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三日坊主日記 vol.120 『日本は安全で素敵な国だ』

やっぱり日本は安全で素敵な国だ。


昨日、パスケースを落とした。長年愛用する革製のとてもシンプルなモノで、中にはPiTaPaと駐輪場の電子キー。どちらも失くして決定的な打撃を受けるほどではないが、やはり困るし再発行も面倒臭い。そして愛着のあるパスケースは痛い。


谷町線の東梅田駅改札を出る時に使用した。その後ハンズで買い物をして、中崎町まで歩いて髪をカットして、店を出て暫く歩いて気づいた。まずカットした店へ引き返すが、そこにはなかった。もう諦めようかと思ったんだけど、急ぐ用もなかったんで来た道を引き返してみることにした。


ハンズにも大丸にもなく、残す心当たりは谷町線の駅長室だけだ。いや、地下街を歩いて移動したので、どこかの案内所に届いているかも知れない。ただ、梅田の地下街は管轄が色々と分かれていていちいち聞いて回るのはとても面倒だ。そこは諦めて、地下鉄御堂筋線梅田駅の駅長室に立ち寄ってみる。嬉しい。届いていた。


いや、なんだろう。自分の心理を振り返ってみると、どこかでちゃんと戻ってくるような気がしていたように思う。そこまで切実に祈る訳でもなく、かと言って諦めるでもなく、記憶を頼りに人混みの中来た道を微かに期待しながら戻る。そして、ちゃんと持ち主の元に戻ってくる。


我々日本に暮らす人間は当たり前のように感じるが、すごく特別なことなのかも知れない。届けてくれたのは誰だか分からない。日本人かも知れないし、外国の方かも知れない。いずれにしても、誰かが僕のパスケースを発見し、失くして困ってるだろうと想像力を働かせてくれて、わざわざ駅長室へ届けてくれた。非常にありがたい。これからもずっと、未来永劫日本がこういう当たり前のことが当たり前に行われる国でありますように。


この場を借りて、拾ってくれた方にお礼申し上げます。ありがとうございました。あなたのおかげで日本の良心は保たれました。


僕はいろんなものをよく失くす。落としたのか、置き忘れたのか、または別の理由なのかも知れないが、結構いろんなものを失くしてきた気がする。しかし、改めて思い出そうとしても、何をいつ失くしてどれほど困ったのか、悲しんだのか、思い出せない。確かにいろんなものを失くしたはずだし、その時々で随分悲しい思いをしたはずだけど、ほとんど思い出せない。忘れるということは時に残酷であるが、必要なことでもある。


そういえば、何十回と海外へ行っているが、ロストバゲッジ及び盗難被害に遭ったことがない。母は歳を取ってからの人生最初の海外旅行でロストバゲッジに遭い、荷物は二度と戻ってこなかった。友人は結婚式のためにヨーロッパへ行き、ウエディングドレスの入ったスーツケースがロストした。


来月末からアジアの国二カ国へ久しぶりに渡航する。しかも格安航空券で。神様、ロストしませんように。



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