逃げ場がなくなれば、やりたくなくても案外やれるのかも。

感じることが、生きること。

なら、できうる限り
幸福な感情を味わっていたい。
人生を楽しい時間で埋めておきたい。

私と言う自我の願いは、
どこまでも都合がいい。主観が全て。

対する命には、拘りがない。

辛くても、悲しくても、
感じられれば、なんでもいい。

今、感じることが、全て。

命は有限だけれど、
命を感じられるのは、今だけ。
過去も未来も、命ではない。
全ての感情は、今、命から生じている。

なら、今にしかない感情が記憶され、
心に取り残されるのは、なぜだろう?

私の心は、過去に埋め尽くされている。
機能不全はそのせいかもしれない。

楽しい記憶ほど、短命で、
居座っているのは、ネガティブな感情ばかり。

今しかないはずの感情も、留まれば過去になる。
悔いても意味のない過去なんて、いらないのに。

手放したいのに、できないのは、なぜ?

ずっと不思議だった。
なぜ、望んでもいない感情に執着してしまうのか。

色褪せない記憶とともに、鮮やかにぶり返す。
まるで、待ち構えていたように。

心に突き刺さり、血は流れ続ける。
まるで、痛みを求めているかのように。

なぜ、痛みに執着してしまうのだろう。

反省して、二度と間違いを犯さないため?

あるかわからない未来のために、
現実を犠牲するなんてナンセンスだ。

どこかが、なにかが、間違っている。
見たくないものを、隠そうとしている。
フェイク。

感情に執着できるなら、
楽しい記憶だけをキープしておくこと
だってできるはず。

なら、執着しているのは、感情ではない。
感情は、固執したそれの付属品。

手放すことができないのは、現実。
理想。自我が喜ぶ期待通りの現実。

私は、思い通りの理想に執着し、
そうではない現状を、不快に感じている。

私の都合の良いように、ならないものかしら?

期待する現実。望まないリアル。
そのギャップを、解釈で埋めようとする。
現実を、自分を、誤魔化そうとしている。

自分を騙そうとしているんだから、
そりゃ不快だよね。

ネガティブな感情は、自己欺瞞に対する嫌悪。

不快なのは、現実ではなく、
意に沿わない現実をコラージュして、
丸め込もうと画策する存在。
自我が引き起こすその行為。

都合の悪い現実を捻じ曲げ、
甘い言葉で誘惑する。

不快感は、自我の罠を見抜くためのサイン。


現状を変える方法は、二つ。

現実的な努力で理想と現実のギャップを埋める。
価値観を変えて、受け入れられるような解釈をする。

楽して生きたい私の選択は、後者一択。

が、現実は妄想よりも圧倒的にパワフルだ。
解釈で変えられる現実には、限度がある。
歪んだまま価値観を変えても、
おかしな事になるだけだしね。

現実を凌ぐ妄執に取り憑かれても、
妄想するだけでは現実は変わらない。
不快も不安は消えない。

不可能な憧れに固執して、
安心できるはずもない。

ありのままの現実を否定し、
自分の望む現実以外を認めない。

自分を騙し、ネガティブな気分から
抜け出せなくなることも厭わない。

望まない現実と、望まない感情で
人生が埋め尽くされてゆく。

幸せな人生を願っているはずが、
不幸で占められてゆく。

願っているうちは、手に入らない。

幸せになりたいのなら、今ある幸せを探して、
感謝しているだけでは、ダメなのだろう。

比較すれば、恵まれた環境にある。
失えば、幸せだったと思う。

だとしても、幸せとは思えない。
もっと幸せになりたい。
そんな欲深い本音を否定しなくていい。

傲慢で、利己的な自分を否定しない。
それは、平等に与えられた人間の本質。

みんな言わないだけ。
上手に隠しているだけ。
個性という皮を被って。

あるがままを否定しない。
現実も、感情も、欲望も、
今あるのなら、ある事にする。

どれだけ常識や倫理観から外れていようと、
あるものを拒絶していたら、
夢の世界に逃げ込む事しかできなくなる。

自分を守るための逃避が、現実を否認し、
自分を騙し、自己嫌悪へと堕ちてゆく。

自己嫌悪は、選択ミスのサインかも。

叶わない夢想ではなく、
望まない現実を選ぶ。

ありのままの現実を、自分を、否定しない。

空想の幸福感に依存したら、
自己嫌悪から抜け出せなくなってしまう。

やらなければならないことは、
やりたくないこと。それが、本音。

いい子ぶって、自分を騙そうとしない。
やりたくない本音を、否定すれば、
やらないパワーが強まるだけ。
反発させない。
先ずは、気づいて、否定しない。

理性より、感情の方がパワフル。
言いなりになんかできないもの。

感情を支配しない。
というより、出来ない。
ここを、前提にする。

どんな感情も否定しない。
理性的に生きるためには、
感情を無制限に解放しておく。

願った通りにならない現実。
やるべきと思い込んでいる価値観。
やりたくないと思ってる本心。

今、あるがままにしておく。
自我ではなく、現実を優先する。

ネガティブな気分になったら、
今に立ち帰る。

今、考えていることではなく、
今、感じている不快感を意識する。

現実を否定していないか?
期待通りの現実に執着していないか?
辻褄を合わせようとしていないか?
自分を騙してもいないか?
現実逃避していないか?
自己嫌悪に至ってないか?

望む望まないは、思考の選択。
どれほど理にかなった理屈でも、
結局は、自己都合でしかない。

ネガティブな時は、望む現実を手放す。
決めるのは、手厳しいリアルに立てた時。

逃げ場がなくなれば、
ネガティブな気分ではいられない。

やるしかない現実になるから。

そこまで来たら、謙虚でなくていい。
もっと望んでいい。欲張っていい。

自己欺瞞の上に期待しても、
自分を嫌いにしかなれないけれど、
現実逃避ができなければ、
未来に期待することは、自分への信頼。

やるしかない現実なら、
頼れるのは自分だけ。

やりたくないこともやるしかないし、
やると決めたら、案外、やれる。

たぶん、そういうこと。

 fumori 

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