TRPGコンベンションの開催運営方法の書き起こし④

前回はスタッフの話をしましたが、今回は同じヒトの話でもGMの話をしましょう。

4.ヒトの話~GM編

コンベンションを開催する上でやはりGMも大事なヒトです。

GMの人数が確定していないと何卓用意して良いかが分かりません。

何卓用意して良いかがわからないと何人PLを呼べば良いかが分かりません。

何人PLを呼べばいいかわからないと参加費をいくらにして良いかが分かりません。

と、いうことで大事なGMの集め方について解説しましょう。

・友人知人にGMを頼む

<メリット>

どんなGMか分かっていると言うことで、PLへの応対の仕方、システムやシナリオの選び方や作成方法の癖、タイムコントロールの上手下手など、コンベンションGMをお願いして大丈夫な人かが分かっているため安心です。

また、テーマ性のあるコンベンション(システムオンリー、シナリオオンリー、その他のテーマあり)の際にも、指定の内容を守れる人に直接GMをお願いできるのでテーマを守ることがしやすくなります。

<デメリット>

友人の数は有限ですよね(真剣)

コンベンションをする上で最低卓数は3~4卓ではないかと私は考えていますが、TRPG自体を初めて間もないとGMをお願いできる友人が4人も集められない事があるでしょう。辛いです。

また、5~10卓の規模でコンベンションしようとすると、友人GMだけででは足りなくなるので困ることになります。

・一般募集をする

<メリット>

友人の数は有限ですので、足りない人数分をTwitterや募集サイト作成などで集められるとコンベンション開催が可能になります。

また、直接お願いできるほど親しくはないけどGMして貰いたかった人に告知や募集サイトを見せて「もしよろしければ参加していただけませんか?」と遠まわしに一般募集枠に入って貰う裏技も可能になります。交渉力の見せ所です。

<デメリット>

知らない人がGMをする以上、何があるか分からないと覚悟することが大事です。多少コミュニケーションのとったことのある知人ならばまだ良いですが、全く知らない人であればドタキャン、遅刻、卓でのPLからの苦情、時間内に終わらない等などどんなトラブルが起きるか分かりません。

その人が悪いGMであると決めつけるのは良くないことですが、主催者側は参加者側への気遣いが必要となるので無駄なトラブルを避けるために事前調査としっかりとした上で、当日の覚悟はしておきましょう。

また、募集しても人数が集まりきらないことがあります。応募したいと思わせる何かがGM側に伝わらなければ起こりえますのでいざとなれば規模縮小の覚悟が必要です。


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このようにそれぞれメリット・デメリットがありますが、では友人知人GMと一般募集GMの割合はどれぐらいでどう影響があるのか解説しましょう。

・すべて友人知人に頼む

友人知人GMさえ多ければ何人規模でも可能です。事実、大型コンベンションでGMは主催側の知り合いばかりだった事もあります。

ただ実際は小規模から中規模程度(3~8卓)ぐらいまでが友人知人GM数を考えても現実的でしょう。

また、テーマ性のあるコンベンションではこの割合が一番向いています。

唯一の欠点は同じGMで何度もコンベンションをしているとマンネリ化を起こす事です。それでも問題ないGMばかりなら気にしなくても良いでしょう。

・大半を友人知人に頼んで、一部を一般募集をする

どうしてもGM人数が足りないならば少数を一般募集するのが一番です。そしてこの少数募集の良いところは知り合いの知り合いGMの募集が来やすいこと。

つまり、結局友人知人GMのみで開催できるということ。

実際「完全に知らないGM」はこの少数のみの一般募集では応募してこないです。余所者感出してまで行きたくない、と尻込みする事が多いでしょうし。

ですので若干ずるい方法ですが少数募集で知り合いの知り合いを釣るのはアリです。大人はずるいのです。

・一部を友人知人に頼んで、大半を一般募集する

5〜12卓規模ぐらいならばこれが一番安定してGMを集めれるでしょう。友人GMは2〜3人であとは一般募集すれば良いので、Twitterなどで拡散されれば人は集まります。

ただ、こちらの場合は募集しても集まりきらないことがあります。たとえば3人を友人知人、7人を一般募集GMにしようとして5人までしか応募が来ないとかよくある話です。

この辺は告知や勧誘などの「広報力」が問われてきます。この辺の広報の仕方もその内解説したいと考えてます。

・すべて一般募集する

友人いなくても大丈夫!(本気)

全てを一般募集の際は誰もコンベンションに応募してこない恐怖と戦う必要があります。実際は半数ぐらいまでは応募がすぐ来て残りがジワジワ埋まっていくという感じになりがちですが。

小規模から中規模コンベンションまで幅広く対応できますが20卓以上の大規模コンベンションだとデメリットが強く作用しすぎるので、逆に向いてないです。大規模コンベンションは友人知人GMの数が命です、本当に。


全部のまとめ

友人知人GMを呼べば安心とマンネリの憂き目を、一般募集GMを呼ぶなら人数補強とトラブルや人員不足などのメリットデメリットを抱えるということとなります。

地域によっても差はありますが、現在定例化しているコンベンションはGM兼任スタッフは1〜3人にして、他は一般募集をしているところが多いです。

これは分かりやすい理由として「初めて来る人は大体GMしないため、人となりがわかっている」「トラブルなど起きても大丈夫なように対策や対応方法が確立されている」「トラブルを起こしたGMはすでに出禁になっている」「一般募集のふりをした知人の集まりである」などがあります。

あくまでもこれは定例化しているコンベンションの蓄積ですので、初めてのコンベンションならば友人知人にGMを頼むのが最適です。

友達少ないよ!という場合は友達増やすためにいろんなコンベンションに遊びに行くのもオススメですよ。オンセでGMしてもコンベンションではGMしない人も多いので。コンベンションを開催したいのならばコンベンションに行って友人GMをGETが一番確実です。


さて、次回はPL募集のために決めておかねばならない事をアレコレ解説しようかな。ではまた。




オマケ

以前私がTwitterでつぶやいた「TRPGコンベンションで完璧なGMとなるために必要な能力」の話でも。

◎ゲーマー(ゲームの把握感覚、もしくはシステム運用能力)

◎クリエイター(シナリオを生み出し、時には作り変える能力)

◎キュレーション(必要な情報の収集とその提示能力)

◎マーケティング(コンベンションなどで卓を立てる前に需要と供給を見極める能力)

◎セールスマン(自分の卓を選んでもらえるように売り込む能力)

◎ディレクター(卓を円滑に運用するための能力)

◎エンターティナー(RPするための能力)

◎リスクマネージャー(セッション中に起こりうる様々なトラブルを未然に防ぐ能力)

◎ネゴシエーター(複数人の意見を適宜にまとめる能力)

*PDCAサイクルができるか
*褒め上手であるか

読んでみると分かりますが、かなりの無茶ぶりですね。実際は全部を求める必要はないですし、こんな人は探すのも大変です。

でもコンベンションGMに向いている人を見分ける時に使える項目がありまして、それが

◎ディレクター(卓を円滑に運用するための能力)

◎リスクマネージャー(セッション中に起こりうる様々なトラブルを未然に防ぐ能力)

この2つ。

具体的には「時間管理とPC/PLコミュニケーションを円滑にするディレクター的能力」「PC/PLのやりたいことを反発させないようにして揉めないように不満がたまらないように卓を進めれるリスクマネジメント的能力」ですね。

もっと簡単に言うと「ニコニコ楽しく時間を守って卓をするGM」のことです。

こんなGMを見つけたら是非お友達になっておきましょう。

サポート欄があることに気付いた(2019/3/9)ので設定入れておきました。もしサポートあれば猫の餌かオヤツ代にします。