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窓クイズ【第10回】作れないドア

【問題】

上枠が斜めの2つのドア。製作できないのはどちらでしょうか?

選択肢

A.戸先が鈍角、戸尻が鋭角 のドア
B.戸先が鋭角、戸尻が鈍角 のドア





【解答】

製作できないのは『 A 』のドア
Aを選んだ方は❤お願いします!

ただし、扉を一部加工するなら製作可能。

木製ドア、鋼製ドアは可能。

アルミ製ドア、樹脂製ドアは製作不可。

また、ドアクローザーは付けられません。

『B』は問題無く製作できます。

【解説】

Aのドアを真正面から見た簡略図です。

一番右、枠と扉の角が干渉します。

干渉を解消するには扉のピンク部をカットする必要があります。

そのため加工の自由が効く木製ドアやSDなら製作可能です。

ただ、枠と扉に隙間が開き、気密性はなくなります。気密性を確保するには枠形状も変更する必要があります。

アルミ製は形材を切り欠くことになり、縦框と上框の接合部の強度の問題で難しいでしょう。

切欠のサイズによっては、組立ビスが取り付けられない場合もあります。

また、アルミは形材のため、枠形状は変えれないので気密性・水密性は無くなります。

樹脂製ドアは製作不可です。

補足、Q&Aなど

補足①ドアクローザー(DC)は付くのか?
Aのドアは取付不可です。DC本体がガラス部分にかかっているため取付できません。また、ドア上枠とDCアームも連結できません。
Bのドアは、ぎりぎり出来る可能性があります。扉の上框とDC本体は取付できそうですし、ドア上枠とDCアームもふかし金物をオーダーで製作すれば連結できそうです。ただし、扉の重量や強度など検討は必要です。自閉装置が必要な場合は、オートヒンジとすることをオススメします。

ドアクローザー配置検討図とドアクローザー可動時のイメージ

Q.樹脂製ドアはなぜ製作できないですか?
A.そもそも、樹脂製は外部で使用します。もし製作できたとしても、気密性の無いドアを外部で使うことはないでしょう。また、樹脂製は住宅サッシに多く、SDやADのようなオーダー対応ができない場合がほとんどです。メーカーのシステム上出来ないと考えてよいでしょう

Q.アルミサッシは扉を切欠くと気密が取れないとの事ですが、追加でゴムを付けてもダメですか?角度次第ですか?
A.実際は気密は取れると思います。但し(このケースに限らずですが)製品的には気密ゴムが関係する部分をカットしたり付け足したりすると仕様書の記載は『性能無し』や『保証対象外』になるという意味です。
例えばよくある事例で、サッシのH寸法がカタログ範囲を超えた時に、St補強を入れて方立を強化します。この場合は、耐風圧性能を確認すれば良いので強度計算を行えばOK。
ただ水密や気密は話が別で、試験による性能の測定が必要です。標準外の加工を加えた製品の性能は手計算レベルでは確認が出来ないという事です。何百万もかけて性能試験が出来る物件は現実では無いと思いますから

Q.上枠と扉のクリアが広ければ干渉しないと思うが、どう判断しますか?
A.下図は、扉に加工が無い場合の軌跡図です。丁番を中心に扉は回転しますので、かなり干渉することがわかります。図だとクリアは5mmですが、クリア25mm程度取る必要あるため現実的ではないでしょう。


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