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土屋智則がSGV2、セット交換が分岐点に~第34回グランドチャンピオンレポート~

割引あり

土屋智則が完璧なターンで2度目のSG制覇!年末のグランプリへ「全部勝つ気でいく!!」

“SGの中のSG”と称されるグランドチャンピオン。その舞台は尼崎で、SGは2年ぶり、GCは97年以来27年ぶりの開催。
今回はおろしたてのモーターで、相場が定まっていない状況ではあったが、エース機候補を手にしたのは前年覇者の磯部誠だった。

前年覇者の磯部誠は評判機を手にしたが… 

予選と言わず節間を通してインが強かった。トータル53勝で、1着率は73.6%。ここまでインが強いとヒーローは日替わりで、星の固め打ちをする選手はいない。それゆえ予選トップは7.60とかなり低く、1位の徳増秀樹から4位の毒島誠まで、わずか0.10の差で明暗を分け合う格好となった。逆に準優ボーダーは6.17とやや高めで、6.00の馬場貴也が次点となった。
準優勝戦は10Rで宮地元輝が逃げて、平本真之がまくり差しで追走。
11Rは土屋智則が逃げ切り、準優前に「セット交換」をした池田浩二がまくりを打って2着。
そして12Rは徳増秀樹がターンマークを外し、5コース西村拓也のまくり差しが届いた。徳増が2番手を追走していたが、上條暢嵩が執念の追い上げを見せ、最終コーナーで逆転。競りに乗じて長田頼宗が浮上し、3連単は10万舟が飛び出した。

かくして出揃った優勝戦メンバー、内枠を占める土屋と宮地は2度目、西村と上條の大阪コンビはSG初優勝に挑戦する。そして実績上位の愛知支部の池田と平本。モーター気配はそれほど大きな差はないものの、「バランス型でターン回りに自信がある。今なら上位といえる」と言う土屋が1号艇。巡ってきたツキを生かせるかが焦点となる。

最終日は天候が不安定で、向かい風が強く、雨が降る時間帯もあった。優勝戦の展示では風の影響か湿気の影響か、乗りづらそうな選手が続出。土屋は盤石の動きだが、宮地が1周目で振り込んだり、西村は掛かりが浅く流れ気味など、今節のベスト6とは思えないほど、バタバタした展示の内容だった。

16時37分、大きな拍手と歓声に包まれて優勝戦の6名がピットアウト。進入はゆっくりとした流れの枠なり3対3。スタートは1艇身前後で揃い、その中でもトップタイミングで駆け抜けた土屋が、1マークを先マイ。完璧なターンで他艇を寄せ付けず完封劇。バックへ向いた瞬間に優勝を確信するリードを取り、昨年のクラシックに続く2度目のSG制覇を達成した。
2着に2コースから鋭角に差した宮地、3着にカド差しの池田が入線し、3連単は1番人気の決着。

優勝戦スリット
優勝戦1周2マーク

今回の優勝で賞金ランキングが5位に浮上した土屋。「昨年のグランプリはツラい思い出しかない。これから全部勝つつもりで、ベスト6、なんなら1位でグランプリに行きます」と後半戦、そして年末への決意を口にした。

群馬支部の先輩・毒島誠、後輩・関浩哉、そして同期の西山貴浩に祝福される

高確率で機力が上昇したセット交換。ファンの立場と選手の立場で“艇言”

今節を一言で表すなら「セット交換」に尽きる。藤原邦充記者の「艇言」に記載されているので、詳細は割愛するが、最終的には節間で24人がセット交換を行った。交換をした選手としなかった選手の機力差は明らかで、しなければスタートラインに立てない状況だった。
モーター使用履歴が浅いとはいえ、事前の機歴が全く役に立たないものとなり、エース候補の磯部誠も全く歯が立たずに終わった。その一方で、優勝した土屋をはじめ、優出した6人の内4人が節間にセット交換を行い、平本も前操者が行っている。上條だけが行わず、「純正の星ですね!」と胸を張った。
次のSGは大村のオーシャンカップ。状況的には今節と似ていて、モーターは6月に更新されたばかり。今後はどうするのがいいだろうか。

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