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医者の制止を振り切ってわずか58日で復帰した山田丈「同期の定松勇樹に追いつきたい」

割引あり

怪我を経ての気付きとキャリアハイの成績

○怪我からの復帰

──デビューから初勝利までに1年以上を要した。
うまくいかない時期も長かったけれど、焦りはなかったです。初勝利はもちろんしたかったけれど、意識しすぎてもフライングとか事故をしてしまう。とりあえずB1級を目指して。1着にはこだわらずにひとつでも上の着を取る…という思いで走ってきました。

──順調に成長する中、今年1月の津で大怪我。
コーナーで振り込んでしまって…。失速した時に後続艇に乗り上げられて、ダイレクトでプロペラに当たってしまいました。巻き込まれた記憶はあるんですが、どういう感じだったか…というのは覚えていないんです。
左手の粉砕骨折と左手腱神経血管断裂でした。手にはボルトが6本入っています。痛かったけれど、神経を損傷しているからほぼ感覚がなくなっているんです。麻痺しているから痛みの先を行っている…って感じでしたね。

──そんな大怪我ながら、約2か月後には実戦復帰。
お医者さんにはまだ早いと言われたんです。「半年は休んだ方がいい」と言われました。それでも、怪我をしてから58日でレースに復帰しました。当時、右手の握力は50キロ、怪我をした左手は20キロでした。今では36キロぐらいに戻っています。

──実戦復帰までの道のりは?
練習には1回だけ行きました。左手以外は元気だったので。ボートに乗ってみるとレバーを握るのと、ハンドルを掴むので精いっぱい。今までの感覚とは全く違う…。それが50日ぐらい経過した時だったんです。それでも、操作はできるし、逆に動かして行けば感覚は戻ってくる…と思った。走るなら「これからだな」と思いました。周りには結構止められたけれど、自分の判断で走ることを決めました。
怪我をして思ったんですけど、レースをする上では左で行うレバー操作も大事。もちろんハンドルを握る右手も大事で、左右どちらも同じぐらい大事なんです。これは以前だったら分からなかったことですね。

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