執着していたのは、プライドを傷つけた恥ずかしい自分たち。

理不尽な現実を生きてきた。

そんな自負さえ、現実逃避の一部だった。
我が自己欺瞞の果てしないこと。

理不尽と思うのは、
こんなはずではなかったから。

私が生きるべき現実は別にある。

もちろん、そんなものはないのだけれど、
どうにも折り合いがつかなかった。

現実より、理想を選んでいた。

望む未来を捨てられなかった。
そんな未来を生きる憧れの自分、かな。

現状を認めたら、
望まない現実を生きなければならなくなる。
手軽で幸せな夢を見れなくなってしまう。
リアルな自分には、何もない。
そのことが、バレてしまう。みんなに…?
私自身に。

知られたくないのは、自分を恥じていること。
隠さなければならない自分がいること。

自我が恐れていたのは、現実の私。
仕事も、家事も、プライベートも、
理想には程遠い等身大の私。

現実を認めなければ、あきらめなければ、
いつかは望む自分になれるかもしれない。

けれど、あきらめたら、目を覚ましたら、
望まない現実を生きるしかなくなる。

夢で味わう幸福感のために、
現実を犠牲にしてきた。

実のない人生だった。
やりたいことをやっているつもりだったけれど、
なりたい自分になれる気がする夢を見ていただけ。

不足だらけの私を補うために、
違う自分を手に入れようとしてきた。

努力した割に、なにも身に付かなかったのは、
現実ではなかったから。

受け入れられる現実だけを認め、
望まない現実を拒絶していた。

叶いそうな夢を見ることで、
認められない現実から逃げた。

現実から目を逸らし、捻じ曲げ、
自分を誤魔化して、自己嫌悪に苛まれた。

ネガティブな感情は、
あるがままの現実を否認したから。

向き合えなかったのは、
認められなかったのは、
恥ずかしい自分。

悪いことをしたのに、
仕方がないと思える言い訳を考え、
周囲のせいにした。

マウントをとりたがる自分。
調子に乗りやすい自分。
意地悪な自分。

人とは違う自分に引け目を感じた。
得意になってやったことを笑われた。

傷ついている自分。
傷ついたことを認めず、
強がっている自分。

自分ばっかり。
なら、自我が執着していたのは、これかな。

プライドを傷つけた自分たち。

彼らを手放そうとしないから、
いつまでもネガティブな感情が続くのかも。


現実は優しくない。
気に入らないことばかり。

けれど、逃げていたら、自己嫌悪に行き着く。
現実を認められないから、逃避に走る。

現実も、感情も、欲望も、
あるがままを否定しない。

生み出されたそれらは、全て人間の本質。

どれほど倫理観から外れていても、それが人間。

ルールを作らなければ道を外れるのが、人間。

人間であることは、罪ではない。
自分のルールを社会に強要しない限りは。

生きている人間は、命。

命を否定することは、今を否定すること。
今を否定することは、現実からの逃避。

今あるもの、今生み出されたものを否定しない。

赦すでも、認めるでも、受け入れるでもなく、
動詞的な能動性ではない。今、ある状態。

否定しない状態。あるがまま。
ジャッジと偏りがない状態。

それが、愛なのかもしれない。

 fumori 


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