あなたに会うために生きている
わたしが「わたし」を持って生きることに意味があるとするならば、人生は「まだ見ぬ誰かとの待ち合わせ」なのだと思う。
待ち合わせるのには集合場所が必要だ。
しかし事前に指定されない約束なら場所も時間も分からない。もし会えた時にそれと分かるために、わたし自身が、自身という固有の情報を持ち歩いているのだ、と、考える。
真実がどこにあるかは分からない。
ただわたしは思うのだ、「あなたに会うためにわたしは生きてきた」と。
あなたに会わないままで、生きるのをやめることはできないのだろうと。