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SAPIXの2019年度入試報告会に行ってきた

今年もSAPIXの2019年度入試報告会に行ってきた。昨年ははじめての出席だったので目から鱗な話もあったけど、この1年間でいわゆる中学受験界の常識や出題傾向がわかってきたせいか、そこまで刺激を受ける内容ではなかった。個々の学校でイレギュラーはありつつも、全体概況はさほど変わっていない様子。

今年の特長としては、
WEB出願の導入が増加し、前日まで出願できる学校が増えた。受験パターンが調整しやすい一方、いたずらに受験校が増えてしまう側面も。

また、SAPIX生の平均出願校は7.82校、実際は5.6校を受験。2月1日の午後受験は4割程度が受験したとのこと。

附属校人気、都心の共学校人気は衰えず。渋渋はミスを許さない高得点勝負、広尾と三田国際は落ち着きを見せ始めた、という評価だった。

ほか、4科目の傾向と、それをふまえての対策は以下。


算数
標準問題にひねりを加えた問題が増加。
1)問題文が長い、図が多い、長大な問題。できている図から求積するだけでは不十分で、手を動かして作図することが求められる
2)一定の条件下で最適な答えを考えさせる問題
3)立体図形のバリエーションが増加
⇒表面的な理解ではなく、本質的に使いこなせる理解がないと厳しい。「理解したつもり」にさせず、楽をせずに糸口を見つける練習を積むこと。また知識を運用する力が必要。

国語
1)原点回帰。開成では昨年のようなグラフの問題は出ず通常の物語文。麻布も従来のエキセントリックな主人公の設定ではなく、武蔵・雙葉も10年前に良く見られた詩が登場。
2)最新の出版物からの出題。2017年度までの出版物が出題の50%を占める。「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」が複数の学校で出題。
3)現代を批判する説明文、他者の視点から訴えたもの。現代社会を当たり前に享受せず、批判的視点を持てというメッセージ。
4)記述問題の深化。問題文に書いていないことまで、想像させて書く。
⇒TV、ネット、本、会話など、子どもが得意なチャネルから、語彙・情報をインプットする。また、最後まで逃げずに立ち向かう力が必要。

理科
意欲的な出題(解いていて手が止まる、あまり見たことがない問題)が増加
1)グラフや図から読み取る問題(分野問わず)
2)典型題で難易度UP
3)小学生の知識範囲を超えた問題
⇒典型題で得点を落とさない、弱点を作らない。データの読み取りの重視。普段の演習で、初見の問題はチャンスだと思ってあきらめないこと、向き合うこと。

社会
1)語句を知っているだけでなく、人に伝わるように説明できる
2)知識を繋げる、活用する力
3)身の回りのことを「当たり前」だと流してしまわない姿勢
4)小学生に安住しない姿勢
5)頻出トピックとしては「18歳成人」「男女平等」「災害(理科との横断)」「官制・多様性」など
⇒親子で会話し、「なぜ?」をぶつけ合う。大人が問いかけることで思考が深まる。

これらの学習姿勢は一朝一夕に身につかないので、幼少の頃から身の回りのあらゆる事象への関心を深める種まきが大事だなと改めて。これこそが家庭教育で差がつく部分かと思いながら、会場を後にした。

#中学受験

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