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色の絵

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見出し画像に色の絵を使っている記事です。どの絵も気に入っているので、見てもらいたいなと思ってマガジンにまとめました。ほんのすこしですがみんなのフォトギャラリーにも上げていますので…
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#物語

呼吸を止める癖を自覚する

言葉は通り道だ。 自分がどこに向かっているのか、どこに向かいたいのかを考えてみた時、使う言葉が分かってくる。何を話したいのか、迷子になった時に、風向きを示してくれる。 大きな声を出す必要は無いのかもしれない。 だけど不意に自分の声を聴いたなら、そこに、風が通る。 声ではなくて言葉かもしれないし、言葉でもなく、音かもしれない。 聴くべきは何だろうか。 ただその空気を切り裂いて、新しい景色が、向こうに見えただろうか。 誰かにその景色を見せてあげるために声を出すことは、できない

ふと来た道を振り返った

晴れではあるが、晴れすぎず、曇りすぎず。 冬ではないが、春すぎず、冬すぎず。 間のときがあるのが良い。 よい曇り。よい晴れ。よい季節の変わり目。 しかし、圧倒的な春に会えば、あなたに会いたかったと、どうしても思うのだろう。 春が満ちればすぐ傍にもう夏を感じる。 だから、冬の空気がまだどこかに居てくれる、今がいちばん春なのかもしれないね。 (もう、夏に会いたくなっている?) 春の花が咲いてゆくのを、ひとつ残らず見届けることはできなくても、はっきりと晴れない毎日が、紛れもな

生きてよ

ないしょ、 ないしょ、 ないしょのはなしは、していいの? ないしょだよ、 ないしょだよ、 ないしょってことだけ教えてあげる! なんのこと? いつのこと? だれのこと? ぼくのこと? ここは、 行き止まりだよ! ここから先に、 行きたいの? 本当に? 本当に? 本当かなあ? 本当に、ここから先に行きたいのなら、 ここは通らないはずだなあ? 本当に、ここを通りたかった? 来てみただけだね? いいよ!引き返していいよ。 いきろ、 いきろ、 君に教えてあげる! ここから、真っ

まばたき

ただ、きれいだなと思った。 その気持ちを見てもらいたくて、扉を開く。 新しい季節が始まってゆくよ。 にぎやかな気配がして、楽しいね。 いろんな気持ちと話したい。 誰のことを聞いてもらおう。 あなたは?誰に会いたい? 会いたいひとに会えるといいね。 ここが待ち合わせ場所になればいいと思う。 それだけだ。 好きにならなくていいよ。 好きになってもいいよ。 お気に入りの景色じゃなくたっていい。 いつか、思い出の場所になる。 苦みも、痛みもあるままでいい。 すべてが心地好い必要

今日泣かない

今日は、泣かない 笑っていようと決めたからではなく 泣く必要が無いと感じるから 今日は泣かない 心を戒めているものが解かれた そんな感覚があった しかしまだ、しっかりと飲み込んで、 身体を巡るのを確認してからでないと そうだ、本当に「自由」になったのなら ちゃんと、身体が分かるまで 自由を、身体が、理解するまで 声を出したら、壊れてしまうだろうか? 泣けるようになったことは、あまりにも喜ばしく 身体が一つの機能を取り戻したと思った 内臓が硬直して 呼吸がぎこちなくなる

過去

心臓じゃなくても、切れば血が出る 心臓じゃないところを切って、 血が出るのを見て、生きていることを確認する そういう行為みたいに、致命的な言葉を避けて その言葉を使わなくても、 心の状態が分かる言葉を 探し出して、吐き出す 本当に言いたいことは、 どう言葉にしたって出てこないのだから 言葉では出てこない 吐いたら自分に突き刺さって 命を落とすかもしれない鋭い言葉を 敢えて選ばなくてもいい 優しい言葉も要らない やり過ごすのがどうしても下手な時がある 心臓さえ切らなければ生きら

空白でいること

落ち着いた心を保ちたいときに、傍にいてくれるものなら見つかるだろう。 落ち着けないときは、どんな動きのものでも刺激になってしまうから難しいね。 空白が必要だろうと思う。 平気なふりをしようとするより、黙って堪えているよりも、ざわついた心を顕にするのが健全なのかもしれない。 けれども、ただ共感に疲れているのなら。 空白をあげよう。 何も感じなくていい。 何も言わなくていいよ。 動こうとしなくていい。 帰る心が見つからないなら、ゆっくりしていくといいよ。落ち着いたら、自分の心に

いつかの月夜

夕方から夜にかけて 雲の広がる日が続いていたから 久しぶりに会えた夜の月 夜の雨は好き 昼の月も好き 曇りの夕方が好き 満月が近い 雨が降るかもしれない 日が長くなったな 月の夜に、何を思うだろうか 月のない夜に、何を思うだろうか よく晴れた満月の夜は どうしてか、やはり美しい どんな夜も どんな月にも それぞれに思うことはあるけれど 明るい満月には あなたを見ないわけにはいかないと思うのです

わらっていようと思う

わらっていられることを探していようと思う。 どんなものごとの中にも、 どんな相手にも、 ふっと微笑みたくなる姿が 存在していることを、知っているから。 探していようと思う。 「あなた」の「その姿」を、 見れば愛しく思える。 それが「あなた」との距離である。 どんな「あなた」にも、かならず、 覚えず微笑みたくなる姿が、あるはずだからね。 諦めずに、探していようと思う。 わたしは、 わたしがわらっていられることを、 探していようと思う。

よい眠り

良い夢を見ていたわけではなかった。 すっかり忘れてもいない。 けれども、よい眠りだったと感じる。 なんとなくの痛みを残しながらも、そこから起き出せる。 幸せで動きたくない目覚めもある。 怖くて逃げ出したい目覚めもある。 よい眠りだった。 痛みが遠くにある。安心できる距離で。 夢と記憶はどこまでが繋がっていて、どこからが無関係なのか。 手を振った。 今を脅かすほど傷つくというのに、夢の側に、とどまっておこうとすることもあったけれど。 忘れてしまわないようにと。 体に戻る感

完全

「生きること」を、探し求めている。 「あなたとは違う」と、拒みたいのではない。 ただ、誰とも同じではないと、胸が、叫ぶだけだ。 自分だけが生きていると言いたいのではない。 みんなが生きている。(あるいは、生きていた。そして、生まれてくる。)すべては等しく生きている、その命は、よくもなく、わるくもなく、皆、等しく、誰とも同じではない。 「私は誰とも同じではない」というのは、「私は全ての命と等しい」ということであって、しかし、「私とあなたは同じだ」と言おうとする時、なにか、意味

もう一度、回り道

もう一歩だけ、「自分の正解」に近づいてみようとしてみてほしいんだよ。 「してみようとしてみる」だけだって十分だ。 誰かが持っている、「正解のように見えるもの」じゃなくて。 「みんなにとっての正解」じゃなくて。 「あなたにとって」の。「自分にとって」の。 正解ってなんだろう? 生きることに正解なんか無くていいよ。 でも、自分にとっての 「正しさ」に、「正解」に、 「善いと思う方」に、 「生きている感じのする方」に。 言葉はなんだっていい、 なにか掴めそうな気がする方に。 近

夏を呼びたいなら声をあげるよ

この声を必要としている君は、きっと大きな音に怯えているだろうから、大きな声を出すわけにはいかない。 僕の声が、君を追いつめる世界を壊すほどの力を持てばいいけれど。 それでは君に届かない。 君は破滅を望まないだろう。 だけど、優しさで覆ってしまったら、優しさだけを欲しがるなにかが、僕の声を、歌を、奪いに来る。 強いふりをして、弱いふりをして、優しいふりをして、悪いふりをして。 そうやって、上手にすり抜けて、なんとか君に届きたい。 僕を嫌ってもいい。 だけど、僕の歌は、君に

大地を確かめる

君のための森がある。 開く必要はないんだよ。 迷わせる場所ではないのだから。 入ってみれば分かるのだから、 深い優しさで作られた森であること。 喜びで育った木々であること。 豊かな土と美しい水が守られていること、 澄んだ空気がそこにあること。 この森を誰にも開きたくないことを、悲しく思わなくていい。 君のための森だよ。 君を本当に分かってくれるのなら、 そのひとはきっとこの森を癒しと感じるはずだ。 君の命がここにあることを、きっと感じてくれるはずだよ。 閉じていないんだよ