そもそも品質工学 第7話 平均値とばらつき
今回は平均値とばらつきのお話。
さぁ、機能性評価の実験の結果はどうなったかな?
データには平均値とばらつきがある。
平均は非常によく見えるが、ばらつきは見えにくい。
品質工学では、
SN比=ばらつき
感度=平均値
という感じで評価する。
(正確にはちょっと違うけど)
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新人や大学生に教育するときに、みなさん、ばらつきという認識がほとんどありません。というか、平均値、つまり感度の方に目が行ってしまいます。
平均値は直観的にわかりやすい(多く経験している)のですが、ばらつきは直観的にわかりにくい(認識する経験が少ない)からじゃないかと思います。
学校でばらつきって教えてないからなんですかね。学生実験でも、繰り返し数回測ってその平均値を使うなんて当たり前でしたし。期末テストなんかでも、平均値以上か以下かがすごく気になったりするし。
新人や学生ならこれからだからいいけど、そこそこ社会経験している技術者でもばらつきの認識が甘い人が多いです。
さすがに、製造ばらつきや、ロットばらつきなんかは認識がありますが、品質工学でいうところの、1つの製品が環境などによって「ばらつく」という認識がほほとんでどありません。
劣化という別な観点でのばらつきっぽい評価はやってますけどね。ばらつきって、それだけじゃないでしょって話。
CI03が言う通り、お客様の使用条件すべてが、機能を乱すばらつきの要因。誤差因子ってことですね。本当にそんな場所で使うなんて想定できなかったってことがよくあります。
例えば、使用環境温度、室内で使う製品だから、低くても10度ぐらいでしょ。なので動作試験は余裕をもって、5度で評価をやりました。いいですよね。しっかりととお客様環境を考えて、マージンも抑えて、厳しめで評価する。
ところが、問題発生。「お前の会社の製品、早朝は動かないんだが、どういうことだ?」と。三現主義で現場確認をしにいく。
大物の建物の建築現場。そのわきに、建築会社の方が仮に勤務するプレハブってありますよね。土地としては、寒い地方。早朝は氷点下。はい、わかりましたね。早朝はプレハブの室内は寒いんです。24時間暖房を入れているわけじゃないですから。確かに室内での使用ではあるが、室内が氷点下ってこともある。
一応、動作保証温度ってのがありますが、お客さんからしたらどうでもいいこと。普通に仕事している環境で、お前の会社の製品は動かないのはどういうことだってことになるわけ。
あとは、お客様の使用条件ではないですが、海外の工場で作った製品を各国に輸送する時。コンテナに詰め込んで、タンカーで輸送する。真夏の太陽の下、鉄板で囲まれた換気のない箱。灼熱ですよね。下手したら50度とかなります。そういうイメージもなしに、設計して、製品試験して…結果はご想像にお任せします。
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開発者はロマンチストでないといけない。世の中にないもの想像できる、夢見がちな人でないといけないからだ。
技術者はリアリストでないといけない。世の中を広く正確に見定める、現実的な人でないといけないからだ。
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誰が言った名言かだって?
私です(笑
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