ICH-E8

ICHガイドラインを読んだら、勉強のためにNoteにまとめてくれ、という知り合いからご要望(オーダー)をいただいたので、Noteにまとめました。

ICH-E8 000156372.pdf (pmda.go.jp)

<関連GL>
・ICH-M3:動物での薬理学的試験と毒性学的試験の目的と実施期間
・ICH-S6: バイオテクノロジー応用医薬品に対する薬理学的試験と毒性学的試験の目的と実施期間 →M3やS6は非臨床試験の実施に関するGL
・ICH-E6:PIやSponsorの被験者保護に対する責任 →E6は臨床試験の実施に関するGL

<開発全体>
・Phaseに縛られることなく、より後のPhaseで得られた試験結果から、薬物間相互作用試験、用量探索試験、非臨床試験が必要となることもある。
・既承認医薬品の効能追加のための開発において、PK試験や探索的試験はI相又はII相で実施される。

<I相>
・PK試験において、代謝・排泄障害を有する患者、高齢者、小児、女性、人種ごとのサブグループ解析を実施することがある。
・医薬品やエンドポイントによるが、PK/PD試験を実施することがあり、後の用法・用量設定に役立つことがある。

<II相>
・用量の漸増デザイン、並行用量反応デザインを用いて、用法・用量を設定することが主な目的。
・より後のPhaseにおけるエンドポイント、治療方法、対象患者(選択基準/除外基準)を評価することも目的の一つ。

<III相>
・対照薬の設定、より大規模な患者集団、用量-反応関係をさらに探索するなどの目的がある。

<IV相>
・市販後調査を除く、医薬品承認後に実施されるすべての試験を指す。

<試験デザイン>
・デザインとしては、並行群間試験、クロスオーバー試験、要因試験、漸増法試験、固定用量反応試験などがある。
・Primary/Secondary endpointsの設定に加えて、臨床所見、症状、臨床検査値上の変動をモニターする方法(有害事象の検知)も記載されている必要がある。

<被験者の選択>
・初期段階の試験では患者を限定し、開発段階が進むにつれて被験者集団のスコープを広げていくべき。

<被験者数>
・疾患、試験の目的、エンドポイントに左右される。

<反応変数>
・Endpointは、PKパラメーター、PD評価指標、有効性・安全性に関する医薬品の効果を評価するために選択される反応指数。
・Endpointとその解析方法はプロトコルに予め定めておく必要がある。
・Surrogate endpointsは適切な場合には、Primary endpointsとして用いることができる。

☆感想
ICH-E8を読んで、1医療機関あたりの症例数の記載がないことが意外でしたが、国際的には1医療機関において1群10例以上とするべきという考え方があるようです。

☆QA
phase3の症例数を抑える工夫はどのような工夫が考えられますか? 例えば、phase2である程度症例を集めて安全性意外のデータもある程度収集するなどでしょうか?

2b/3のシームレスデザインの試験デザインを検討する、2bで至適用量を明らかにしてIII相で複数用量の群を設定しないようにする(機構と合意しとく)、検出力をギリギリに設定することを思いつきまし...

2試験同じ試験を実施するデザインも多く、もう少し症例数抑えられたらいいのに〜って思ってます。そもそも日本が症例単価高過ぎます…

症例単価が日本と海外で違うという視点はなく非常に勉強になりました。やはり各国の規制が異なること、医療環境の違いやPIへのトレーニングの有無や内容の違いによって、治験に組み入れる患者さんにかかるコストが異なるのですかね...

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