2021年の反省と、今年の抱負

 インプットの記事ははてなブログ、アウトプットはnoteと、意味があるんだかないんだか分からない分け方をしています。なので、こちらは書いた小説について、反省会をします。

 今年、大きい出来事から行くと、阿波しらさぎ文学賞の徳島文学協会賞をいただけたのが、まず一番の出来事でした。インタビューやズームでの授賞式参加など初めてのことばかりで、一月ぐらい、忙しかった(というより、目が回る(?)みたいな感覚だった)思い出です。
 作品に関していえば、その時読んでいた保坂和志さんの「書きあぐねている人のための小説入門」に書かれているように書いたので、技術的にはそちらを読んでもらえれば、と思います。初めの方から書くとか、実感を書くみたいな感じでした。
 自分の感覚としては、書いているうちに、ああなっていったので、作家がよく口にする「小説が立ち上がる」というのはこういう感覚だったのか、と思いました。書いてある内容は、自分が実感している徳島に関することで、書いているときに考えていたのは、徳島ってよく知らないな、でも空と電車は繋がってるかあ、みたいなことでした。書いた後には、テーマの徳島って俳句の季語みたいだな、とか。
 一方で、その後のBFCに出した作品にも共通するんですが、短編の切れ味みたいなものを出すのが苦手だな、と思いました。仕掛けを作って、それが効果的に機能するような書き方ができないな、と。前の方からだらだらと書いていくやり方しか、まだできない。どんでん返し、習得したいですねえ。

 というわけで、次はBFCの話題でも。
 投稿した作品はユーミンの「中央フリーウェイ」オマージュでした。前に書いた作品のリメイクでもあります。そして、調べて分かったことですが、中央道の入り口と第三京浜の入り口を勘違いしていました。
 閑話休題。落選作、全作感想されていた方に言及いただいて、割と高評価だったのがうれしかったです。作り方としては、阿波しらさぎの時と同じになるように取り組みました。意識的に、阿波しらさぎでやったことをできるようにしたいなと思ったからです。完全に縮小再生産になりましたが。
 まあ、それと本戦出場作品を読むと分かるんですけど、まだまだだなあ、と思いました。これじゃダメなんだよな、と投稿する前から思っていたんですが、案の定でした。悔しいのと嫉妬で、第二回戦から読めてないです。一回戦もさらっと読んで、置いてあります(悔しいと思うってことは、自分でもやれると思ってるってことなんだよな……と自分に半ば呆れたりもしました)。

 時系列的に次は、群像に出した小説なんですけど、まだ審査中でもあるので、いったん阿波しらさぎ以前に戻ろうと思います。
 旧年の一発目は、締め切りを間違えて、創元SF短編賞に出せなかったやつでした。出来もよくないので、いいんですけど……。
 SF的設定を作れないのが一点。作れても、それをドラマツルギーに昇華できないのが一点。話づくりがへたくそということです。設定の粗も多いし、この作者何も考えてないな、というのが透けて見える小説になってます。

 次、百合文芸3に出した小説ですね。これは割とお気に入りです。ラストの「寂しい」がけっこう利いてるんじゃないかな(わさびやからし並みの感想)。でも、百合文芸が求めてるような作風ではないと思います。小学校の卒業シーズンに、炭酸ガスの入浴剤でロケットを作って、校庭で遊んだのを覚えています。あまった授業の穴埋めでした。

 次、さなコン、かぐやSF、異常論文公募のダメダメ三連星です。異常論文については完成させられず、応募も出来てないです。SFって何? みたいなことをずっと考えてました。そんなこと考えだすと、小説もうまく書けなくなります。もちろん、○○って何? と思いながらいろいろ小説を書くんですけど、考える手掛かりがないうちにそんなことを考えるのは良くない、ということです。
 確かこの時は、SF第七世代と異常論文特集のSFマガジンを読んで、特に大滝瓶太さんの「花ざかりの方程式」に影響を受けて、モノローグ重視の書き方を試した記憶です。それと、冒頭に課題を設定して、中終盤にかけて、問題を展開、解決するという構造も意識したんですけど、自分には無理でした。もうちょっと勉強します(やり方だけ真似ても、意味ないぞ☆)。

 それが終わってからは二次創作タイムでした。
 相互さんの誕生月から始まったみずさよフィーバーの波に乗って、色々書いてました。それ以前にも、一万文字くらいのを二つ書いたり、趣味の小説と仕事にしたい小説の二つありますけど、今年は前者が多かった気がします。まあ2020年は、六万文字のやつ書いたんですけど。

 で、群像新人文学賞に出したやつですけど、自分が実際に知っている場所を出すと小説が書きやすいことに気付いたので、実際の土地をモデルにしました。固有名詞はなるべく出さないことにこだわってたんですけど、解禁してみました。実在の事件についても書いたつもりです。その辺り、自分は禁忌感が薄くて、あくまでフィクションだから、と考えてしまうのですけど、現実をフィクションに持ち込むときの姿勢って、どういうのが好ましいかな、とか考えました。私小説をどう読むかという点が、ちょっと話題になった年でしたね(批評をどう受け止めるのか・付き合っていくのかという時代精神を反映した問題でもあると思います)。



 旧年の目標。noteに途中まで下書きして、記事にはしてないのですけど、たしか長編を書きたいということを毎年のように言っています。2021年もその目標は達成できなかったわけで、もう少し具体化して、今年の目標に改めて据えたいと思います。
 あとは、書き損ねた文章データが2021年は多かったので、書き損じをどう考えていくのか(書き始めたけどやっぱりやめるという選択はありだと思いますけど、そればかりしているのではさすがに良くないと思うので、プロットとか事前準備の精査が必要かな、と)も問題ですね。

 そんなわけで、今年も長編を目標に頑張ります。BFC4もあれば、本戦出場、目指したいです。
 細かい目標はまた今度、考えます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?