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そもそも品質工学 第5話 誤差因子の決め方

★YouTubeにて動画公開中!★

今回は誤差因子の決め方についてです。
AIのCI03とつとむ君の熱い戦いはまだ続く!?

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<誤差因子>
お客様の使用環境、劣化などで機能性が変化してしまう因子

製品の三現主義ではなく、お客様の三現主義を貫くこと。
あなたの視点はお客様の視点ではないのだから。

・~・~・~・~

市場品質問題が出た後、たいていの問題は、「評価していませんでした。」って言い訳。そりゃそうでしょ。評価していたら気付いているんですから。気付いていたら対応してるでしょ。

 うすうす気が付いていたなんてのもありますね。ただ、納期に間に合わないので、大丈夫だろうと思って出したとか。

 でもね、現場の担当者は​​​​​​​頑張っているんですよ。別に手を抜いているわけじゃない。

ただ、評価すべき項目が多すぎるってこと。過去に起きた問題が再発しないかとか、新しく加えた機能が劣化で不安定にならないかとか。そういうのを調べるのに手いっぱい。いかに効率よく行うかが大切になってくる。

 雑魚敵を倒してもしょうがない。本当の敵を倒さないといけない。しかも、雑魚敵はわらわら湧いて出てくる。なので、「技術者の都合ではなく、お客様の都合で評価すべき」なんです。

 田口先生は、「設計者と評価者を完全に分け、評価者は評価した結果を技術者に伝える。ただし、評価者は、具体的な結果を設計者に伝えないようにしろ。」と言ってましたね。

 なぜかというと、技術者は、今見えている問題にチューニングしてくるわけです。例えば、「この条件のこの環境で、こんな問題が出ました」って評価者が伝えたら、設計者は、その条件だけクリアする設計にしてくるって話なのです。

 だから、技術者は自分に都合よく設計をチューニングして、製品を世に送り出す。それは、お客様の都合じゃない。製品をチューニングでよくするのではなく、本質で強くする必要があるのです。これを、ロバスト性って言います。

 評価者はどんな実験をすればいいか。評価者は、対象の製品のシステムに詳しくなくていいです。ただ、お客様の使用条件に詳しい必要があります。お客様の使用条件を直交表に割り付けて、L16やL18あたりで組み合わせを作って、うまく動くかどうかだけチェックすればいいのです。で、うまく動かなかったら、設計者に「高温で動かなかったよ」とだけ伝えます。具体的に何度なのかは伝えません。伝えると、その条件だけクリアするように設計者がチューニングしちゃうので。

だから、最初のCI03の言葉になるんですよ。
「​誤差因子の選定は、まさに技術者の必殺技。​」
お客様のことをどれだけ知っているかがカギになります。

 でも、実験室にこもっている技術者がお客様のことをどれだけ知っているか。知らないでしょ?実際にお客様が使っている場所に行って、見ている技術者ってどれだけいますか?販売担当から口頭で聞いただけでしょ?

 同じものでも、見る人によって、認識した事実は変わります。だから、設計者も見るべきなんです。お客様もすべてを語ってくれません。常識やあたりまえについては、語ってくれないんです。その常識が、我々の常識と異なっていても。

「え?玄関で靴って脱ぐもんじゃないの?」
 靴を脱ぐのって、日本ぐらいじゃないですかね。スリッパって、本来は靴の上にはくために作られたって話は有名ですよね。我々の常識は、相手の常識ではないのです。だからこそ、クリティカルシンキングが必要になってくるのです。自分の常識を疑うスキルが必要なのです。

 つとむ君は、アンケートで聞けばいいじゃんって言ってますが、アンケートでは見つからないんですよ。アンケートの作り方だけで、おそらく10本ぐらい動画が作れます。また今度つくりますね。(笑

 誤差因子の具体的な見つけ方については、そのうち動画にするとは思うけど。(^^;

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