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新エンジンの入れ替え時期は統一するべきだ / 艇言

ボートレースは1年に一度、エンジンとボート、プロペラの入れ替えが行われる。入れ替え時期はまちまちで、各レース場によって違う。例えば平和島は5月に行われたGⅡモーターボート大賞が使い納めだった。6月13日が初日の一般戦から新エンジン、新プロペラ、新ボートが導入される。住之江の場合は3月15日が初おろし。エンジン、プロペラ、ボートすべてが新しくなった。ただ、やっかいだったのが温水パイプの存在だ。
温水パイプとはエンジンの凍結を防止するための装置である。冬場などは効果的だが、住之江の場合、ゴールデンウィークの地元戦でも温水パイプが装着されていた。温水パイプの装着期間も各場によってまちまちである。現行の新ペラは以前のものと比べて分厚いという。しかし、重量自体は変わらない。つまり、表面積が減ったことになる。こうなると水をかく量も減り、回転も上がらない。4月末の住之江などは最高気温が25度を超える日も多かった。回転の上がらないペラに加えて、高い気温と湿度、さらに温水パイプのトリプルパンチ。コーナーごとにボートが暴れる選手が続出し、冷や冷やしながらレースを見ていた。

この分厚いペラ。ベテランの方が調整がうまい気がする。備え付けペラが復活する以前、持ちペラ制度を経験しているベテランはペラの調整方法にしても引き出しの多さが違う。若手は調整の難しいペラで全部の足を求めるが、ベテランはエンジンの特長に合わせて、調整していく印象がある。新エンジンの場ばかりを希望していたベテランもいるという。次回の入れ替えも現在の分厚いペラのままなのであれば、入れ替え時期は考え直す必要があるのではないか。
まず、温水パイプが着いたり、外れる時期は避けた方がいい。地球温暖化が進み、3月でも25度近い日もある。微妙な時期を外し、温水パイプが付いている1月あたりがいいのではないか。気温的にも回転が上がりやすいはずだ。ボートレースの頂点をグランプリと考えるならば、グランプリ、クイーンズクライマックスが終わり、住之江であれば正月の王将戦で新エンジン、新プロペラ、新ボートを導入するというのは理にかなっている気がする。心機一転という意味でもいい。
逆にエコの観点から言えば、入れ替え時期を1年から2年にしてもいいのではないか。経費の削減になるし、エンジン相場も安定し買いやすくなるはず。現在のエンジンの性能であれば、2年ぐらいの使用には耐えるはずだ。時折出現するスーパーエース級のエンジンも使用期間が2年間であれば長く楽しむことができる。
また、1年で最初のSGは3月のクラシックである。1月導入なら2か月はエンジンを見ることができる。全国一律で1月に入れ替えれば、オールスター、グランドチャンピオンとSGを重ねるごとにエンジンの素性ははっきりとしてくる。年末から年始にかけての地元開催で初おろしになれば、慣れた地元選手が多いだけに、事故も減るのではないか。

その他でも統一してほしいことがある。展示ピットと本番ピットの形だ。

住之江の展示ピット(手前)と本番ピット(奥)。展示ピットの6号艇が2マークに近い

住之江の場合、本番ピットに対して、展示ピットは斜めに配置されており、展示ピットの6号艇の方が2マークに近い。ゆえに展示で6号艇が飛び出し、本番は枠なりということが多くある。また、淡水場の場合、展示ピット、本番ピットの後ろが抜けておらず(コンクリートなどに囲まれている)、水流が抜けないため、特定の枠番でピット離れが遅れる現象が起きることがある。コースが勝利に直結する競技において、この状態を放置しておくことは良くないのではないか。

profile

藤原邦充(ふじわら・くにみつ)
1974年生まれ50歳
香川県観音寺市生まれ。近畿大学を卒業。就職浪人の末、98年に報知新聞入社。芸能社会、中央競馬、ボートレース(1年だけ)、一般スポーツ担当を経て05年から2度目のボートレース担当に。競輪担当になって観音寺競輪を取材することが夢だったが、無念の廃止に。

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