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どうしようもない別れ

小学校、中学校と
だいたい田舎では住んでいる地域によって勝手に入学するところが決まっている。
高校は自分である程度選べるものだ
学力、部活、進学状況、就職状況などなど
我が家では息子は(あの監督の下で野球がしたい)との希望で現在の高校に入学を決めた。
しがない田舎の公立高校だ(実業高校)
息子は私立高校に入るために中学1年から硬式野球のボーイズリーグに入った。このチームがこれまた大変なチームで親も子も疲弊し私は息子が野球を辞めてしまうかもな…と思っていた。
チームはほぼ私立高校に進学へ押し込む形が普通であった。

中学3年の夏
息子が(〇〇高校に行きたい)と言ってきた。え?〇〇?
それを聞いた時、脱力した
だったらクラブチームではなく部活で良かったんじゃない?あんなに辛いチームでなくても良かったじゃない?と

そもそもその高校への進学実績はチームからはもちろん無し
しがない公立高校なんて相手にもしない
コネもなんも無し
途方に暮れた時少年野球の時のOBから連絡が入った
(どこに進学希望なの?)と
OBは息子の希望している高校の野球部のOBであった。
〇〇高校に行きたいらしいと伝えるとなんとその事を監督に伝えてくれ監督が大会の時訪ねて来てくれた。
その時監督はクラブチームの横柄な若い監督に頭を下げ(うちの高校にぜひ)と言ってくれたそうだ
息子にその若い横柄監督がバカにした物言いで
(お前、あの高校で良いのかよ)と言ったと聞いた。息子は(あの高校が良いです)と答えた
その時、息子は本当に嬉しかったそうだ

月日が流れ息子は希望の高校に入学
野球部に入った。

一年毎、息子の心の成長を感じる
そして彼は大学進学まで目指すようになった。成績も学年で1桁台を取るようにもなっていて評定は4.5程度はクリアした。これには私もびっくりだ
試験勉強もする。成績を落とさない
中学時代からは考えられない

うちの野球部は野球だけのことではなく人としてどう生きるかなど野球以外の人間性にとても重きを置いている
だから野球の上手い下手で扱いを変えずとにかく人として成長をして欲しいという思いが強い
それが子供達を伸ばしているのが親として見て取れる
それが監督の指導だった。

先日11年勤めた監督の移動が発表された
親も子も泣いて泣いて泣いた
県立高なので移動はつきものだし
理解はしているが心の整理もつかない

先日の練習試合
親に対して先生から早めの挨拶があった。春休み中だし年度末はなかなか顔を合わせられないからとの事で

監督は(人間的に成長してくれて嬉しい)と泣いていた
それを見てまた私も泣いた
感謝という言葉では伝えきれないし
世の中にこんな先生が居るんだ…とか

高校でこんな経験ができるなんて
ホント羨ましいとさえ思った

今週末私は監督に花束を作る
どうぞ素敵なものとなれば良い



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