そもそも品質工学 第110話 混ぜないと危険
洗剤で「混ぜるな危険」ってのはありますが、ここのタイトルは「混ぜないと危険」です。
さぁ、その真意とは?
●ドラム缶内の成分
ドラえもんは、オイル缶の上澄みで作られ、ドラミちゃんがオイル缶の濃い部分で作られたって話がありますね。
だからドラミちゃんの方が優秀だと。
同じように同じ材料で作っても、結果が異なる。これもばらつき?
最初はこの混ぜるというのに気が付かずに、実験をして、あまりよくならないねーって結果が出ました。
そして、材料を使い切って、新しいものを発注して、それに変えたら抜群に良くなった。
そう、ドラム缶単位での成分は同じでも、ドラム缶内で分離して、成分が違ってしまったってことなんですね。
●違うことの評価
そして、その成分をどうやって調べるかって話に映っていきます。
成分分析できるような装置があれば楽なんでしょうねどね。
ここは海外製造子会社。そんな装置はありません。
つとむ君が出した案は、着幕の機能、塗装の機能で測れないかと。
ある意味、製造方法という観点なら間違いではありません。
しかし、ローラーの機能ではありません。
例えば、綺麗に塗装されていても、まったくフイルムを送らなかったらどうでしょうか?
それはローラーとして仕事をするのでしょうか?
この考え方も、実はエネルギーの流れ図で考えていることに気が付きますでしょうか?
評価対象に対して、どの次元のエネルギーの流れを考えるのか?
・もっとも上流の加工という観点でみるのか。
・それとも軸単体の状態で評価するのか。
・その軸を製品に組み込んで、製品の機能を測るのか。
この3つでしたね。
今回は、3番目の製品に組み込んで評価する方法を選んでいます。
ただ、この方法は軸以外の部分の評価も含まれてしまいます。
一番厄介なのは、組みばらし。
同じ部品で組みなおしているのに結果が異なるなんてことはよくある話。
組み立て方もしっかりと基準やルールに基づいて、ばらつかないようにくみ上げられないと、何を評価しているの変わらなくなったりします。
そこには、組み立て方のノウハウがあったりします。
この組み立て方を対象にパラメータ設計することだってできてしまいます。
●スキャナーは計測装置
そして、スマートフォンで測る。
計測器として、スマホって無敵なんじゃないか説…
そんなわけ無いですね。(^^;
計測器が潤沢ではない海外の工場で、顕微鏡が無くても、スキャナーはあったりする。コピー機とかインクジェットプリンターの複合機とか。
スキャナーで全画面を高解像度で撮影するのは厳しいですが、一部分だけを高解像度でとることはできます。
その際に注意するのは、スキャナーのレンズは丸であること。
ようは、両端は結構ゆがみます。
だから、中央部分に対象おいて取り込むと、比較的精度がいいです。
このように、計測器としてのスキャナーの仕組みを知っているかどうかで、計測誤差が変わってきます。
別にスキャナーに限った話ではありません。
すべての計測器について言えることです。
どうやってその数字が出てくるのか?
いったい何を測っているのか?
その数字は欲しいものをとらえているのか?
計測器を信じるなってことですね!
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