見出し画像

同志社ロー 2L春学期雑感(授業の印象編)

はじめに

今回は、現時点で同志社ローへの進学が決定した方を主な対象として、ロー授業の具体的イメージをある程度持ってもらうことを目的としています。
本来は各科目に分けて、授業の傾向などを愚痴とともにしっかりめに書こうと思っていたのですが、個人が特定されかねないため、科目共通で気をつけた方がいいことと、多少科目ごとの傾向に触れるだけに止めておきます。そのため、「授業の印象」というざっくりとしたタイトルになっております。悪しからず。

連絡体系:Outlookとonedriveは必須

研究科事務室、教授、大学の他の課からの連絡は、ほぼ全てoutlookのメーリングリストでなされます。outlook含むmicrosoft officeのアカウントは、入学する少し前に大学から支給されます。
(他にも連絡手段として用いられるシステムはありますが、詳述すると脱線するので割愛します。最も重要度が高い+その割に皆見ないのはoutlookです。)

事務室の方も教授もお忙しいので、頻繁にリマインドしてくれるわけではありません。他大学に比べるとかなり丁寧な対応をしていただいていると思いますが、メールで連絡されていることについて、友人間で話題に上がるまで気付かない人も少なくありません。
内容によっては命取りになりかねないので、スマホにダウンロードしていつでも通知が来るようにしておきましょう。先生からのメールにもすぐ反応できて一石二鳥です。

授業資料と掲示は紙媒体で配架・掲示されるのに加え、onedriveにもデータがアップロードされます。基本PDFファイルでアップロードされるので、パソコン・タブレットで全部管理したい派の方は、PDFを編集できるアプリを入れておくと便利です。
私は紙媒体で配られた資料をよく紛失するため、iPadにgoodnote5を入れて紙媒体をスキャンし、一括管理しています。

演習科目の傾向

演習科目は2人の先生が2クラスずつ担当しますが、担当する先生によって予習の重さ、重要論点に割く時間がかなり左右されます。ほぼ講義形式のクラスもあれば、いわゆるソクラテス形式をとるクラスもあります。
とはいえ、たまに噂されるような地獄のソクラテス問答は、同志社にはないと断言していいでしょう。前記事でも述べましたが、授業は基礎的な事項の確認に重点を置いているので、基本書と百選を読みながら基本事項に答えられるような準備をすれば、最低限の予習は足りると思います。
解答がズレていれば先生が誘導してくださいますし、わからない場合は「わかりませんでした」とはっきり伝えると丁寧に解説してくださいます。質問に答えられない恥ずかしさ、悔しさは多少なりともあると思いますが、後述する通り予習に多くの時間は割けないので、ある程度割り切ることが必要です。

講義科目の傾向

履修免除試験で免除されなかった科目については、対象科目について未修生を対象とした講義の受講が必要です。(※履修免除試験については前投稿参照)
講義科目は、法学部の専門科目の授業をイメージしてもらえればよいかと思います。たまに確認事項について質問をする科目もありますが、基本的には先生が一方的に話すスタイルです。
1学期(商法講義のみ2学期)で対象科目の全範囲を扱わなければならないので、授業スピードは早いです。予習は基本不要ですが、復習が膨大になりがちです。あと眠くなりがちです(筆者は最前列で寝てしまったことがあります。普通に恥ずかしいです)。頑張ってついていきましょう。

予習時間の目安


2Lで受講するほとんどの演習科目については、予習に答案作成が含まれておらず、文献読み込みや基礎確認がメインとなります。あくまで目安ですが、1回の演習あたり3時間以上の予習は時間をかけすぎという意見もあります(個別面談で言われました)。

私自身も、復習に重きを置くことにしているので、予習は
①配られた資料(参考資料含む)をとりあえず通読する
 ※これが一番時間かかる。裁判例の事実関係あたりはよく飛ばす。
②基本書を読みながら、確認事項に対する回答を準備する
③出てきた判例が百選(ケースブック)にあれば、該当箇所を読む
 ※復習でまた読むので、時間がない時は飛ばすこともある
ぐらいでとどめています。というか、復習に時間をかけようとするとこれでも結構カツカツです。読むのがゆっくりな人は、短時間で集中してたくさん読むことに慣れておく方がよいです。

講義科目は、先述の通り予習を前提としない科目が多いです。ただし、1回ごとに扱う量が膨大なので、基本書の該当箇所につき通読しておくと授業内容についていきやすくなると思います。

中間試験

2L春学期で受講する(可能性のある)科目のうち、憲法演習、刑法演習、民事実務(要件事実論)、刑訴講義、商法講義の5科目では、6月初め〜中旬にかけて中間試験が実施されます。科目にもよりますが、成績評価の10%程度を占めます。
それまでに学習した分野から、事例問題が出題されます。試験時間は科目によってまちまちですが(憲法120分、刑法90分、民事実務90分、刑訴60分、商法90分)、全体的に分量は少なめです。
弊学ではA+とFが絶対評価になっているため、点数によってはこの時点でA+の可能性が消えます。GPAを高くしたい方は過去問を早めに確認し、しっかり対策をして臨みましょう。
今年は刑法が阿鼻叫喚の事態になり、得点調整が入りました。私は今でも範囲外出題の疑いを拭いきれません。

基礎実力確認試験

短答落ちを減らすために数年前から導入された、期末試験の一部を構成する試験です。
期末試験日程の初期の土曜日に行われます。土曜日なので忘れる人が数名発生します。
2L春学期は上3法の演習科目が対象で、成績評価の10%程度を占めます。中間試験・期末試験とは異なり、途中退室が可能です。それなりに途中退出する人は多いです。
出題されるのは、
憲法:新司法試験短答の人権範囲全部
刑法:新司法試験短答の総論範囲全部
民法:令和2〜4年司法試験短答の総則・物権範囲
の過去問を一部改変したものです。
民法は範囲が狭い(全部で30〜40問ぐらい)ので、過去問と解答を確認すればある程度は点数が取れます。逆に、失踪宣告とかも普通に出るので、確認しないと(予備短答をガチっていない限り)取れません。面倒がらずに見ましょう。
憲法・刑法は範囲が広く、直前に詰め込むのはおよそ不可能です。コツコツやりましょう。

私は期末試験で何かあった時救済されたいと切実に思っていたので、全範囲を2周(※厳密にはTKCで1周+間違えた問題のみ1周)して臨みましたが、そこまでやった人はいなかったようです。しかし、基礎実力確認試験の点数がよかったおかげで各科目の評価が1段階(B→B+など)上がりましたし、授業範囲の総復習もついでにできたので、無駄ではなかったと思います。

期末試験

成績評価の80%〜90%を占める、最も大事な試験です。
弊学は7月最終週〜8月11日前後(一斉休暇期間前)までが期末試験期間です。他のロースクールに比べ、遅く始まり遅く終わります。必修科目の試験日程は綺麗にバラけているため、毎日1科目ずつ試験を受ける期間が約3週間続きます(つらい)。講義科目や選択科目の履修状況によっては1日2科目になることがあります。
試験日程中の過ごし方は難しく、変に時間があるため無駄遣いしてしまうことが多かったように思います。リフレッシュするにしろ、勉強するにしろ、計画的に。

講義科目、演習科目に関わらず、期末試験は事例問題が出題されます。先生によっては過去の期末試験と同じ論点がほぼ同じ出題されたり、直近の司法試験を意識した出題になったりしますが、基本的には傾向が読めないと思った方が安全です(当たり前)。もっとも、司法試験予備試験を一切無視しているわけではないので、いわゆるマイナー論点をがっつり出題することは、あまりありません。
ヤマを張ると外れた時死にます。

事務室前には過去3年分の期末試験過去問や出題趣旨、採点実感、参考答案がファイリングされており、いつでも閲覧することができます。コピーのためであれば一時持ち出しも可能です。早めに出題形式を確認して、試験勉強の計画を立てることを切におすすめします。

おわりに

今回は、入学を決めた人に向けて、具体的な授業の傾向をまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。
前より文字数が多くなってしまいました。すみません……。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?