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そもそも品質工学 第129話 いらないものの反対はほしいもの?

入れたガス量と反応したガス量。
この比例性で評価しようとしたが、直線にならないことがわかった。

そう、反応できるガス量には限界があり、曲線関係になるのだ。
こういった場合は、どうやって評価すればいいのか?

もともとは、MITのドンクロージング博士(ゼロックス)が、コピー機の紙送りで使ったのが最初です。

ようは、送ってほしい紙と、止まっていて欲しい紙。
その差を大きくしたいとして、考え出した評価方法です。
送りたい方は望大特性、止まっていて欲しい方は望小特性。
コピー時に2枚の紙を送ってしまうのは困りますからね。

それを、動特性の形にして、動的機能窓法としたのが田口先生。
さらに、適用先を化学反応としました。

なぜか?
化学反応の基本機能を測ることがとても難しいからです。
ガスクロマトグラフィーとかを使っても、ある一定時間に測定されたガスの成分の平均値でしかありません。
ばらつきを簡単に測れないのです。動特性にもしにくいです。

そして、マンガの中にあったとおり、化学反応は主反応と副反応があります。それは表裏一体です。化学式であらわせるのです。

通常のハードウェアの加工の実験だと、熱、振動、音など、さまざまなエネルギーの逃げ場があります。
それらすべてを同時に測ることは困難です。

しかし、化学反応なら、それがかなり限定できるのです。
実験が試験管の中で済みますので。

だから、いらないものを全部まとめて測れる。
そして、欲しい主反応も測れる。

機能窓法には、速度差法と速度比法という2種類があります。
ようは、化学反応のスピードを重視するのか、欲しい成分が多く得られる方を重視するのか。
両方欲しいってのもありますが、時には、相反します。

使うもとデータは同じなので、両方の計算をして、要因効果図を描き、いいとこどりをするってことになりますかね。
相反するところは、どこかで妥協かな。

次の話が、化学反応編の最終話ですね。
結果はどうなるのか?
この実験をどのようにまとめるのか?!

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