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地テシ:243 蟹工船稽古初日ってば!

東京にしては久しぶりにたくさん雪が降った今週。全国的にもかなり寒かったようで、皆様におかれましてはご無事だったでしょうか。私も足を滑らしながら散歩していました。いやあ、危ない危ない。どうぞお気を付け下さいませ。
散歩といえば、毎年恒例の正月都心散歩ですが、今年は番町辺りを歩いてみました。ふらふらと歩きながら江戸城に面した駐日英国大使館辺りにも行ってみましたよ。

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昭和初期(つまり戦前です)に建てられた古典様式の正面側も美しいのですが、裏側の坂に面した壁がまたカッコいいんですよ。

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どう、この規則正しい段々の壁。美しいけど、結構な高さです。


さて、そんな正月の明日、いや、日が変わってもう今日ですが「蟹工船稽古初日」が上演されます。たった一日の、たった1ステージの作品。私にとって初めての劇場である、なかのZERO小ホールにて14時からですよ。

どんな作品になるのでしょうか。皆さんにも判らないでしょうが、出演者である私にだって判りません。ほとんど打ち合わせもないまま本番を迎えます。本番っていうか、稽古初日です。稽古初日が本番なんです。
もちろん、一応台本はありますし、演出家である腹筋善之介さんとはちょっとは打ち合わせもしましたが、出演者が顔を合わせるのは当日のみ。それは何故かといえば、もちろん稽古初日だからです。稽古初日ってそういうもんなんです。新たな作品を作り始める稽古初日だからこそ、なにか不思議なシナジーが発生するかもしれませんし、しないかもしれません。そこはやってみてのお楽しみです。

何度もご一緒している、理論派演劇マシーンである元第三舞台の小須田康人さん、何度もご一緒している、人情派演劇万年青年であるキャラメルボックスの西川浩幸さん、何度もご一緒している、情熱派演劇ロボットである元惑星ピスタチオの腹筋善之介さん。みなさん久しぶりではありますが、ある程度の手の内は判っているので、仕掛け甲斐があるというか、楽しみの方が大きいのです。
ただし、ただしですよ、今回が始めましてとなるクセモノ派吉本芸人である130Rの板尾創路さんが全く読めません。どういう手法を使ってくるのか。攻めてくるのか、攪乱に回るのか、はたまた意外と緊張しているのか。数々の伝説を持つレジェンド芸人として、そして数々の映画・ドラマ・舞台での活動経験を持つ俳優として、実に気になる共演者です。

基本的には、小林多喜二によるプロレタリア文学の金字塔「蟹工船」を舞台化しようという企画の、稽古初日を切り取った作品です。皆さんが普段ご覧頂いております演劇作品が、どのようにして作られているのか。その一部をお見せいたします。
とはいえ、たった1ステージではありますが、一応演劇作品ですので、普通の稽古初日とは違います。ワークショップのようなカンジで作品を作っていく、その様をご覧頂くことになると思います。

ていうかね、どのくらいのテンションで臨めば良いのかが判りません。稽古なのか本番なのかトークショーなのか。いや、一応皆様からお金を頂いてお見せするモノですからキチンと臨もうとは思ってはいるのですが、なにしろ稽古なのですよ。ギアの入れ方が判りません。
そして今晩の過ごし方も判りません。初日前夜なんですよ。普通の公演ならば初日前夜にはソワソワしたりワクワクしたり、それなりの過ごし方があるのです。でも、明日は稽古なのですよ。いや、本番なんですけど。いつもの初日前夜にはゲームをしないと決めているのですが、もうプレイしちゃったし。この後もプレイするし。まあ、稽古だしな。いや、本番なんですけど。
そして何よりも、明日は何を持っていったら良いのかが判りません。いつもの劇場入りならばメイク道具やら楽屋道具やら、色々と一杯持って行かざるを得ずに大荷物になるのですが、明日は稽古なのですよ。一体何を持って行ったら良いんだい! 誰か教えてくれよ! 判んないよ!

ええと、取り乱しました。申し訳ありません。思わず叫んでしまいました。今回「判らない」というフレーズを多用しておりますが、実際判らないんだから仕方がない。まあとにかく、キャストもスタッフも初めての試みですので、どうなるかはそれこそ判りませんが、どうぞお楽しみ下さいませ。
ちなみに、アーカイブ配信もされますので、お越しになれない方でもお楽しみ頂けます。気になる方は是非チェックしてみて下さいね。どうぞよろしくお願い致します。