Switch を買って少し経った(3) グノーシアの感想

日記です。Switch のゲーム、「グノーシア」を本日エンディングまで到達したので感想です。本編に関わるネタバレはほぼありません。


グノーシア Switch 版公式サイト |https://globule.info/gnosia/

このゲームは昨年PS Vita にて発売されていたものが今年4月にSwitch 移植となった作品で、ジャンルは「SF人狼系シミュレーションアドベンチャー」(※公式サイトより)。様々な出自のキャラクターが乗り合わせる閉鎖された宇宙船内で、誰が敵対的な生物である「グノーシア」として潜伏して化けているのかを話し合いによって炙り出していく…というストーリー。

しかしその過程を経て「グノーシア」を排除できれば終わりかというともちろんそんなことはなく、主人公、そしてキャラクターの一人である「セツ」は話し合いが始まる前の時間に記憶を保ったまま戻されるという事態に巻き込まれることになります。

なぜこのような事態が起きているのか、この事態から抜け出すにはどうすればいいのか…ループするたびに話し合う顔ぶれや誰が「グノーシア」かといった配役まで変わる中、二人は時には手を携え、時には敵対する立場となりながら何周も話し合いに参加し真実に近づこうとするのです。


本来短時間で終わる人狼ゲームと、長くシナリオを読ませるSFアドベンチャーを融合させる試みが上手くハマっていて非常に感心させられました。また、人狼ゲームが苦手だったとしても経験値を蓄積して「カリスマ」「ロジック」「直感」などの能力値を上昇させることで、自分が議論を有利に進めるためのコマンドを獲得したり情報を得やすくなる…などのデジタルゲームならではのサポートがなされている点もポイント。

たとえば「直感」のスキルを高めておくことで、他のキャラクターの発言の中にウソがあった場合一定確率でエフェクトがかかってウソだと見抜くことができるようになります。ただし、この能力で得た情報そのもので相手に「君は信用できない」と指摘するのは根拠が不足しているため議論の場を誘導できないどころか、「不自然な発言をしている」と周囲のキャラからの好感度が下がり疑われやすくなる…などバランスの妙を感じることができます。

「ウルトラセブン」でモロボシ・ダンが度々透視能力や宇宙人としての知識を使って、敵の宇宙人の偽装を見破ったり情報を入手したりしても、それをそのままウルトラ警備隊に報告しても「どうやってその情報を手に入れたんだ」と疑われてしまうのと同じことですね(ビラ星人の回や「ウルトラ警備隊 西へ」など)。

…?

また、この「グノーシア」というゲームには14人キャラが登場しプレイヤーを含めて最大15人で議論を戦わせることになるわけですが、それぞれの配役や状況に応じたテキストが細かく用意されている上に、議論の外のアドベンチャーパートでも好感度に応じて台詞や発生するイベントが変わってくるため、ボリュームが想像以上に多くそこから描かれるキャラクター像もそれぞれ魅力的でしたね。


まだ一回エンディングに到達しただけで拾い切れてないテキストやイベントもありそうなのでまったりやって行こうと思いますが、とにかく手軽に人狼がSFテイストでできるというのが小気味よいというバランスもありまだまだ気づくと手を伸ばしてプレイに興じちゃう中毒性は健在のようです。

好みが分かれるかもしれないややクセのあるイラストと、人狼が得意な人にはもしかしたらNPCの挙動がおかしく感じる時もあるかもしれないなあ…などの欠点たり得そうな箇所はありますが、価格がお手頃なのもあって人に勧めてもいいなあと思えるゲームでした。


SF人狼アドベンチャー『グノーシア』は、「開発者が147柱の神々に業務委託をする」ことで傑作になった――プチデポット・しごと氏インタビュー @IGNJapan https://jp.ign.com/gnosia/43610/interview/sf147

余談ですが上掲の開発者インタビューは表題からも分かる通りなかなかとっかかりを探すのが容易でない難解なものでインタビュアーの方も理解を放棄してる部分があるのが印象的。

このゲーム、エンディングのスタッフロールがめちゃくちゃ短いことにびっくりするんですけど、インタビューを色々読んだり座談会などを閲覧すると朧気ながらその雰囲気を醸成する環境の存在に納得できたりします。やべえ蓋を開けちゃった感じ。

そんな感じで、今日は触れたゲームの軽い紹介でした。それでは今日はこの辺で、Ate logo‼︎

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