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三日坊主日記 vol.163 『77歳のハーレーダビッドソン』

先日あるお店で1947年製のハーレーダビッドソンに会った。


900ccのスポーツスター。カッコイイ。店内にオーナーさんがいたので少しお話をさせて貰った。この方はこれまでにもいろんなヴィンテージバイクを何台も乗り継がれてきたそうで、このハーレーとは14年前に出逢って、一目惚れだったそうだ。14年前で既に63年モノ。そもそもそこまで長生きするバイクは多くないだろうし、持ち主もなかなか手放さないだろう。だから、出会ったらご縁と思ってすぐに買うしかないのだろう。


僕も一時1,200ccのスポーツスターに乗っていたことがある。1990年代の中頃だろうか。ヴィンテージではなく新車で購入して4年ほど乗った。特に手放すつもりはなかったんだけど、母が実家を売却するというので、実家のガレージに駐めていた僕は置き場所をなくしてしまったのだ。ピカピカのハーレーをマンションのバイク置き場に置いておく訳にもいかず。かといってバイクのためにシャッター付きガレージを借りるほどのマニアでもなく、結局手放した。買取業者に電話すると、現金を持ってそれこそすっ飛んできた。売値は4年前の買値と同額だった。


そのバイクもそろそろ30歳前後。いい感じでヴィンテージの仲間入りしているんだろう。元気にしているんだろうか。久しぶりに会ってみたいものだ。


さて、77歳のハーレーダビッドソン。その頃はエンジンがまだ鉄製で、セルモーターも付いていない。ちょっと跨がせて貰ったが、鉄製エンジンのせいだろうか、ちょっと重いような気がした。僕が初めてバイクを買ったのは、もう45年も前の話。スズキの400ccだったが、その頃はもうエンジンはアルミだったし、セルモーターも付いていた。エンジンはいつからアルミ素材になり、セルスタートになったのだろう。


若い時はなんでも新しいものが良いと思っていたけど、歳を重ねるにつれて古いものが良くなってきた。新しいものはいつでも買えるけど、古いものは買えない。古いものを手放すということは、積み重ねた時間を手放すということで、とても勿体無いことだと最近になってやっと気づいた。良いものを買って長く使う。こんな当たり前のことがなかなかできない今の日本は大丈夫なんだろうか。


うちの車がそろそろ12歳になる。まだまだヴィンテージカーではないが、最近同じ車種をあまり見かけなくなった。ディーラーの営業マンは買い換えろとうるさいが、メカニックの中には長く乗ってくださいと言ってくれる方もいる。この先どう心変わりするか分からないが、いまのところはずっと乗ろうと思っているのである。



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