詰将棋との付き合い方(2)トレーニング法

昨日の詰将棋との付き合い方(1)の続き。

多くの方が取り組んでいるであろう、トレーニングとして詰将棋に取り組む場合におススメしたい、私流の方法をお伝えします。
(3手詰が理解できるレベル以上の方向けの話です)

■5分間タイムトライアル

用意するもの
・詰将棋50問以上
・タイマー
・記録用メモ

方法
・タイマーを5分にセット
・詰将棋を解く
・時間内に何問解けたかをメモする

目標
・5分で50問以上解く!

取り組み方
トライした日にち、どの問題がどこまで解けたかをメモ。
「1/24 1手詰ハンドブック No.1-35」など。
これを繰り返します。
1日に何回やっても構いません。大事なのは時間を区切って取り組む。記録をつける。それを繰り返す。それだけ。(しかもたった5分!)

長く考え込んだ問題があったら、問題番号あたりにでも印をつけておくとよいでしょう。そこはゆっくり眺めて意識的に覚えるようにします。

5分で10問以下だったら
 ⇒あなたにとって問題が難しすぎます。もっとやさしい問題集を入手しましょう。

5分で20問程度だったら
⇒あなたにとってちょっと難し目の問題です。ちょっと考えてから答えを見るという読み方をして、詰み形を知ってから再度挑戦しましょう。

5分で30問以上だったら
⇒何度か同じ問題を繰り返している間にクリアできると思います。

5分で50問以上解けたら
⇒合格です!はじめの20問は飛ばして、次の50問へいきましょう。
※後ろの30問は次も継続です。

詰将棋を日常的なトレーニングとして取り組む場合は、ある程度サクサクと解けるものがレベルに合っています。
このタイムトライアルは筋トレのようなものです。ジムですぐに疲れちゃうような過度な負荷はかけないでしょう?何分も唸って解けない問題は、トレーニングとしては重過ぎるのです。筋肉じゃなくて頭を痛めるだけです。

私は5分で50問を推奨していますが、別に3分30問でも良いし、1分10問でも構いません。最初は短い時間で、だんだん伸ばしていっても良いでしょう。そのあたりはご自分の心地よい具合で。
1問6秒という時間はかなり短いです。配置を把握するのに1.2秒かかり、答えを思い出すのに数秒はかかると思います。目線を移動するのとページをめくるのに時間もかかるので、実質5秒以下でしょう。

上記で、「答えを思い出すのに」と書きました。ここ重要です。
この約5秒は詰み筋の確認作業であって、知らないことについて答えを導き出すために考えるのではありません。

最初に「詰み」という概念を覚えたとき。王手に対しての玉の逃げ道や応手をひとつひとつ調べて、どう応じても逃げられないことを確認します。
1手詰は基本的にそういう作業ですが、このタイムトライアルに取り組むにはある程度詰みの形を知っている(詰む手と詰まない手がわかる)方が対象です。
※詰んだ状態をみて、詰んでいるかどうか確認するのにしばらく時間がかかる方はこのトレーニングはまだ早いです。

で、繰り返しやって頭に形を叩き込む。
やるたびに解ける問題が増えていきます。
それを記録していると伸びている実感が湧くのがいいところ。
※もし伸びない日があったら、それはきっと体調不良や寝不足で、頭が回ってない日です。

本でやる場合は、1問目から始め、最初の50問をクリアしたら、20問目から、それをクリアしたら40問目から~。最後までいったら最初に戻って合計50問。
最終的にはどのページからスタートしても50問以上解けるようになります。
そこまでいったらその本は卒業!

アレンジ
1・時間を調整する (10分間でトライするなど)
2・〇問解くと決めてその時間を測る 
3・問題の順番を変える
4・躓きやすい問題を抽出して取り組む
などがあります。

1はランニングの距離を伸ばす感じですね。集中力が続くようであればどうぞ。
2は時間が定まらないのと、途中で解けない問題がでてきたときに行き詰まる可能性があるので、5分50問がクリアできてからやるのが良いでしょう。
3と4はちょっと準備が必要です。(これについては後日書きます)

将棋は対局以外に級の認定がほぼなくて、伸びている実感が湧きにくい。対人対局は相手によるところが大きいので、自分の中でのモチベーションを保つのが難しいものです。ちょうどいいライバルがいれば最高ですけれど、なかなかそうもいかないですよね。

この詰将棋タイムトライアルをぜひ習慣にしてください(^-^)
比べるのは他人ではなく、昨日の自分☆

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