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わたしにも好きなものぐらいあるよ

さっきまでは風が強く吹いていた気がしたけど。雨が降って来たなと思ったら、急に強まった。風も止んでいないな。外にいる人は大丈夫だろうか。
湿り気のあることを考えている。カーテンを開けてはいないが、部屋を暗くしたりはしない。昨日は気持ちよい暖かさで、換気をよくし、布団を整えた。部屋を片付けるのはあまり得意とは言えないが、気が向いた時だけでも布団を整えておくようにしている。風通しがいいのが好きだ。
雨音が好きだ。
でも今は「雨音」と呼べるような穏やかな雰囲気ではない音がしている。強風の日も、かえって息が詰まる。何事もほどほどがいい、とは言わない。強すぎる雨も風も日照りも、「何かの必要がある」のに違いない。

言ってもいいだろうか。
何というつもりでもないことを話す時でもすぐに躊躇いにぶつかる。
何というつもりでもないことだからだろうか。強い意志で話す時は、言葉に迷わず伝えられるだろうか。

伝わる。
何をそんなに伝えたいというのか。何だっていい。「雨すごいね」と言って相手が「気付いてなかった、外を見てみよう」と思ってくれれば、口にしてよかったと思う。そんなぐらいのことだ。言っていいだろうか。今で大丈夫だろうか。この人は大丈夫な人だろうか。

同じ気持ちになりたい。言葉は同じじゃなくていい。「雨だねえ」っていう、それだけでいいんだよ。
雨だからどうとか、そこから感じることも同じじゃなくたっていい。あなたは雨降りが嫌いでもいい。わたしが雨を嫌わないことを、あなたが良く思わなくても構わない。
ただ、雨が降っているね、っていうそれだけが同じであることを、同じときを、わずかでいいから、認識すること。
同じじゃなくていい。全部同じである必要はなんにもないよ。
雨だねえ。
それだけでいい。離れたところにいる人が、「こっちは晴れてるよ」って言うんでもいいよ。今、空を見た、外の音を聴いた、それだけ同じならいい。同じなのはそれだけでいい。それだけでわたしは話し出せる。
話し出す時はいつも怖い。だけど全然、消せない怖さなんかじゃないと分かってる。きっとあなたに伝わることをわたしは話せると、信じるしかない。

浴びせるような話し方をしてしまう。筋道立てて話すより、頭に浮かんだことをなるべく取り出して受け取ってもらうほうが伝わると思う。どこに反応するかはその人の感じ方でいい思う、感じてもらわないと何にもならない、わたしがどうしても言いたいことは別にないんだよ。わたしが言いたいことは、わたし「に」言いたいことだと思うから、別に言葉にできなくていいんだ。
でもひとに伝えようとして、すっかり「自分が言いたかったこと」が言えた時はたまらなく気持ちいい。それだけじゃあひとりよがりなことだ。話した相手に「わたしもよく分かったよ」と言ってもらえたらこれはすごいことなんだと思う。可能ならすべての関係においてそうありたい。
よく伝わること。よく伝えられること。伝わるまでわたしはがんばるから。
伝えたいことって、伝えてみるまで、これが伝えたかったんだと分からないことも少なくないんだよ。

わたしは、この「何だか分からない伝えたいこと」に向き合って生きていきたいんだと思います。
伝わるべきことは、わたしの中にも、あなたの中にもあるんだと思うんです。

何もないところから始めたことも少しは変化したかなあ、まだ何もないままかなあ。わたしは今もたくさんのことがこわい。だけど、やっぱり、こわいままでいいよ。こわくなくならなくていいって思うよ。
たった一人で生きていこうとするわたしと、全ての人と優しく関わりあいたいわたしは、どちらも確かにわたしの中にあるんだよ。欲張りなのかなと思うけど。本当は、どんな自分を失ったって困りはしないんだと思う。だけど、できることなら、全部を連れて行きたいんだよ。今あなたに何か伝えられるかもしれないことを、わたしは期待し続けることを止められないんだよ。
期待しすぎと思わない。
きっとわたしにはできるし、「あなたはいる」。

「あなたはいるんだと思っていい」ことと、よく伝わること、「会えて良かった」と互いに思えることが、わたしには本当に大事だと思う。
「あなたがいる」と思える時、あなたに伝えていいと思える時、わたしはとても強い。

まだ雨が降っているな。明日は多分また寒い。日ごとの差が大きいね。


恐れ入ります。「まだない」です。 ここまで読んでくださって、ありがとうございます。 サポート、ありがとうございます。本当に嬉しいです。 続けてゆくことがお返しの意味になれば、と思います。 わたしのnoteを開いてくれてありがとう。 また見てもらえるよう、がんばります。