映画秘宝の件

「映画秘宝」が休刊するらしい。
改めて過去の映画秘宝のバックナンバーを断捨離兼ねて振り返っているのだけど。当初は「ようやくこういう本が出てくれた!」という気持ちがあって、自分にとっては定期刊行物化は「宇宙船」「スターログ」の創刊位のインパクトがあった。書き手の熱量と特集の面白さは全盛期のファミ通にも通じるところがあったり。個人的には定期的なアメコミ映画特集も楽しみにしていた。その後、件のゴタゴタがあって新体制による中の人刷新も複雑な気持ちはあったが楽しみでもあった。まぁ、新体制発進とともに瓦解するのは、なんともズンドコで味わい深くはあるのだけど。新体制の手腕が発揮される前に夢と消えたのは残念だったかも。自分が好きだった「映画秘宝」のエッセンスは個々のライターが配信などを始めており、さして困らなかったりはするのだが、やはり本の形でまとまってる索引性の高さは捨てがたい。以前にも書いたけど秘宝の執筆者も御歳を召して、より深く先鋭化した人、作品と自分の実年齢の乖離に戸惑う人など様々だ。なので、MCUが尺の外側に情報のレイヤーを何重にも被せたように、配信と出版とを合わせて楽しむことで別のなにかが生まれる世界の出現に期待していたりする。

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