見出し画像

令和5年度司法試験体験記(3L春学期雑感)

はじめに

 この記事では、令和5年度司法試験を受験した感想と、来年度以降受験される方へのアドバイスをまとめています。
 問題の内容には触れていませんのでご了承ください。
 ちなみに、筆者は在学中受験資格で受験しました。制度自体を知ったのが入学後だったので、バタバタした1年半でしたが、楽しく受験させていただきました。
 試験期間のシミュレーションの参考になれば幸いです。
 なお写真は全く関係ありません。かわいいから入れました。

直近1週間

 個人的な話になりますが、TKC模試(5月)の前後に持病が悪化してかなり調子を崩してしまい、ローの授業の出席すらままならない状態になりました。先生と今年の受験をどうするかも含め話し合い、受験までは体調回復を最優先し、直前期の詰め込みは回復してからすることになりました。
 しかし、体調が大方回復したのが7月初めだったため、ほとんど詰め込むことができないまま本番を迎えることになりました。直近1週間は、自作の論証確認と短答(30問/日ぐらい)しかしていません。
 同級生も模試あたりから体調不良が目立つようになりました。直前期の体調管理というと直近1週間ぐらいを想定される方もいると思いますが、模試終了以降から意識的に作業量を減らしたり、やることを絞ったりするのも体力維持の観点から大事です。

前日入り

 マイドームおおさかまでは家から1時間半程度で、通えなくもない距離でした。しかし、筆者は電車通学の経験がなく、加えて非常に乗り物酔いをしやすい体質だったため、試験前日から短答まで5日間ホテルに滞在することにしました。予約は模試終了直後ぐらいにしたと思います。会場に近いホテルはすぐ満室になるので早めにおさえておきましょう。
 また、チェックイン時に予約日を間違えていたことが判明し、前日に泊まるホテルがなくなりかけた(奇跡的に部屋が空いていたのでその場で予約した)ので、予約の際は日付をしっかりチェックしてください。

 帰宅時に大阪梅田を経由する必要があったため、持参した荷物はリュックと小型スーツケース1つに収まるようにしました。教材は自作の論証集を印刷したもの、iPad、租税法百選、租税法判例六法を持参しました。

 チェックイン後は荷ほどきをして、室内設備を確認したあと、付近のコンビニやスーパーで飲料水や明日の昼ご飯を買いに行きました。
 会場ではペットボトル飲料のみ持ち込み可なので、500mlの水を6本ぐらい買っておきました。中身がコーヒーやジュースでも特に問題ないようなので、何を買うかはお好みで。複数種類の飲み物を持ち込んでいる人もいました。
 また、このタイミングで「Cycle me」というフルーツプロテインを購入し、1日1本、休憩時間中に何回かに分けて飲んでいました。ホテル滞在では食事が偏りがちなので、このような栄養補助食品に頼るのも手だと思います。
 買い物から帰った後は、家から持参した弁当を食べ、選択科目、公法系の論証を1周して、身支度をして寝ました。夜更かしは禁物です。

1日目:選択科目、公法系

 6時ぐらいに起床しました。あまりいい眠りではありませんでしたが、体調には影響しない程度でした。
 7時半からホテル近くのベーカリーが開くので、それに合わせて身支度をし、論証をもう1周しました。
 優雅にモーニングを楽しんだ後、会場に向かいました。集合時刻は8時半ですが、実際は8時半開場・9時集合という印象だったので、5分前に着けば問題ないと思います。
 予備校の応援団みたいな集団は、大阪会場では見ませんでした。多分会場前の通路が狭いからだと思います。

 マイドームおおさかは空調設備が整っていて、試験期間を通じてめちゃくちゃ寒かったです。薄地の羽織るものは持って行ったのですが、それでも寒かったため、休憩時間中は毎回会場の外に出て暖を採っていました。
 それから、筆者は不運なことに、月に一度の体調不良週間と試験期間が重なってしまったので、腰の痛みと闘う羽目になりました。そうでなくとも椅子がパイプ椅子のちょっといいやつぐらいのものなので、腰に自信がない人はクッションを持っていくのをおすすめします。その場合、毎科目の開始前に試験監督の方にクッション下に何もないことを確認していただく必要があります。
 模試と異なり、座席は1人1席(机を人と共有しない)です。
 試験室内に電源のついた電子機器は持ち込めませんが、着席時刻から参考書をしまう指示が出るまではそこそこ時間があります。現在PCなどにまとめノートなどを一元化している人も、直前に印刷するなどして紙媒体の資料にしておくと安心です。

 昼ご飯はコンビニおにぎり2個と先述したプロテインにしました。試験期間を通じて昼ご飯はこの構成にしていました。食事量について、「脳に栄養をある程度補給させ、なおかつ眠気が最小限に抑えられる」のがどのぐらいかを把握しておくことは重要だと思います。おなかが空いて集中できない、眠くて集中できないのは結構きついです。

 晩御飯はなか卯の親子丼とうどんのセットを食べました。試験期間中一緒に行動した友人が答え合わせをする人だったので普通に試験の話をしていました。もし嫌であれば、試験期間中は1人で行動するのが吉です。

2日目:民事系

 不眠症持ちなのであまり眠れないのが常ですが、この日は途中覚醒が特に多かった気がします。
 朝は6時ぐらいに起きました。この日はあいにくベーカリーが定休日だったので、野菜ジュースとスタバで安くなってたシリアルヨーグルト、コンビニのパンで済ませました。
 この日の天気は曇り一時雨で、1日目より気温が少し低かったので、空調も多少弱くなっていました。
 会社法あたりから、手が痛い、首痛い、あたま痛い(多分空調のせい)の三重苦を感じるようになりました。集中力も低下してくるので、このあたりがふんばりどころだと個人的には思います。民訴が終わった頃にはふらふらでした。
 夜はコメダ珈琲店でグラタンとミニシロノワールを食べ、とても元気になりました。友人たちと「早くローに帰りたいね……。」とぼやきつつ、試験日程の半分が終わったことを少し寂しくも思いました。

3日目:中日

 私は中日におもいっきり遊ぶ予定だったので、2日目の夜からテンションが高めでした。一応論証は持っていきましたが、ちゃんと見たのは帰ってからなので、しっかりリフレッシュできたと思います。
 朝から天王寺動物園に行き、天王寺ミオに寄って帰りました。カービィカフェが関西で唯一出店しているのが天王寺ミオで、ケーキを買ってほくほくとした気持ちで帰路に着きました。
 中日に外出をする場合は、熱中症に十分注意しましょう。私は昼過ぎにホテルに戻りましたが、意識障害が発生し、結局夜まで体調があまりよくありませんでした。
 また、偶然ですがこの日ある事務所の方からサマークラークの採用連絡をいただきました。とても嬉しく思ったとともに、残り2日も頑張らねばならないと身の引き締まる思いがしました。

なんかおしゃれですね

4日目:刑事系

 前日の熱中症の影響は特に残っていませんでしたが、少し遅く7時に起きました。
先述したベーカリーでモーニングを食べてから会場に向かいました。
これまでの科目と異なり、iPadで最終確認したいものがあったので、この日はiPadを持っていき、ギリギリまで試験室外で確認していました。

 試験が早めに終わり、友人たちとお茶をしてホテルに戻ったところで、今まで溜まっていた疲労が一気に襲ってきました。私は試験期間中はランナーズハイに似た状態になるため、勢いで乗り切ることが多かったのですが、流石に司法試験の疲労は無理だったようです。寝て起きたら20時を過ぎていました。
 急いで夕飯を食べ、短答の解説をまとめたものを1周して寝ました。

5日目:短答

 朝は6時に起き、チェックアウトの準備をしつつ短答のまとめ資料を確認しました。
 8時にチェックアウトをして、荷物を預けてもらったのですが、直前に見る予定だった裁断済み六法を預けた荷物の方に入れてしまいました。司法試験六法も入れてしまいました。短答のまとめ資料は印刷を忘れてiPadにしか入れていなかったため、着席時から参考書をしまうよう指示が出るまでの時間に何も見ることができない時間が発生しました。

 これは短答に対する勉強法の反省にもなりますが、一元化資料(択一六法など)はやはり使っておくべきだったなと思っています。過去問は学校の基礎学力試験対策も含め6〜7周していたのですが、それだけでは体系的な理解は難しいです。一元化資料があれば直前に見て自信になるし、勉強中も周辺に記載されたものをついでに見ることができてよいのかなと。たしか10月ぐらいに来年向けの択一六法が出るので、買おうかな……。

 先述した通りランナーズハイだったので、論文式の時はあまりメンタルが悪化することはなかったのですが、このあたりからじわじわ「いや、やばいかもしれない」という不安が湧き上がってきました。しかも、今年の短答は刑法で出題ミスがあったり、憲法がかなり難しかったりしたので、その不安と闘いながら短答に集中するのはかなり辛いものでした。

 短答が終わった後は、ホテルに預けた荷物を回収して帰路に着きました。
 この日は祇園祭の前祭の宵山で、京都に行く人の流れがものすごい勢いになっていました。加えて不運なことに、ちょうどみんなが宵山に向かう時間に阪急が人身事故で止まってしまい、JRに人が殺到しました。荷物を小さくして正解でした。スーツケースがあるだけで結構邪魔になってしまったので、京都方面に戻る場合は荷物の量に気をつけるか、先にホテルから宅急便で送るかしたほうがいいかもしれません。

おわりに

 ほぼ日記のような体験記になってしまいました。折々にアドバイスは含めたはずなので、何か参考になることがあれば幸いです。
 在学中受験の唯一のデメリットは、直後の期末試験に耐えねばならないことだと思います。1週間ほどのんびりできたので、ここからまた頑張っていきます。
 結果などはまた別の記事にまとめます。どうぞよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?