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ありたい自分を願うほど、憧れは遠のく。

好かれたいと思っても、嫌われるし、
愛されたいと願っても、そうはならない。
なら、自分で自分を愛そうとしたけれど、できなかった。

決意して、方法を考え、実践した。
けれど、心は思うようには動かない。

たぶん、それが答えだった。

現実的な努力ならできるけれど、
努力の対価が、望み通りとは限らない。

現実的な成功に辿り着いても、同じこと。

求めているのは、行動の先にある現実ではなく、
現実が変わる事でもたらされるはずの感情だから。

けれど、感情はコントロールできない。

期待して、見込んで、予測しても、
望む通りの体感を得られるとは限らない。

意思で、感情は動かない。

自分を愛そうとしたけれど、
愛することはできなかった。

大切にしたり、優しくすることはできても、
愛せはしなかった。

愛して欲しいと他者に求めることはできるけれど、
愛するかどうかは、相手次第。それと同じ。

好意を持つことも、付き合うこともできるけれど、
心が動かない限り、愛されることはない。

どれだけ求めても、
意思は愛を生み出すことはできない。
例え、自分の感情であっても。

やっと理解した。

愛そうとしても、愛することはできない。
愛は、意思ではなく、感情だから。

自然に心が動いていた。
いつの間にか、愛していた事に気づく。

未来ではなく、今、あると気づくことしかできないもの。
過去にあったと、思い出すもの。

感情というのは、そういうものなのだろう。


なら、今は、自分を愛せなくてもいいのかも。

現実を肯定できなくても。
世界を信頼できなくても。

愛したくても愛せず、
肯定したくても否定してしまう。
信頼したいのにできずにいる。

それが、今の私の正直な感情なら、
それに気づいているだけでいいのかも。

それをコントロールすることは出来ないし、
その感情に苦悩する必要もないもの。

ありたい自分があって、
そうではない今の自分がいて、
埋められないギャップに悩んでいたけれど、
わざわざ悩まなくてもよかった。

苛立ったり、焦ったり、
その感情を処理しようとすることに必死で、
感じることから逃げていたのかもしれない。

苦しかったのは、意思では手に入らない感情を
最短で、最速で手に入れようと焦っていたから。

欲しい感情を意思でコントロールしようとしていた。
意思には感情を生み出すことはできないのに。

そして、感情は変化する。

一定ではないのに、いついかなる時も、100%、
愛し続けなければ、愛していることにはならない
とか思っていた。

もしかしたら、今だって、
私を愛している時もあるのかもしれない。

なんなら、
愛せない時以外は、愛しているのかもしれない。

ネガティブな感情が強烈過ぎて、
ほのかなやんわりとした愛情に気づけないだけかも。

愛せない自分を完全に消滅させたいと思うから、
愛している事に気づけないのかもしれない。

そもそも、ポジティブでもネガティブでもない時、
何を感じているかなんて、意識していない。

可もなく不可もない状態の私は、
なにを感じているんだろう?

今、何を感じているかに意識が向かないから、
印象の強いネガティブな感情ばかり数えている
のかもしれない。


私の問題は、三つ。

できないことをしようとして、
できることをおざなりにして、
必要のないことで悩んでいる。

求める感情を意思で生み出そうとしている。
今の感情に無自覚であること。
ありたい自分とのギャップに苦しんでいる。

感情は、自然に生まれるもの。
感情は、今しか感じられないもの。
理想は、苦しむためのものではない。

ありたい自分は、未来へのベクトル。
達成しなければならない目標ではなくて、
期待した感情を得られるかもしれない可能性。

不足感を埋めるためのものではないし、
それ以外の方向だって選び直せるもの。

問題解決のために悩んだとしても、
誰かと比較したり、自己嫌悪に陥ったりして、
苦しむ必要なんかかけらもない。

意思によって、
現実をコントロールしようとしていた。

だから、
計画遂行に夢中で、
今にいられないし、
感情に気づかない。

今、何を感じているの?

その頻度を増やすだけで、いいのかもしれない。

感じたい感情を感じるための努力ではなく、
感じている今に留まり、都度、気づく。

感情を自由にする。
感情に優劣をつけない。
ただ、気づいてゆく。

まどろっこしいし、確証もないし、
ゴールすら見えないけれど、
それが、自分を愛する近道なのかもしれない。

もしかしたら、既にいるのかもしれない。
私を愛する自分が。

あとは、気づくだけ…

だったら、嬉しい限りだ。

私の知らない今の私に、出会えますように。

fumori

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