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ケ・セラ・セラ 〜なるようになる〜

19歳から10年間出町柳のバッグの製造メーカーに勤めていた。

会社の近くに叔母の家があり、仕事が遅くなった時は遠い家まで帰るのが面倒で、よく叔母のところに泊まっていた。

叔母は母の姉で母とは18も歳が離れていた。祖母は早くに他界していたので、私にとっては叔母が祖母のような存在で大好きな人だった。

叔母の家に泊まったある日、会社で嫌なことがあり明日は会社を休みたいなぁと思ってた日があった。

朝起きてもやっぱり憂鬱で憂鬱で「あーぁ行きたくないなぁー」と叔母に嘆くと、
「ケセラセラ〜大丈夫大丈夫、なるようになるわ!早よ行っといでー!」とお尻を叩かれた。

ケセラセラは、叔母の口からよく聞く言葉で、折に触れ妹である母にもよく言っていたことを覚えている。

不思議と叔母にそう言われると、勇気がわいて元気が出るような気がした。

叔母が亡くなって、そろそろ30年が経つ。

今振り返ると、本当に人生はなるようになってきた。どんな時も。たくさんの壁もなんとか乗り越えてこれている。

人生は酸いも甘いも辛いも苦いもぜーんぶのことを誰しもが味わう。

あの頃の叔母は確か70代前半。
夫を早くに亡くし、若くして未亡人になった叔母。

叔母の口からどんな人生を歩んできたのかを聞いたことはないけれど、幼くして最初の子どもを亡くし、その後に出来た二人の子どもを女で一つで育てたことも、渦中の時にはきっと叔母も、そりゃあ図り知れず大変な思いをしてきたのだろうと思う。

でも歳を重ねて人生の終盤、ふり返ってみたらそのどれもが「ケセラセラ」になっていたのだろう。

まだ叔母の歳には少し若いけれど、私もきっと未来の孫が悩んでいたら言ってあげる。

ケセラセラなるようになるから
大丈夫大丈夫!って。


人生の逆境はどうやって乗り越えましたか?

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