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【前編】ボートレーサー版ケンミンショー!!〜レース場がない県出身の選手はなぜ選手を志したのか?〜


全国47都道府県別・現在の出身選手数

ボート界には、レース場のある県を中心に、全国47都道府県すべてに出身選手が在籍している。しかしその選手数を正確に把握している方は少ないのではないか。そこで今年5月1日時点の県別出身選手数と、「全国モーターボート甲子園」が始まった5年前の数字を比較してみよう。

出身選手最多は断然福岡県

ボート選手の適正人数は1600人と想定されている。1年間で2期・50人強の新人がデビューし、ほぼその同数の選手が引退することでこの人数が保たれている。
今年5月1日現在の出身県別選手数は以下の通り。

2024年後期出身地別選手数

まず県別の選手数をチェックすると、多い順に①福岡199名、②愛知139名、③大阪107名。以上3県は100人を超える。以下に続くのは④岡山、⑤東京と静岡、⑦埼玉。ここまでが80名を超える大所帯だ。福岡は昨年、200名を超えたことがある。
またA級選手(A1+A2)の割合が高い10人以上の県をピックアップすると、トップは少々意外にも①栃木(12人中7人…58.3%)。以下②大阪(107人中58人…54.2%)、③滋賀(23人中12人…52.1%)と続き、④京都(22人中11人)と宮崎(10人中5人)までが50%以上となる。ちなみに岩手は出身者が2人しかいないが、ともにA1級でSG覇者(中澤和志と菊地孝平)である。

沖縄出身者が急増中!!

続いて、5年前との比較を、北から順に見てみよう。5人以上の増減は赤字で示している。

2019年後期出身地別選手数

北海道・東北と信越各県の出身者(その多くは東京支部に所属)に大きな増減はないが、東京都の出身者は大きく減少している。東海地区は、レース場のある3県全部で少しずつ増えている。
近畿地区では、大阪がマイナス13人と全国で最も減っている。A級選手の数は増えているのに、B級選手の引退が相次いでいるのだ。逆に兵庫は8人も増えた。
四国では香川が増加傾向。中国では山口が、御大の今村豊の引退などもあって若干減らしている。
九州各県は増減が激しい。選手養成所移転以降、増加傾向にあった福岡だが、この5年では何と18名も激増。この増加数は全国で断トツだ。その一方で、峰竜太の活躍や有望な若手が次々に登場する佐賀が7人減少とは意外。長崎は10人も減っている。
そして驚くべきは、レース場のない県で最も増えているのが沖縄ということ。原田幸哉をはじめとする現役やOBの沖縄移住が増えたが、そうしたニュースでボート選手が身近になったのだろうか。

レース場がない県の出身選手はなぜボート選手を志したのか?

鹿島敏弘(青森)
「小さい頃に場外売り場ができたんですよ。BTS南部ですね。親はボートもやったことがあったらしいです。その後、自分は陸上自衛隊に就職して横須賀勤務になり、その時に平和島でレースも生で見ました。その後、住之江でグランプリも見ていいなって思いました。それが目指すきっかけですね。レース場のない県のデメリットやハンデなどは感じないです。逆に去年、南部と黒石にはイベントで行かせてもらって、地元の選手だからってすごく応援してもらえたのはありがたったですね。自分と同県の選手が増えていってほしいと思っていますよ。一緒にレース場で会う時がくれば、話しも弾むでしょうし」

多田有佑(山形)
「自分はボートレースは元々知らなかったんですよ。(漫画の)モンキーターンくらいは知ってましたけどね。友達に誘われて試験を受けに行ったんですよ。試験は1回で受かったんですけど…。東北枠?とかだったんですかね。萬(正嗣/宮城)とかも受かっていたし。応募するまで本場のレースは見たことがなかったんですよ。やまとの試験で初めて見ました。レース場を見たのは現地訓練での児島でした。同県の選手はあと2、3人は増えて欲しいです。それで甲子園に出て欲しいです(笑)。甲子園は最初の頃は修行と思って行ってましたけど、格差が凄すぎて(苦笑)。なので山形の皆さん、選手になってください(笑)」

佐竹友樹(宮城)
「きっかけは親戚のおじさんですね。高3の時でした。大学に行こうと思ってたけど、これを知って急遽進路変更して試験を受けた感じです。何か楽しそうじゃないですか。個人競技だし。高校時代は野球とボート(レガッタ)をやっていました。それで高校の時に戸田に合宿に行ったことがあったんですけど覚えてなくて…。やまと卒業の次の日に支部挨拶があって戸田公園駅に来たら、ボート推薦で大学行った人たちにその朝、バッタリ会ったのも思い出です。選手になって良かったと思いますよ。僕なんか、怠けている方なのかもしれないけど、気合入れてガッツリ稼ぐこともできるし。やったらやった分返ってくるのはいいと思うし。競艇からボートレースという名称になってちょっと雰囲気は変わりましたよ。今は選手もイケメンやら可愛い子が増えたし。今入ってくる子たちは目的が違います。がっつり稼ぎたいからとかではなくて、峰竜太のターンが格好いいからとか、憧れで入ってくる子が多いですね」

島村隆幸(高知)
「ボートを知ったきっかけは、BTS土佐ですね。他にやることがなかったんで、軽い感じでした。なんかやってみようかなっていう軽い感じ。野球をやっていたけど、ボート選手になることにつながりはなかったです(笑)。いくらかはレースには生きているのかもですけど。高知の後輩は増えてほしいですね。まだ6、7人しかいないですし」

冨名腰桃奈(沖縄)
「友達に『(体が)ちっちゃくてもやれるらしいよ』って勧められて。それから沖縄であった選手募集のイベントに竹井奈美さんが来てて、『ボートレーサーってこんなに稼げるんだ』って思いました。自衛隊とか消防士になりたかったんですが、身長が足りないって言われました(笑)。当初、母が反対してたので、竹井さんが走られていた福岡を一緒に見に行きました。レース場のない県の出身というハンデなどは全く感じません。最近沖縄出身の選手が増えているのはめちゃくちゃ嬉しいです」

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