日記 6月26日

 トップガンマーヴェリックを見てきた。トムの顔がすっかりおじいちゃんの域に入り、ナイト&デイの頃の、精神と肉体の年齢が噛み合っていないような無理感がなくなっていて、いいと思った。映画は続編として完璧という前評判の通りだった。完璧すぎて、言うことがない。面白いのは面白い。

 その後、スーパー銭湯へ行く。脱衣所のクーラーが強めにかかっており、それだけで満足感があった。時間を置いて、二度、風呂に入ったが、時間によって温度が変わるのか、夕方ごろに入った方が湯が熱かった。日ハム対ソフトバンク戦を眺めながら、コーヒー牛乳を飲む。延長10回の裏、逆転のランナーがいる場面、ツーアウト。結末を見ることなく、帰る。今日は鎌倉殿の日。

 頼朝が死んだ。佐殿が亡くなられた。

 昨日は朝焼けを見るため風車の丘まで上がろうと、夜中の三時に家を出た。取り換え工事のため、道は封鎖中だった。丘は上へのぼればのぼるほど、雲は厚くなり、風は激しくなった。苦し紛れに車から出ると、横殴りの雨に降りつけられ、一瞬でズボンが湿っぽくなる。写真を取ろうと翳したスマホに水滴がつき、二三枚撮って、すぐに車に戻った。結局、朝焼けを見ることはできず、帰り道、夏の日差し、というほかないじりじりとした熱射を横顔に受けつつ、家に帰り、寝た。部屋のカーテンは夏晴れの日差しを受けて、オレンジに輝いていた。

 休日は黄泉への旅路と思う。
 やがて平日へ戻る。休日に生きている自分と平日に生きている自分が、ひどく別たれているように感じていたのは三か月前のことだったはずなのに、それも薄れてきている。
 けれど、戻っていくときの寂寥感はいまだあり、私という仮構が日常へと寄っていくのを、あるいは、仮構の私を想定できなくなっていく変化を、加齢というのかもしれない。

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