日記 3月30日

 有休も明日で終わり。今日は職場へ保険証等を返しに行ってきた。通勤路の桜並木が満開で、光を受けてきらきらと透き通っていたのが印象的だった。その並木は別の坂道から眺めることも出来て、帰り道、額に汗をかきながら坂道を上っていると、視界の端にそれが見えて、すっかり春なのだなあと思った。

 「ことばと新人賞」に出す小説を書き始めた。昨日の試作を書いて思ったことだが、明晰な文章を書きたくないなと思った。ここで言う明晰と言うのは、自分が理解していることをだらだらと書き連ねることで、換言すれば、よく分からないものを分からないなりに書いていく文章にしたいなということ。いま「プレーンソング」を読んでいて、保坂和志さんが言っている小説というものの考え方が何となく分かってきた気がする。自分が感じたことを、なぜそう感じたのかと注釈をつけていくようなイメージで今のところは書いている。すこし「プレーンソング」に引っ張られすぎているところもあるので、要注意。
 ひとまずは間に合わせることが最優先になると思う。

 ところで、偶然を運命だとは勘違いしたくない。というか、ぼくは偶然は運命だと思っているのだけど。
 何が言いたいかというと、歯に物が詰まったような物言いをしているときは、大抵話したくない話題を無理にしようとしているということ。
 端的に言うと、シンクロニシティが起こって、情緒がぐちゃぐちゃになった。はっきり言って、それは偶然以外の何物でもないのだけれど、ぼくは他人への期待値が高いので、その偶然が恣意性を持っているように感じてしまう。だから、偶然を運命だと思っている、ということになる。

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