機能も関係なく「コレが欲しい」、「コレは俺のために作られたに違いない」という商品に出会うことがある。実際は自分のためにメーカーが作るなんてことはあり得ないのだが、なぜかそう思い込んでしまうモノがある。例えばカメラ。例えばギター。もっと性能が良くもっとコストパフォーマンスに優れたモノはいくらでもあるのに、ライカ M-10が欲しくなったり、ギブソン レスポールが手放せなかったり。

それは恐らく、心が求めているものが「正解」ではなく「楽しさ」だからだろう。苦労もあるだろうが眺めて楽しく使って楽しい。そんなモノに出会えるという幸せ。

自分の場合、それはアブガルシアのアンバサダーだった。

それからというもの暇さえあれば先達のカスタマイズやメンテナンス、様々な用途での使い方などを検索し片っ端から記事を読み漁った。

数週間後、新品同様の割りに不人気な機種という理由で格安で落札したリールが届き、それを何とか使いこなそうと試行錯誤する日々が始まった。パーツを交換しロッドも揃え、さて釣りに行きまくろうと思った矢先の新型コロナ感染拡大による緊急事態宣言と自粛の日々。

もう楽しいことだけ考えて生きていければ良いという思いに至り、そんなネタをそこはかとなく書き綴っていこうと思う。

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